鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

紙のまちの現状と課題

2018年11月20日 | 議会活動

平成30年11月20日(火)

 

 静岡県紙業振興協議会による大会が開催され、来賓として出席してきました。紙のまち富士市を中心に、本県の紙関係企業で構成するこの協会は、洋紙(新聞用紙、塗工紙、非塗工紙、衛生用紙、情報用紙、包装用紙など)、板紙(段ボール、菓子類や雑貨などに使う白板紙など)、家庭紙(トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの衛生用紙)、古紙などの関係企業で構成されています。

 

 時間の都合で、開会のセレモニーのみの出席でしたが、その後の議事では、概況報告、業界の現状と課題、提言、大会宣言が行われたようで、帰宅後、配布された報告書に目を通したところ、大変興味深い内容であったことから、少し触れてみたいと思います。

 

 全体を通しての概要では、紙・板紙の国内需要は、リーマンショック後の2009年に大幅に縮小し、その後も回復することなく、減少・停滞の傾向となっている。しかし、輸出においては、昨年度は前年比+15.8%で増加の傾向で推移している。

 2017年の県内の紙・板紙の生産量は、264万4千トンで前年比+2.9%であった。内訳では、紙は印刷・情報用紙などの需要減少が続き、前年比-2.4%と減少したが、板紙はネット通信販売の拡大により、段ボール原紙などが増加し、前年比+4.5%となった。

 原料や燃料関連では、米・中貿易摩擦などによる古紙価格の上昇、原油価格の高騰による電力・ガスなどの価格が上昇し、経営環境を圧迫している。しかし、製紙産業が持続的な成長を維持するために、既存事業の体力強化と併せて、特殊紙への分野で付加価値を高めていかねばならない。製紙業界の牽引役として、CNF(セルロースナノファイバー)の今後の進捗に注目度が高まっている。

 

 今後の取り組みでは、一つ目として「紙の特性と魅力を活かし、新たな紙利用の分野を広げる。」ことを掲げた。

 最近は、ストローなど使い捨てのプラスチック製品が環境汚染源となり、世界的な課題となっている。代替品として紙製ストローなどの紙製品への切り替えが一部で始まっている。これらの代替を幅広く実現するためには、紙をはじめ代替素材の機能や価格の改善が求められている。

 二つ目は「次世代を担う人材の確保と育成に努める。」ことである。会社にとって人材は財産であり、人材確保が会社の将来を左右する重要な課題となっている。また、社員育成もしかりである。

 県紙パルプ技術協会では、若手社員の研修や人材育成のための研修に注力し、県紙業協会では、市内の小学生に工場見学ができる会員企業を紹介し、紙づくりの魅力を伝えている。また、県製紙原料商業組合では、リサイクルへの理解を深め、資源循環型社会の実現に向け、小学校4~5年生を対象に県内において出前講座を実施している。

 

 紙の新分野への進出や人材育成などは、私が県議会議員として取り組んできた方向性と一致し、県議会9月定例会で取り上げたいくつかの質問項目がその具体例であり、今後も業界の実状をしっかりと受け止め、県政の中で支援していきたいと強く感じました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 飲酒運転に注意 | トップ | 静岡県富士山世界遺産センタ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

議会活動」カテゴリの最新記事