令和6年11月13日(水)
交通空白が大きな問題となっています。地方に住む一人として、高齢化が進み、公共交通の衰退が著しく進む中、地域の行事に出かけると、この話題に触れることが多くなりました。
私が高校生の時は、地元にある私鉄(当時は岳南鉄道)が、通学の足であり、2両編成の電車内は満員の乗客で混雑しながら通った経験があります。また、路線バスも多いときで2社が運行し、中心市街地へ出かける際も、便数も多かったことから大変便利でした。
しかし、自家用車が増え、公共交通を利用する人が少なくなったことが大きく影響し、減便から路線廃止までが顕著となりました。
一方で、地域の高齢化が進み、免許証自主返納もあり、自家用車が利用できない人も増え、買い物や病院通いなど、日常生活における足がなくなりつつあります。
この不便さをなくすために、交通事業者への支援や利用促進(高齢者への利用券配布など)なども実施してきましたが、その効果は限定的で、公共共通の衰退が一向に止まりません。
行政と交通事業者が地域コミュニティと連携した、コミュニティバスやデマンドタクシーなどの導入を図っていますが、利用促進が進まず廃止になるところもあり、問題は深刻化しています。
今、この問題解消に取り組む、「ライドシェア」に注目が集まっています。ライドシェアとは、個人が自家用車を使って有償で人を運ぶ仕組みです。
静岡県は、交通空白の解消を目的として、今年7月、都道府県として初めて、(一社)全国自治体ライドシェア連絡協議会に入りました。また、9月には、ライドシェア専門部会を立ち上げ。知事は「住民同士が支え合う共動型交通」の重要性を示し、県としてライドシェアに取り組む市町を全力で支援していくと明らかにしています。
本県がライドシェアに取り組む背景として、地域交通の「担い手」不足の深刻化。乗合バスや鉄軌道路線の減便・廃止。高齢者の運転免許証自主返納増加を挙げています。先に触れたように、私の地元はまさにこの状況です。このことにより、交通空白が発生し、過疎地や中山間地では日常生活の足の確保が困難になり、都市部や観光地では、時期や時間帯でタクシー不足などが生じています。
県では、これまでに県内自治体向けの説明会を実施し、県内35市町のうち29市町が参加しました。
また、静岡運輸支局、県内全35市町、県タクシー協会、県バス協会と県で構成するライドシェア専門部会を立ち上げています。
先日の報道に、次のような記事が載っていました。個人が自家用車を使って有償で人を運ぶ「日本版ライドシェア」が始まり、半年を迎える。ただ、サービスを提供できる地域は増えている一方、運行できる時間帯などの制限が厳しく、運行を手掛けるタクシー会社は事業拡大に積極的でないのが実情だ。訪日客(インバウンド)による需要増も予想される中、どこまでライドシェアを普及させる必要があるのか丁寧な議論が求められる。とありました。
地域公共交通・ライドシェアに関する緊急首長アンケート(全国知事・市区町村長119が回答)によれば、ライドシェアに対する条件変更・規制緩和に対して、90%近くが「行うべき」と回答しており、多くの課題があることが感じられます。
先ほどの報道にあるように、どのように実現・普及していくのか、本県知事は積極的な姿勢を示していることから、注視していきたいと思います。
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