令和7年7月28日(月)
老朽化し雨漏りも大きな問題になっている、県立中央図書館のJR東静岡駅南口への移転整備について、その予算確保の過程における教育委員会の対応が問題となり、県議会で所管する文教警察委員会は、6月定例会閉会後も引き続き審査を行ってきましたが、一定のメドがついたことから審査を終了し、審査結果に基づく県教育委員会への引き続きの調査や再発防止策等について「申し入れ」を行うことになりました。
知事は、6月定例会の冒頭で、新県立中央図書館建設に関連し、「昨年11月の入札不調の後、再入札に向けて準備を進めてまいりましたが、当初の計画から財源の見通しが大きく変わることが明らかとなりました。
こうした状況を踏まえ、一旦立ち止まって整備方針を見直すことにいたしました。東静岡地区にふさわしい施設を目指し、デジタル技術の進展などの社会情勢の変化や、関係の皆様の御意見も踏まえながら、年内を目途に方向性を示せるよう、庁内に部局横断的なプロジェクトチームを立ち上げ検討を進めてまいります。」と説明していました。
この中で、「財源の見通しが大きく変わる。」と触れている部分は、県が国に申請した交付金の見込額が、通常では考えにくい多額なものであり、それに対する国は交付が困難になったことが発端となっています。さらに、その後も入札に向けた動きなどもあり、事業計画やその進め方について、様々な観点から問題が生じていることから、その真相解明や再発防止、責任論までが委員会内で審査の対象となりました。
審査では、数日間にわたり、これまでの新県立中央図書館整備に関わる詳細な資料を求め、その内容をつぶさに検証し、矛盾点などの洗い出しが行われましたが、故意か過失かの問題については確認できず、関係者の国とのやりとりや内部での確認作業の甘さなどに対して認め陳謝しているものの、納得がいかない委員の厳しい追及が続いていました。
最終的には、既に担当を外れている当時の関係者を証人として招致し、当時の経緯を確認することで矛盾点などの調査を行いましたが、結果としてこれ以上の調査は困難と判断し、これまでの調査内容を踏まえて、教育委員会内部での調査の継続や再発防止策等について「申し入れ」で決着し、今後、速やかに教育長に提出することになっています。
今後は、副知事をトップとする教育委員会を含む全庁的なプロジェクトチームを発足させているので、新県立中央図書館建設について、知事が示したように「一旦立ち止まり、整備を見直す。」ことへの具体定期な取組が始まります。