まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

論客

2018年01月24日 | 日記

大雪騒ぎに紛れて報道はお座なりだったが
評論家の西部邁さんが急死された。
多摩川に入水自殺という衝撃的な死だったと言う。
ああ、西部さんらしいなあ・・・
などとショックよりも妙に納得してしまった。

一言で言うなら「カッコいい」人だった。
書く文章もカッコよかった。
よく保守派の論客という言われ方をするが
保守・革新を問わずに
本当の意味での「知性」を感じさせる論客だった。
知識をひけらかす博覧強記型ではなく
明晰な論理の中に人間の「情」を感じさせる人だった。
と偉そうに言いながらも読んだ著作は少ない。
せいぜい2、3冊だろうか。
でも、吉野作造賞を受賞した「経済連理学序説」は
いかにも西部さんらしい名著だったと思う。
東大時代は全学連の理論的な支柱として論陣を張られたが
東大改革に挫折するとアッサリ大学を去られた。
野に下ってからは舌鋒ますます鋭く
民主党政権の底の浅さを徹底的に批判して警鐘を鳴らし
対米追随の自民党にも容赦がなかった。
実に筋が通っていた。
出演された「朝まで生テレビ」は私もよく見ていたが
西部さんの発言には思わず膝を乗り出した。

人の生き死にはとやかく言うべきではない。
とは思いながらも・・・
この寒さの中を川に身を投げるのはよほど覚悟だったと思う。
カッコいいなどと言えば語弊があるが
最後までカッコいい人だった。