平成31年3月21日(木)
地元の145回目となる小学校の卒業式に招かれ、出席をさせていただきました。毎年同じ光景に見えるこの式典ですが、卒業式独特の感動があります。
私の母校でもあるこの小学校は、創設以来13,000人を超える卒業生を輩出してきました。初等教育機関としての145年という歴史は、改めて地域が誇るものであり、ここで育った子どもたちの6年間はその後の人生の基礎となったことを考えると、極めて重要な役割を果たしていると感じました。
私が在籍していた頃は、全校生徒が900人ほどいましたが、今では300人台ということでその減少傾向に驚くとともに、改めて少子高齢化の波が地元にも訪れていることを感じさせます。しかし、この卒業式の持つ意味を受け止める保護者や家族の思いは、いつの時代でも変わらないように思えます。それは、保護者席に集まった人の数や式典進行中の眼差しから感じ取ることができます。
卒業式は、単に子どもだけでなく親子で大きな節目を迎える大切なものと受け止めました。
校長の挨拶では、絵本の読み聞かせる場面がありました。「自分らしく生きよ」というメッセージを送るものでした。PTA会長の挨拶では、高校時代の恩師からいただいたエピソードで、「あきらめない」姿勢の大切さを訴えたものです。大人はややもすると上から目線の話になってしまいますが、そんな雰囲気はなく、一緒に聞いている大人の心にも響くものであり、卒業生とその保護者、および来賓を含めた全体の一体感が漂っていました。
6年間を振り返った一人ひとりからの思い出には、学校生活だけでなく故郷の素晴らしさを伝えるものも多くありました。しかし、この子どもたちは、今後、この故郷との関係をどのように持ち続けていただけるのだろうか。現在の社会現象として、人口流出が課題となっており、進学や就職で地元を離れることが増えています。
子どもの頃の故郷の思いでは、生涯忘れることはないでしょうが、人口流出により、故郷の元気が失われると、いつか戻ってきた時にどのように感じるのか。地元にいる私たちがしっかりと守らなければなりません。