治るといいのにねえ。
もう一度元気になるといいのにねえ。
そんな女性たちの声をあちこちで聴いたような気がする。
もちろん男性だって口にこそ出さないが
彼女の笑顔を祈るような重いで見つめて来たと思う。
とうとう麻央さんが亡くなってしまった。
昼過ぎだったかスマホのニュースで「死去」の文字を見た時は
思わず「ええ!」と声を上げてしまった。
新聞や雑誌で闘病中の写真を見かけることがあって
その深い影を宿した表情に「ただならぬ」病状は推察できたが
どこかで奇跡を信じていたのかも知れない。
だいたい乳ガンは胃ガンなどと同様
今の医学ではかなり治癒率が高まったガンではないのか!
などと腹立たしい思いになったりした。
彼女の結婚は少なからずショックだった。
当時の海老蔵は世の中をナメきったどうしようもない不良で
さまざまな騒ぎを起こす問題児だった。
麻央ちゃんはどうしてこんなバカな男がいいのか!
などと理不尽な怒りを覚えたのだが・・・
ご存じのようにその後の海老蔵は人間的にも見違えるように成長し
歌舞伎役者としての芸の幅もぐっと広がった。
結婚は男を変えるとは言うけれど
私は逆に真央ちゃんの「無垢な魂」と妻としての一途な思いが
海老蔵を「浄化」したのだと思っている。
キャスター時代から単なる育ちの良さだけでなく
不思議な「癒し」の雰囲気を持った女性だった記憶している。
闘病ブログは読んだことはないけれど
運命に負けまいとする彼女の懸命な努力と人間としての強さが
多くのがん患者さんに勇気と共感を与えていた。
それだけに残念でならない。
神も仏もないものかと「無慈悲」を思う。
今はすべての痛みや苦しみから解放されゆっくり休んでほしい。
そう思うしかないのである。