まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

絶対悪

2017年08月07日 | 日記

湧き上がる入道雲を見上げながら
72年前のヒロシマの空もこうだったのだろうと思った。
ただ、その夏空に現れたのは
平和な入道雲ではなく巨大なキノコ雲だった。



今年も広島市長の平和宣言は心に残った。
宣言とは言いながら全世界に静かに語りかける口調だった。

  「8月6日8時15分、広島の空に「絶対悪」が放たれ
   立ち昇ったきのこ雲の下で何が起こったかを思い浮かべてみませんか」

絶対悪というのは誰にとっても
どのような立場・観点から判断しても「悪」ということである。
核兵器はまさしく絶対悪の象徴なのである。
その厳然たる事実を宣言の冒頭に明確に力強く言い切った
広島市長の「怒り」に敬意を表したい。



それに比べて・・・
という言い方をするといかにも気の毒だが
安倍首相の言葉は残念ながら何一つ心に残らなかった。
と言うか、そもそもこの人に平和式典で挨拶する資格があるのか?
今年七月、国連で「核兵器禁止条約」が採択された。
核兵器の使用や保有を全面的に禁止したまさに画期的な条約で
国連加盟国193ヶ国中、122ヶ国が賛成した。
条文に初めて「ヒバクシャ」という日本語が盛り込まれたのも画期的だった。
従来の核保有国による「核拡散防止条約」とは根本的に違って
核兵器が「絶対悪」であることを世界が認めたのである。
それにも関わらず・・・
世界で唯一の被爆国である日本はこの条約に反対。
いろいろ理屈をつけてみてもアメリカへの遠慮としか思えず
ヒロシマの被爆者に失望を失望させた。
そんな国の指導者が平和式典に出席する資格があるのか!



原爆の日か来るたびに思うのだが・・・
日本には「永世中立」という選択肢もあったのではないか?
二言目には核の「抑止力」を言うが
本当に核兵器には戦争を抑止する力はあるのだろうか。
北朝鮮がICBMをアメリカに撃てば
もはや抑止力もへったくれもない混乱状況で
あの「自国第一主義」のトランプが日本を守るとは到底思えない。
いつまでも抑止力の幻想に酔っていては
とんでもない事態になるのではとオジサンは気が気ではない。
絶対悪は必要悪と開き直るのではなく
世界のリーダーとなって核兵器禁止条約を推進することが
平和への近道だとオジサンは思うのだが・・・

この日、安倍首相は核兵器禁止条約については
全く触れずじまいだった。