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鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

ネット教材に効果疑問に理解

2025年08月07日 | 議会活動
令和7年8月7日(木)

 最近の新聞記事に「ネット教材の効果に疑問」と題し、デジタル教育を再考する内容が記載されていました。教育現場で子どもたちに教えている教師の声で、私もこのことについては以前から同じような考えを抱いていました。

 記事の内容は、都内の公立小学校で4年生に算数を教える教師が、デジタル教材を使って熱心に教えたはずなのにテスト結果がよくない。教材は折れ線グラフを自在に動かせ、数値も簡単に変えられるが、テストでその分野を出すと正しく答えられない。
 そこで、改めて手書きで折れ線グラフを書く授業を行ったところ理解ができた。デジタル教材は「視覚的に分かったつもりでも意味を理解できないのではと疑問を感じた。」というものでした。

 小中学校が現在使っている紙の教科書には、デジタル教材に繋がるQRコードがいたるところに記載されていて、それを読むことによりインターネット上で動画や画像、グラフなどを見て動かせるそうです。正式な教科書の内容でなく、補助教材の扱いとなっています。

 さらに、授業中にアイドルやバンドのサンプル音源を聞くなど教育委員会の制限をすり抜けて動画サイトを見るなど、授業とは関係ないことをしている事例もあり、子どもたちがデジタル端末を適切に使えていないことが実態としてあるようです。

 今年の3月に、静岡県議会の「親学推進議員連盟」主催、「小中学校のICT教育の現状と未来 ~タブレットと生成AIの教育効果~」と題した講演があり、参加しました。講師は、東海大学総合研究センター所長を務める朝倉徹氏です。
 講演の中では、デジタル教育の様々な課題について触れていました。詳細は私の3月13日のブログ「小中学校のICT教育についての研修会開催」に記載しています。
 学校教育においては、ICT環境を整備し、教育ツールとしてICTを学ぶ動きが加速しています。海外でのICT教育がどのように進んでいるかについて、スウェーデン、オランダ、フランス、イギリス、米国などの現状について報告がありました。
 デジタル化が進み、教科書も今は「紙」が主体ですが「デジタル教科書」の導入も進んでいます。日本より先行している国々では、「デジタル教科書」の問題が表面化し、「紙」の教科書に回帰している例があります。

 学校現場から様々な課題が提起され、これを踏まえて適切なデジタル教育が推進できるよう、議員の立場で様々な情報を収集し議論していきたいと思います。
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鳥獣害の実態を知って

2025年08月06日 | 議会活動
令和7年8月6日(水)

 日本各地で野生の熊が出没して人や農作物に大きな被害が出る報道が増えています。自然環境が変わり、人里に降りてきた熊を含め多くの野生動物の被害は決して少なくありません。

 私も小さな畑があり、これまでも農作物が荒らされ、その実態をブログ等で伝えてきました。農作物を作っている人たちにとって、手間暇かけて作り上げた農作物が収穫期直前に荒らされてしまうと経済的損失だけでなく、やる気も失ってしまうなどのダメージは少なくありません。

 昨年から始めた農家との勉強会では、喫緊の課題となっている農業経営や新たな農業への挑戦、担い手の確保などのテーマについて情報交換しています。しかし、テーマ以外で必ず話題となるのが鳥獣害でした。

 鳥獣害の対象となる農作物をどう守るか。当初は被害に対する具体的な防御策を投入する農家は少なかったと思いますが、最近は多くの農家が電気柵などを張った農地が見られるようになりました。この対応も手間と投資がかかります。
 離農する農家の耕作放棄地問題の一つに、鳥獣害があることも忘れてはいけないと思います。

 過日、県がまとめた2024年度の野生鳥獣による農林水産物被害状況は、被害総額2億9,300万円で前年度比8%増、3年間連続で増加したことが報道されました。
 内訳は、イノシシとニホンジカによる被害が全体の7割以上を占めています。県はこれまでも鳥獣害対策を実施してきており、被害額はピーク時の42%まで減少しているといいますが、先ほども触れたように、農家の感覚は住居地域まで被害が広がっていることに危機感を持っています。

 被害地域は市街化調整区域の農地に限定しているのではなく、人が住む市街化区域内の農地に広がっており、鳥獣害対策には人が近づくと危険なケースもあり、対策が複雑化する可能性があります。

 野生動物と人の住む地域がかつてのように棲み分けできれば良いのですが、元に戻すことは困難であったとしても、自然環境を変えた人間が対策を講じなければ被害は増える一方で、人間と野生動物の共生のために為すべきことがあるはずです。
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太陽光パネルの再資源化

2025年08月05日 | 議会活動
令和7年8月5日(火)

 地球温暖化対策に向けて社会全体で様々な取組が行われており、特に省エネ対策は企業や家庭での実践的な取組が重要です。

 一つの代表例として、省エネ機器の導入によりエネルギー消費量を効率化するための動きが一般的になり、家庭で使用する冷蔵庫やエアコン、照明器具のLED化などの電気機器や、太陽光パネルを使った自家発電による再生可能エネルギーの地産地消などが普及しています。さらに自動車ではEV化が進み、ガソリンなどの二酸化炭素の排出量を極力抑えた仕組みが一般化してきました。

 本県では、2022(令和4)年度の県内の温室効果ガス排出量(速報値)は、「第4次静岡県地球温暖化対策実行計画」の基準年度(2013年度)比で21.2%減となっています。2030(令和12)年度に基準年度比46.6%削減の目標達成に向け、計画に掲げる施策を推進しており、確実に温室効果ガス排出量は減少しているものの、今後もその取組の強化が進められていきます。

 県は、これらの実現のためにいくつかの支援策を用意しており、例えば省エネ設備の導入に対し、企業向けの補助金等を充実させ、今年度も中小企業向けの「中小企業等カーボンニュートラル促進補助金」が新設されました。

 さて、省エネ対策に効果を発揮している太陽光発電に必要な太陽光パネルは、導入から相当の年数が経過し、その寿命が20年から30年といわれていることから、2030年代半ばから急速に廃棄物となることがわかっています。最大で年間50万トンに達すると予想されていることから、この処理方法について検討が必要となります。

 先日、県では使用済み太陽光パネルのリサイクルに関する研究会を立ち上げ、初会合が開催されました。関係者100人が集まり、現状の課題やリサイクルの法制化などについて、環境省の担当者を招き理解を深めたということです。
 その中では、太陽光パネルの処理について、重量の6割を占めるガラスの資源循環には質の高い技術が必要で、現在はリサイクルより安価な埋立てに回っていることが多いと言います。リサイクルへの取組はどの廃棄物も大きな課題で、その実現のための技術導入や法制化などにより、消費者が処理費を負担することもあり、その分がコストに上乗せされることは十分考えられます。

 安価な技術の開発や消費者の理解も必要になり、今後の動きを注視していく必要があります。
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リニア中央新幹線の進捗は

2025年08月04日 | 議会活動
令和7年8月4日(月)

 リニア中央新幹線に関する話し合いが加速しています。知事が交代したことにより、県のリニア中央新幹線に対する対話も増え、報道の機会も増えています。
 一方で、先行している他の地域の工事に関しては、水に関わる問題が生じており、本県が懸念している課題が実際に起きている事もあり、その原因や解決方法、住民への対応などを注視しています。

 知事は、県議会6月定例会にて、リニア中央新幹線について次のように説明していました。
 リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全については、5月23日の県の生物多様性専門部会や、6月2日の県の地質構造・水資源専門部会において、JR東海の対策において課題となっていた事項についての確認が行われるとともに、要対策土の処理についても対話に着手した。
 これにより、主な対話項目28項目のうち10項目が完了し、水資源編については対話が完了した。残る18項目についても鋭意対話を進めていく。
 引き続き、リニア中央新幹線の建設と、大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全の両立を図るため、JR東海とスピード感を持ちつつも、丁寧な対話を進めていく。
 水資源については対話が完了したとし、その後は県を始め大井川流域市町との具体的な話し合いが進められています。

 6月定例会の一般質問では、大井川の水資源に影響が出た場合の対応について、知事は「JR東海が将来にわたり補償の対応を行うことに関し、国に何らかの関わりを持ってもらうことと、これらを文書で担保する必要がある。」と述べ、JRの補償や国の関与を明文化する必要性を改めて強調しました。
 またその後の常任委員会で県担当者は、「水資源の対話項目の議論の完了」は、「住民の理解が得られた」わけではなく、流域関係者などに丁寧に説明する必要があると述べていました。

 JR東海は、盛土問題や生態系調査についても今後の取組について公表し、その結果を県の専門部会に報告し会話を加速しているイメージが伝わってきます。

 本坑工事に先だち、先進抗の掘削工事も進んでおり、山梨県側から本県境まで300メートル以内に迫っていることが明らかになり、水源に影響が出ることを考慮して掘削時のリスク管理方法などを県の専門部会で説明し、それに基づく工事が進められています。

 つい先頃は、冒頭で触れた「水資源に影響が出た場合の補償」について、流域10市町の首長は「将来にわたる補償について、工事との因果関係の立証に国の関与を求める」などについて、JR東海との会議で求めています。

 1年ほど前までは、リニア中央新幹線工事が止まったままのイメージがありましたが、関連する報道数が増えることで、その進み具合が感じられます。
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日米関税交渉の影響は

2025年08月03日 | 議会活動
令和7年8月3日(日)

 日米関税交渉がまとまり、米国は相互関税を当初言われていた25%から15%に引き下げる事になりました。交渉の末期が参議院選挙と重なり、その行方も選挙結果に影響するのではとの見方もありましたが、交渉がまとまったのは選挙後であり、大敗した与党にとって、交渉の成果が政治情勢を改善するとの期待もあったようですが、世論の見方は違っているようです。

 さて、気になるのは交渉内容が日本経済にどのように影響するかですが、首相は合意内容を説明した与野党7党首への説明の席では、日米の合意を踏まえた共同文書を発出する予定がないなどの発言もあり、不透明な部分もありそうです。

 関税への影響は、25%から15%になったとしても関税が課せられることに間違いありません。今後の影響をきめ細かく注視していく必要があります。
 本県は、ものづくり県であり、特に自動車産業が盛んです。自動車産業は産業構造が多岐にわたり多くの下請け企業で構成されています。その多くは中小零細企業です。今回の交渉過程においては、自動車メーカーは交渉の行方を見守るために生産を抑制し部品等の発注を一時期制限していた時期があったそうで、交渉がまとまったことにより、受注再開になることを期待する報道もありました。

 農業分野でも、本県特産の茶産業にとっても影響があると言えます。このところ抹茶等の輸出需要が大きく増加しており、今年になって私の地元の茶農家も抹茶向けの有機栽培を初めたところも増えています。
 これまでは、抹茶の輸出は無税でしたが今後は15%課税の対象となります。農家にとっては、事業の見直しによる投資などもあったはずで、不安があることは想像できます。

 首相は、関税措置に関する総合対策本部を開いた際、中小・小規模事業者への支援などの対策を指示したとされ、資金繰り支援などを強化することを表明しています。中小企業等への影響は見えにくく、県に関わる私たちも重要視しているところです。

 地元の中小零細企業や農家を守ることが、当面の我々の責務でもあり、関係する業界団体等から情報を収集し、必要に応じて県当局に支援策などを要望していく必要があります。
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