GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

カンダール州から国境越え

2011-10-23 19:31:00 | 交通
タイの洪水がバンコク中心部まで拡大しつつあるとのニュースが流れる中、メコン河の水位は幾分下がり始めているようなので101号線を下ってベトナムのアンザン省に向かってみることにしました。

3週間前は道路が冠水してたので途中で引き返しました。今回は道路冠水は前回ほどではありませんでしたが、途中国境の手前20km位の地点で道路が20mほどにわたって崩落しており自動車の通行は不可能。バイクは民家の庭に迂回して進めましたが、ドロドロにぬかるんでいて轍が深く沈み込み一苦労でした。

再び舗装路に出ると前回諦めて引き返した地点の冠水もなく、ほっとしたのもつかの間、国境に近づくとやはり道路の冠水は予想以上でした。



両側に民家が建つ道路の冠水なら恐怖心は然程でもありませんが、氾濫原と一体化した地点では果たして水中の道路が真っ直ぐにあるものなのかが分からず不安です。水草が流れアヒルが泳ぐ中を走る勇気が湧かず、他のバイクや自転車が通るのを確認してから渡ることにしました。

200mほどの距離で冠水した地点が6・7個所続き、靴の中とズボンはびしょ濡れ。程度の差こそあってもこの辺では「洪水」は当たり前の現象だからからなのでしょうか、ご近所の人々は、冠水の連続に外国人が途方にくれて溜息を吐く姿を面白そうに見ていました。

101号線は前回同様、夥しい牛の数で、一体この付近にはどれだけの数の牛が飼われているのか知りたくなるほどです。路上の人の姿を数倍する牛の数です。国道1号を折れて50kmも走らない内に国境に着きました。

パスポートを提出すると管理官は「何だ外国人かよ面倒くせー」てな表情で、ちょっと向こうで待ってて頂戴と道路の反対側に置かれた椅子を指しました。ベトナムから入国する人もベトナムへ出る人も皆パスポートを持たない人々で、バイクで立ち止まりもせずに通り過ぎる人が多数です。

暫く待つと管理官が遣って来て、傍に居た青年がベトナム語に通訳して説明してくれました。「こっちは問題ないけどベトナム側がバイクでの越境は駄目って言うみたいだよ」とのこと。ベトナムで起きたトラブルは自分で解決するから迷惑は掛けない、ベトナムに入れなかったとしてもベトナムの入国と出国のスタンプはちゃんともらて来る、と約束して納得して貰い無事出国できました。

長い竹竿の手動式の遮断機があるだけの国境です。ベトナム側にはヤシの葉で作ったようなボロボロの小屋があるだけ。そこでパスポートを差し出すと「向こうの道を左にまがって事務所でスタンプを押して貰え」と言うだけ。バイクについては何も言われませんでした。

ベトナム人お役人の不親切には慣れていますが、道路を曲っても建物は見えません。メコン河沿いではクレーン車が護岸工事をしていました。「アレー」と思い引き返そうとすると一人の男が近づいて来て工事現場の先まで案内してくれました。「あそこが事務所」と示された建物はメコン河に浮かんでいるように見ました。



バイクを留め、氾濫水のため一本橋を渡って建物に入りました。国境を船で越えるために作られた出入国事務所の建物で船から事務所に入れる構造になっていました。その時利用者は誰もおらず、入国管理官の部屋に入って暫く待たされましたが、パスポートをスキャンしパソコンに何やら入力してすんなりと入国スタンプを押してくれました。

その部屋からバイクは見えないし、勿論バイクで入国します、などと余計なことは言いませんでした。バイクを置いた所まで戻ると、先ほど親切に教えてくれた男が、「スタンプ貰えた?良かったね。教えてあげたんだからコーヒー代頂戴」。何ーんだそういうことかと少々ガッカリでしたが、せびる立場よりせびられる方がまだ気は楽だと思いつつ2万ドン札を1枚手渡しました。



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