鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

春闘の回答から見えるもの

2019年03月14日 | 議会活動

平成31年3月14日(木)

 

 春闘の集中回答日を迎えた記事が掲載されています。「前年割れ相次ぐ」といった今後の景気を見通した数字が示されているという説明でした。

 

 大きな要因は、米中貿易摩擦による中国経済の減速などで、今後、企業業績の悪化が懸念されるもので、そのほかにも北朝鮮問題など日本周辺の東アジア諸国の課題など、短期間で解決できそうなものではありません。

 今回の回答は、相場に大きな影響を与える自動車や電機などの大手企業の労働組合に対するものですが、今後続く、中小・零細企業への影響も必至といえます。

 昨日訪問した大手電機メーカーの役員は、労働組合への回答を終えたばかりの感想を漏らし、記事にあるような内容とほぼ一致していました。私にとって関心があるのは、企業経営の外側での環境変化による影響である一方で、企業としてこの状況をどのように打破していくのか、内部の取り組みが気になるところです。

 残念ながら企業戦略としての内容も含まれているので、ここで記述することはできませんが、当然、防御策について検討されているようです。

 

 この企業役員から、働き方改革による労働環境の改善について伺うことができました。ワークライフバランスを尊重したこの制度は効率の良い仕事による成果が得られることで、経営側にとってもメリットはあります。一方で、まだ多くの企業は成果主義よりも時間を基準にした賃金体系であり、労働時間の減少は現実問題として収入減に繋がります。

 今回の春闘の回答結果と働き方改革の行方は、これまで以上に働く側への影響が気になるところでした。

 

 さて、ある中小企業を訪問した際、先ほどの大手電機メーカーを70歳まで働き、この企業に再就職した技術者とお話をすることがありました。優秀な技術力を持つ人は、定年後もその企業に一定期間残り、さらにその後も活躍の場が用意されています。社会全般に人材不足が叫ばれている中、能力のある高齢の人が活躍することで、企業活動が継続、あるいは向上する事例ではありますが、彼の生き生きとした表情に感動を覚えました。

 

 生活する上での賃金は最重要な関心事ではありますが、仕事による生きがいを目の当たりにし、私たちが目指す社会のあり方を教えていただきました。

コメント
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