最初にその社名を聞いたとき
なかなかいいネーミングだなあと感心したぐらいだった。
近頃は離婚率も未婚率も高まる一方で
結婚式の方はすっかり色あせた感があるが
成人式だけはまぎれもなく一生に一度の「はれのひ」である。
ところがその成人式当日に
頼んでいた振袖が届かないという不測の事態が発生した。
単なるトラブルなどではなく
振袖の販売やレンタルをした業者が雲隠れしてしまい
各地の成人式会場は大混乱となった。
中には途方に暮れて泣き出す新成人もいたと聞く。
まことに気の毒な限りである。
臆面もなく「はれのひ」を名乗った業者は
一生に一度の晴れ舞台を台無しにしてしまったのである。
悪質な手口から計画倒産の疑いが濃厚である。
ただ、そこまで大騒ぎするようなことなのだろうか?
世の中は常に悪意に満ち満ちているし
この手の悪質な詐欺商法も掃いて捨てるほどある。
先日摘発された「てるみくらぶ」も全く同じ手口ではなかったか。
こうしたビジネスは基本的に信用取引で
もちろん一にも二にも業者の責任が問われるべきではあるが
サービスを利用する側にも自己責任が伴う。
そもそも振袖を成人式当日に届けるというシステムに
危惧を抱く利用者はいなかったのか?
途中で交通トラブルにでも巻き込まれたらどうするのか?
そうした単純なことも含めてまことに危い
いや、怪しいビジネスなのである。
たかが娘の成人式のために50万も60万も出すこと自体が
私などは結構なご身分だと思ってしまうし
そんな大金を振袖代に使うぐらいなら
もっと違ったお金の使い方を教えるのが親の務めではなかったか?
お叱りを覚悟でこんなことを言うのだが
これを機会に成人式そのものの在り方をもう一度
考え直してほしいものである。