鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

介護分野における海外人材の確保

2024年06月08日 | 議会活動
令和6年6月8日(土) 

 日本における少子高齢化と人口減少は、かなり深刻な事態に向かっています。先日の報道では、令和5年度の出生率が1.20と過去最低となりました。8年連続の減少となっています。

 人口減少により、日本の国力は低下していくことが懸念され、国力維持のためには日本人に加え海外からの人材確保が重要となってきます。特に医療や介護分野をはじめ、産業分野など多くの分野で「人が足りない」減少が明らかになっています。








(視察の様子)
 
 先日、介護ほか多分野の人材を確保するための人材教育と日本への派遣等を担う、現地機関を訪問し、その取組について調査しました。

 教育とはフィリピン国内で日本語を学び、日本で資格取得を目指すためのものであり、派遣とは日本が求める人材として技能実習生、特定技能、高度専門職などに関する手続等を行います。
 職種には、医療、宿泊施設、建設、食品サービス、食品および飲料製造などに求められる労働者を対象とし、この機関では、これらの労働者を対象とした独自の管理システムも備え、クライアントである日本の事業者とのマッチングやフィリピン人の仕事に対する意識の特性を生かし、就職先の職場での安定した勤務状況などを提供することで、信頼関係を高めているとの説明がありました。

 フィリピン人の特性(魅力)とは、「愛嬌が良く、フレンドリーでいつも笑顔」、「フィリピンは世界の英語能力指数(EPI)で13位」、「思いやりを持った国民性(フィリピノ・ホスピタリティ)は、明るい性格と優しさで。お年寄りを元気づけ、職場を明るくする」、「高齢者を大事にする国に生まれ育ち、大家族で生活するのが当たり前なことから高齢者と接することに慣れている」などをあげています。

 フィリピンでは、海外で働く国民が多く、国としてその政策を進めています。国民を保護する立場から、海外に出稼ぎに行く国民が不利にならないようにも配慮し、受け入れ側にもそのメリットが享受できる、Win-Winの関係を心掛けています。

 日本で働くことを求めるフィリピン人は、その学費等の個人負担はありません。将来規模する日本での職種に関わる事業者(日本の受け入れ側)がその費用を負担します。その場合、事前に本人と事業者の面接があり、双方のマッチングを確認します。
 この機関で教育を受け日本に出かけるまでの間に脱落する人は少ないといいます。仮に脱落したとしても、その不足分は事業者の追加負担なく、こちらの機関が責任を持って確保するとしています。

 日本に着いてからは、先ほど触れたフィリピン人の特性を生かし、長くその職場で働いていただけるようです。職場の移転は本国の関係機関の了解が必要とのことで、その理由なども明らかにしなければなりません。職場での不当な扱いなどがなければ定着率は高いとのことでした。

 日本で働く他の国のケースでは、本人が自国で多額の借金をし、渡航費用などを捻出することになり、途中で帰国してもその借金は返さなければなりません。フィリピンでは、本人負担がないことのメリットは大きいといえます。

 ここの責任者は、かつて日本で14年間働いた経験があり、当時は職種がエンターテイメントしかなかったそうです。もっと能力のあるフィリピン人が、多くの分野で貢献できることを目標として取り組んできた思いを説明してくれました。それが実現しつつあることにこれまでの努力が報われているとも話しています。

 今回の視察では、日本が直面している人材確保において、フィリピンでの取組がこれまでの経験も生かしつつ、大きな貢献をする可能性について学ぶことができました。
 それは、国毎による国民性やその国の政策にも左右されるということです。私が関わる介護事業所でも参考になる内容であり、またその他の分野も含め、様々な方面に伝えていきたいと思います。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本食における水産食材の海... | トップ | 一般広域道路富士富士宮線建... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

議会活動」カテゴリの最新記事