昨夜は一晩中雨音が聞こえました。フィリピンからベトナム南部に来た熱帯性低気圧がモンドルキリにも雨を運んだようです。きょうも一日中、降ったり止んだりでした。朝は雨が上がっていたのでネイチャーロッジから丘を下りました。
雨が降る前の昨日の朝はこんな感じで道路建設のダンプが土や石を運んでいました。この坂を上り右手の道を上り下り、そして再び上るとネイチャーロッジに着きます。バイクに乗ってるスレンダーな女性がネイチャーロッジのレセプショニスト。今まで会った官庁や銀行員、あるいはホテルの英語で対応できるスタッフは皆地元出身者ではありませんでした。地元出身の女性はもう少し肉付きが良い感じ。
雨上がりの坂道は土埃もなく、しかし水分をたっぷり含んだ赤土はドロドロでタイヤにこびり付き、泥のタイヤと泥の道で摩擦係数は著しく低下し、とてもよく滑ってくれました。
昼近くになると再び雨が降りはじめました。昼食に町に行こうかと思った時には赤土の泥濘状態は最悪で、バイクを置いて2kmほど歩くべきか迷いました。しかし、一台のバイクが通り抜けたのに勇気づけられ、一度止めたバイクを再び発進。
これが大間違いでした。モンドルキリの泥道ではヤマハ・セロー225はスーパーカブタイプに劣ります。滑る道ではシート高が低く地面に両足が簡単に着く方が遥かに安全。ロー・ギアよりもセカンドでゆっくり走った方が滑り難いと思ったところ、何故か下り坂なのに直ぐにエンスト。仕方なくロー・ギアで反クラッチを使いながらエンジンを吹かして走らせました。
これなら土埃を我慢するほうが遥かに気が楽です。たった一日の雨でこの状態なら、雨期の盛りはどうなるのでしょう。
やっとの思いでアスファルトに道に出ることができました。水溜りや草の上を走りタイヤの泥を落とそうとしたのですが、チェーンがスプロケットに上手く掛からない音がしました。慌ててバイクを止めるとバイクの後部は泥が何キロも詰まっている状態でした。チェーンも泥まみれでその形を見せていませんでした。エンストした原因はこの泥がタイヤとの間に挟まりブレーキを掛けていたからのようです。小枝を拾い、しばらく泥を掻き出しました。
それでもすべての泥を小枝で取り去ることができるわけでもなく、洗車屋に直行。帰りは4kmほど遠回りして泥濘の少ない道を選びました。
今、ベトナムに来ている熱低性低気圧の雨でこの状態。3日後には強さが「猛烈な」に格上げされた台風30号ハイエン(海燕)―何故かベトナムの新聞ではHai Au(カモメ)となっています―が遣って来る見込み。その時はネイチャーロッジに閉じ籠った方が無難のようです。