鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

海岸松の植樹事業に参加して

2019年03月19日 | 議会活動

平成31年3月19日(火)

 

 先日、鈴川海岸で開催された地元主催の松の植樹事業に参加しました。植樹といえば環境美化や保全など様々な目的で開催されていますが、沿岸部での松の植樹は特別な意味があります。

(植樹作業前に、作業内容を説明)


(住民の皆さんと一緒に共同作業で植えた松の苗木)


 

 白砂青松という表現もありますから、例えば富士山世界遺産における三保の松原の存在は、素晴らしい景観を演出する松として欠かすことはできません。そのため、景観を重視した視点で、松枯れ対策等の保全について取り組む様子が報道などで伝えられています。

 しかし、沿岸部における松は自然災害からの周辺への被害の軽減を目的とすることがほとんどです。防風林や防潮林などのように、海岸特有の気候である強風や塩害を松林が軽減してくれる手法は、古くから取り組まれており、周辺住民にとっては防災上の視点から欠かすことのできない存在となっています。

 沿岸部以外では、松以外の樹種が導入されていますが、沿岸部では植物の生育に影響を与える「塩」への耐性が必要であり、松が適しています。しかし、害虫による松枯れが深刻となり、防虫対策のための薬剤散布などで、松林近隣の生活環境への影響が懸念されており、飛散しにくい手法の導入や害虫に強い松の導入など、植樹以後の管理も大変と聞いています。

 

 最近では、松の防災軽減機能はさらに大きな期待が寄せられています。東日本大震災の津波被害は、この松林が被害を軽減したといわれています。そこで、静岡県の西部地域では、これまでなかった強固な防潮堤を整備していますが、さらに多重防衛という考え方から、松を植え、津波被害対策の向上を目指しています。

 防潮堤のような大がかりの施設整備は行政が専門の業者に依頼して設置するものですが、松の植樹は市民でも可能なことから、近隣住民や市民団体などのボランティア活動を募り、市民自らが防災対策に関わることができます。

 

 鈴川地区では、松枯れなどで裸地になった海岸に住民の手で松を植樹し、積極的に環境保全と防災対策に取り組んでいました。ここ数年で3,000本の苗木を植えたものの、残っているのは1/3ほどといい、市から提供された苗木を持った住民の皆さんが、空きとなった場所に苗木を補充していました。私も数本ですがお手伝いをさせていただき、今後、どのように成長するのか楽しみです。

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