バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

スキルス胃がん 早期発見

2009年02月17日 | スキルスや若年性 胃がん

スキルス胃がんは胃粘膜表面が比較的、正常構造を保ったまま、粘膜下層や、筋層などへ広く浸潤していくがんです。粘膜表面は一見、正常のように見え、臨床診断上ではスキルス胃がんの早期発見がいまだに難しいとされています。スキルスの初期像を見ると、胃底腺領域に発生する未分化型のがんだそうです。早期の未分化型の胃がんのほとんどは、浅い陥凹性病変。つまり胃がん取扱い規約で言う0-Ⅱcということになると思います。つまり、0-Ⅱcをたくさん発見すればするほど、それだけスキルスの芽をつぶすことに繋がっていくと思います。胃透視では、わずかなバリウム斑を見逃さないようにすることが大切です。以前、早期発見法について書きました。参考にしていただけたらと思います。 下の症例、ちなみにスキルスではありません、ご了承を。↓ http://blog.goo.ne.jp/sukikupi/e/dfcfaf316b8fb20cce4329d2d0279087

バリウムを用いた検査では、胃全体を一枚の写真で、表現することができるため、胃全体のわずかなバランスを見極めることができます。内視鏡検査は、葉っぱ一枚一枚をくまなく見るのは得意ですが、その葉っぱのもととなる、木全体を見渡すことは苦手です。
とはいっても術者の読影力が優秀であれば、検査法問わず早期のスキルスを指摘することは可能と考えます。
胃全体がやせ細る前の状態で発見する。それが私たち、胃検診従事者の最大の使命と考えます。