令和6年6月7日(金)
日本食の食材は、多くの海外からの輸入に頼っています。先日、フィリピンのマニラ市内で水産品の加工及び輸出を行う事業者を訪問する機会があり、そこで取り扱う水産品の加工と輸出等に関する現場視察を行いました。
(視察の様子)
食材は、生産から食卓に届くまで、その全てにおいて安全性が最優先されます。それは、国内だけでなく輸出入に関しても国際的な取組として果たしていかねばなりません。
国内においては、令和3年6月1日から、原則として、すべての食品等事業者にHACCP(食品衛生管理制度)に沿った衛生管理に取り組むことになっています。
それ以前のHACCPに関しても、私のブログでは、お茶や食肉の輸出に関して触れてきました。それが全ての食品事業者に課せられたことになります。
HACCPとは、食品の製造・加工、調理、販売等が対象となり、①食品衛生上の危害の発生を防止するために特に重要な工程を管理するための取組。②取り扱う食品の特性等に応じた取組があります。
このHACCAPは、世界標準のように考えがちですが、基本的には同じであっても、国や地域によってより厳しい基準を設けています。例えば、輸入先が日本のHACCPよりも厳しい基準を設けているとすれば、その国や地域への輸出ができないということになります。
今回訪問したのは、マニラにある日本食には欠かせない「タコ」の加工現場でした。食材としての「タコ」は、今やアメリカやEUに輸出され、先ほど触れたEUのHACCPは、日本より厳しいものであり、その基準を満たしたものが日本に輸出されています。
フィリピン周辺は、「シマダコ」が豊富に取れるそうで、日本食では「マダコ」が主流でしたが、価格が高騰し、その確保が難しくなっているそうです。日本人の口に合う代替品になるためには、食感や味も一定の条件を満たさなければなりませんが、それを満たし、かつ世界一厳しいと言われる、EU規格のHACCPを満たした「シマダコ」が日本に輸出されています。
関係者からは、衛生管理はもちろんのこと、日本人やその他の輸出先に嗜好に合わせた加工を行い、その試行錯誤についてお話を伺うことができました。また、漁の後から運搬、この事業所での加工、輸出に至るまで、それぞれの工程についても衛生管理がどのように確保されているか聞くことができました。
試食した結果は、私たち日本人がいつも食べている食材として何ら変わるものではありませんでした。日本以上に厳しい衛生管理のもと、その食材が日本に送られてくる現場に関心を寄せています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます