ファミリーアシスト あすなろ教室(輝く瞳と素敵な笑顔を求めて)

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誰もが自分を生かしたい(5)

2007-08-25 | 育児
 人の成功を「すごいね。」と感心したり、あこがれたりする人がいれば、逆にねたんだり、足を引っ張ったりする人もいる。自分らしさが分かり、生かされた経験があっても人の欲には限りがない。「もっと認められたい。」、「もっと生かされたい。」と思うのが人なのかもしれない。ここでは、自分を知り、わきまえることができるかどうかが大事になる。これが品格となって現れる。
ーもっと自分を生かすための働きかけー
1 生かされる自分の居場所を確保させる。
  (「あなたはあなた、私は私」と言える。)
2 人を助ける経験を増やす。
  (人を生かす難しさに気づく。「ありがとう。」)
3 人から生かされたことへの感謝を伝えさせる。
  (生かされることばかりでない。生かされないこともある。だから「有り難い。」)
4 人の生き方に関心をもたせる。
  (自分との違いに気づく。「生かされなくても仕方ない自分」「見習えば、生かされるかもしれない。」)
1について
 居場所は他が用意して作るものではなく、自らの手で作らなければ自分の居場所にならない。居場所としての自信がもてないし、居場所でなくなる不安が残る。
そこで、居場所であり続けさせるための努力が必要である。
 ア、自分のよさを発揮する。
   遠慮せず自分のよさを出す勇気や努力を求める。
  (この場なら「もっと出せるはずだ。」、「出てもよいはずだ。」「出さなくてはならない。」と話す。)
 イ、結果や努力することに満足したり、自信をもったりする。
   よさを発揮した勇気や努力に感謝を伝える。すると「発揮してよかった。」と発揮した自分を認めることができる。
  (「よくがんばった。」「ありがとう。」を伝える。)
2について
 人が困っている時というのは、人が「自分を生かしたいが生かせない。」ともがいている時だ。だから手助けすることは、相手を生かすことになる。
・もし、手助けできれば、「ありがとう。」が返ってくる。生かせた自分に自信がもてる。
・もし、助けようとしても助けるすべがなく一緒に考えたり、苦しんだりすることしかできなければ、支えてくれたことへの「ありがとう。」が返ってくる。生かすことの難しさに気づく。
・もし、手助けできなければ、助けようとした努力への「ありがとう。」が返ってくる。自分の力の至らなさに気づき、生かすことの難しさを痛感する。
※「ありがとう。」がポイント・・・言えないのは「生かす」「生かされる」に気づいていないからだ。教えるしかない。
3について
 助けようとする体験が多ければ、手助けできることより、手助けできないことの多さに気づき、生かすことの難しさがわかる。だから、自分が生かされた時、なかなか「有り難い。」ことをしてもらったことに感謝し、心から「ありがとう」と言える。
 ア 活動を振り返える。
  自分が生かされたときの支えに気づかせる。
 (自分一人の力でできたと考えさせない。支えを教える。「~がなかったら、できなかった。」「~のおかげでできた。」)
 イ 感謝を伝える。
  自分の中で収めていてはいけない。感謝の「ありがとう。」を伝えることは相手の努力や勇気を承認することになる。相手自身が自信や至らなさに気づくことにもなる。
 だから、「ありがとう。」が言えるようにする。
4について
 人によって自分の生かし方が違う。生かし方の違いがあっても自分を生かせるが、もっと自分を生かすためには、その違いから学ぶ自分が必要となる。
 ア 人との違いを見させる場を多く作る。
  道徳や生き方が見える本や資料(授業や読書)を活用し、人の生き方に触れさせる。
 イ 生かす視点が見える。
  価値や努力の仕方や困難の乗り越え方を見させ、自分の生き方に取り入れるような考え方をもたせる。
 誰もが自分を生かしたいと思っているが、人との関わりの中でしか自分を生かせないことが改めて見えてくる。また、自分を生かすも殺すも自分の努力次第であることも見えてくる。
 教師として、「一人一人を生かす。」と簡単に使うが、本当に生かし切っているだろうか。生かされた子どもが人を卑下することなく、自分に自信と誇りをもち、居場所を確保して生きているだろうか。
 こどもに「ありがとう。」と言える自分。そして、「ありがとう。」が通い合う仲間作りを目指す自分。そんな自分にしなければならない。「実るほど頭がたれる稲穂かな。」自分を見直す機会となった。