まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

風雲児逝く

2017年06月13日 | 日記

風雲児という言葉がある。
世の中が大きく変動する時に現れて活躍する
英雄的な人物のことを言うらしい。

青木定雄さん、88歳。
かつて「タクシー業界」の風雲児と呼ばれた。
MKタクシーを中心とする「エムケイ」グループの創業者である。
先日亡くなられたローランドの梯さんもそうだが
懐かしい人たちが次々といなくなるのは、やはり寂しい限りだ。

その昔、タクシー業界は「規制」の牙城だった。
許認可制という大原則のもとで
運輸省から「同一地域・同一賃金」の規制を押しつけられ
ビジネスで独自性を発揮したいと思っても不可能な
いわば完全な横並びの世界だった。
そんな業界に「風穴」をあけたのが青木さんだったのである。

   「手を合わせて拝むのはお上ではなく客」

の信念のもとで無謀とも思える運賃引き下げ訴訟を決意。
みごと規制の「岩盤」を打ち破った。



皆さんはMKタクシーに乗ったことはあるだろうか。
その丁寧な接客ぶりは実に気持ちいい。
タクシー運転手と言えば「乗車拒否」に象徴されるように
横柄な態度と乱暴な運転が当たり前で
客との間のトラブルは日常茶飯事で業界の常識だった。
青木さんはそんな非常識を打ち破ろうと
客に対するあいさつや言葉遣いを徹底的に訓練された。
まあ、森英恵デザインのユニホームはさすがにどうかと思ったが
タクシー運転手のイメージを変えたい一心だったと思う。
運賃が安い上にサービスもいいとなれば、当然、客は殺到するもので
地元・関西はMKの独占状態となった。
私も仕事で深夜帰宅となった時など必ずMKタクシーを指名した。
もちろん放送局のチケットですよ。(笑)

大学の大先輩でもあった。
そんな知己もあって何度か取材でお会いした。
在日らしいパワーにあふれた人だった。
いわゆる「アクの強い」性格で毀誉褒貶も激しいタイプだったが
反骨の塊のような純粋さが私は好きだった。
あらゆるものが穏便で骨抜きになっていく世の中
最後の風雲児だったのではないか・・・


森の哲学者に会う

2017年06月13日 | 日記

昼下がりの六本木通り。
ボーッとしながら歩いていると涼やかな女性の声。
ちょっと寄っていかれませんか?
オイオイ、真昼間から風俗の呼び込みかよ!
と思いつつ振り向くと・・・



な、な、なんとフクロウではないか!
六本木の路上でフクロウに遭遇するなんてビックリ!
一瞬、事態がのみこめなかった。

  「こ、これは?」
  「新しくフクロウカフェがオープンしたんです。
   すぐそこのビルですから寄って行かれませんか?」
  「へえ、フクロウカフェか・・これ逃げたりしないの?」
  「全然、大丈夫ですよ」
  「突然、飛びかかって来て噛みついたり・・・」
  「本当におとなしいですから」

フクロウカフェがあちこちで盛況なのは聞いている。
今まで一度だけ、公園でフクロウを見かけて写真を撮ったことがあるが
こんなに間近で見たの初めてである。
フクロウはよく「森の哲学者」などと呼ばれる。
なるほどその思慮深い風貌と真理を探求する鋭く大きな目は
いかにも哲学者然としている。
時々、小首をかしげるような仕草すするが
そんなところも何か深い考えがあるようで可愛いのである。

正面から写真を撮ろうと
何度かポーズをお願いするがこっちを向いてくれない。
うーん、結構「頑固者」かも知れない。

  「癒されますか?」
  「癒されますよう」
  「癒されたいんです」
  「ぜひ癒されに来て下さい!中高年の方も多いですよ」
  「・・・」
  「これ、割引券ですのでどうぞ!」
  「この写真、ブログに載せてもいいですか?」
  「もちろん!ドンドン宣伝しちゃってください」
  「そう言えば、貴女もちょっと癒し系の美人だよねえ」
  「えー、本当ですか!うれしい・・・」

この日は仕事の途中なので失礼したが
せっかく割り引く券も貰ったし、近々、行ってみようかなあ。
森の哲学者と真理を探究するのもいいけど
フクロウ美人とゆっくり語り合うのも楽しそうだなあ。