まろの陽だまりブログ

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せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

佐藤愛子恐るべし!

2017年09月09日 | 日記

佐藤愛子の本を初めて読んだ。
買った覚えがないし自宅の本棚で埃をかぶっていたから
たぶん家人のものと思われる。
読んでみるとこれが痛快無比の面白さなのである。



佐藤愛子氏は「怒れる作家」と呼ばれるそうである。
実際、このエッセイの中でも世相を怒り、日本を怒り、政治家を怒り
時には子供や老人さえも遠慮会釈なく叱り飛ばす。
その怒りは怒髪天を突くがごときである。
それでいて「日々是上機嫌」と言うのだから何とも始末に悪い。
しかし、その怒りに不思議な温もりがある。
怒りのネタの着眼点にも意外性があってゲラゲラ笑ってしまう。
ちょっとクセになるような面白なのである。



聞けば御年93歳のご高齢だと言う。
女性は長生きとは言いながら90歳を超えて現役作家というのは
世界的にも例を見ないのではかろうか。
見るからに若々しいし声にも色艶があって美しい。
作家の遠藤周作氏が灘中学時代
通学列車で見かける彼女は同級生のアイドルだったそうだが
さもありなんと思ってしまう。
大阪は帝塚山生まれの西宮育ちという生粋の関西人である。
確かに笑いのツボを心得たユーモアセンスも
常に斜に構えて世の中を見るところも
さらに言えば歯に衣着せぬ毒舌ぶりも関西人ならではで
田辺聖子さんと共通するところがある。
二度の結婚と離婚を体験。
二度目のご主人が莫大な借金を残して亡くなった後は
孤軍奮闘で借金返済に追われたことも。
なるほど道理で腹が据わっている筈だと大いに納得する。
そんな苦労など「へ」でもないと
豪快に笑い飛ばす彼女の明るさが何よりの魅力かも知れない。

ベストセラーとなった「九十歳。何がめでたい」は
すでに百万部を超える〈もう超えたかしれない〉勢いだと聞く。
90歳のベストセラー作家というのも
おそらくギネスものだろうし「佐藤愛子恐るべし」である。
この機会にまとめて読もうと思ったものの
その著作の多さはおびただしいほどでビックリしてしまった。
うーん、まさに佐藤愛子恐るべし!
今回はあたかも自分が発見したかのように書いてしまったが
熱心な「愛子ちゃん」読者からすれば
何を今さらチャンチャラおかしいとバカにされるかも知れない。
遅まきながら恥ずかしながら
本日「愛子ちゃん」ファンの仲間入りである。