まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

空蝉

2017年08月12日 | 日記

世の中はお盆モードです。
陸も空も民族大移動のラッシュアワーです。
そんな人間世界に負けず劣らずセミたちもラッシュです。



うーん、スゴイですねえ。
民族ならぬ「セミ族」の大移動です。
次から次へと地中から湧き出て来ては地上を目ざします。
セミの寿命は7日などと言われますが
限りある命を燃やし尽くすかのように短い夏を鳴き続けます。
いま鳴かなければいつ鳴くんだ!
とでも言いたげに子孫繁栄のため必死に求愛し続けます。
あさましいと言うか痛ましいと言うか・・・
まあ、考えてみれば人間世界も同じようなものかも知れません。



子孫繁栄は成ったのかどうか・・・
短い夏は無事に完結したのかどうか・・・
セミの亡骸を見ると決まってそんなことを思います。

  空蝉の 未練にすがる 木の根かな 〈杉作〉

セミの抜け殻を「空蝉」と言います。
転じて、生きている人間の世界をことを現世(うつしよ)と言います。
果てしもない宇宙の時間軸から見れば
確かに人間の一生など一瞬のまたたきに過ぎず
セミのようなものかも知れません。
そんなペシミスティックな感慨にふけっていると・・・



出勤途中に高速バスを見かけました。
車体の「ICHBATA」の文字は一畑電鉄のことで
わが郷里・出雲市と東京を結んでいる深夜の高速バスでした。
普段は一台だけですが
お盆の混雑で臨時便も運行しているのでしょう。
急に「里心」がついてしまいました。
ああ、今年も帰れなかったなあ、墓参りも出来なかったなあ・・・
朝からつい涙ぐんでしまうオジサンでした。