ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

Asturias 2

2008-10-17 06:58:27 | 新月・Asturias系
 “日本のマイク・オールドフィールド”こと、大山さん率いる<Asturias/アストゥーリアス>。90年には2ndアルバム「Brilliant Streams」を発表します。前作ではドラムは打ち込みでしたが、本作からドラムスの桜井さんが参加されます。
 アルバム1曲目は「Highland」。美しいピアノのリフレインからはじまり、爽やかで瑞々しいシンセサウンドが響いて。ドラムインとともにミドルテンポの変拍子のビートが。そして一旦ビートが止んでゆったりとした幻想的な雰囲気のシンセソロへ。その後もとの変拍子ビートに。そして今度はゆったりとした幻想的ななかでベースソロがはいり、テクニカルなリフのあとヘヴィなギターソロへ。テクニカルながらも綺麗な曲ですね。
 2曲目は「Nostalgia」。ゆったりとした透明感のある綺麗なピアノソロからはじまり、パワフルで躍動感のあるピアノ&ストリングスのリフが。中盤ではそれが止まって神秘的なコーラスがながれ、続いてピアノソロへ。ドラマティックな展開の綺麗な曲ですね。
 3曲目は「Rogus」。SEから静かにはじまり、そしてパワフルなキーボードリフがはいってドラムも加わって。ここでも変拍子です。このあとすぐゆったりとした雰囲気になってシンセソロ・ギターソロと続きます。中盤からは綺麗なピアノリフとともに明るく激しく。
 4曲目は22分強の超大作「Brilliant Streams」。綺麗でテクニカルなハイテンポのピアノリフからはじまり、そこにシンセの素朴な音色のフレーズが響いて。透明感があって美しくて清清しくて。そしてパーカッションが加わってよりリズミカルに。そしてまずは木管の深い音色のソロ、続いてシンセソロ。一旦Finしたあと、神秘的な女性コーラスが響いて、再び木管の深い音色のソロも。そしてゆったりながらも力強いギターのフレーズが。それがどんどん盛り上がっていって。続いて躍動感のあるリズミカルで楽しい雰囲気に。みんなで野原をスキップしているような感覚かな。澄んだ爽やかなスキャットも素敵ですね。そして再びゆったりと幻想的な雰囲気に。続いて力強いスキャットが響いて、そしてアップテンポの壮大でパワフルな展開に。アグレッシブなオルガンソロも。ドラマティックな大作です。
 前作よりもプログレッシブな要素が増して、よりパワフルに、より綺麗に素敵な曲の数々を聴かせてくれる素晴らしいアルバムです。

Asturias 1

2008-10-16 06:58:52 | 新月・Asturias系
 ずっと以前から気になっていたバンドがありました。“日本のマイク・オールドフィールド”と称されるマルチプレーヤーで作曲家の<大山曜さん>率いる<Asturias/アストゥーリアス>です。大山さんは1985年に<新月>のギタリスト<津田治彦さん>の<Phonogenic Studio>に入社し、スタジオミュージシャンとして活動を始めます。そして87年に自身のソロプロジェクトとして多重録音でデモテープを作り、メンバーを集めてプログレッシブ・ロック・ユニット<Asturias>を結成しました。メンバーはなんと津田さん、そして同じく<新月>のキーボードの<花本彰さん>。そしてドラムスには<アフレイタス>の<桜井和美さん>。ゲストヴォーカルには<ZABADAK>の<上野洋子さん>が参加されています。
 翌88年11月に1stアルバム「Circle In The Forest」が発表されます。打込み中心の多重録音ながらエレキ&アコースティックサウンドの心地よいインストゥルメンタル曲を聴かせてくれます。
 アルバム1曲目は「流氷」。透明感のある美しいピアノのゆったりとした調べからはじまる、とっても綺麗なバラードタイプの曲。中盤からは躍動感のあるきらびやかな音色に。後半からのエモーショナルなギターソロもいいですねぇ。ラストは素朴なアコースティックギターの音色が響いてFin。
 2曲目は「Clairvoyance」。パーカッシブなシーケンスリフから始まるリズミカルでダンサブルなテクノポップ。まずはギターソロが。そして躍動感溢れる爽快なリズムも。中盤では一転ゆったりとした幻想的な雰囲気に。再び元のアップテンポに、そしてとってもリズミカルで楽しいシンセソロが。スローテンポでのギターソロのあとに元のポップ調になってFin。
 3曲目は「Angel Tree」。シンセの荘厳な響きからはじまって、素朴でピュアなアコースティックギターの優しくたおやかな音色が。そよ風の吹く明るい森のなかでのんびり森林浴を楽しんでいるような感覚になりますね。
 4曲目は「Tightrope」。パワフルなリフから軽快なアップテンポではじまるテンポチェンジいっぱいのテクニカルな曲。中盤ではゆったりとアコースティックギター&ピアノのリフにのって透明感のあるすがすがしいシンセソロが響いて。そしてパワフルなドラムが入ってハードなギターソロが。
 5曲目は22分強の超大作「Circle In The Forest」。ディレイのかかった透明感のあるピアノの音色からゆったりとはじまり、幻想的なサウンドが響きます。森の中で木漏れ日を見ているかのような感覚ですね。そして楽しくお散歩しているかのようにアップテンポでリズミカルに。アコースティックギターで、そしてエレクトリックギターで躍動感たっぷりに聴かせてくれます。途中美しいコーラスも。そして中盤でテンポが変わって低音のシーケンスで、それにのって爽やかなシンセのリフが。まるで大空を飛んでいるかのような爽快感ですね。それが終わると一転ゆったりとした美しいピアノの調べがシンセと共にたおやかにながれます。終盤では幻想的にシンセのリフが折り重なり、再び躍動感溢れるシーケンスのリズムが。さらに爽やかなコーラスも重なって盛り上がっていきます。めちゃめちゃドラマティックな展開ですね。これだけ長い曲なのに、インプロビゼーションがほとんどないのもいいなぁ。聴き応えありますね。ヴァンゲリスのサウンドにも近いかも。 
 目の前に美しい自然の光景がひろがる透明感のある清清しくて瑞々しくてとっても綺麗なサウンドの素晴らしいアルバムです。

08.10.11 鬼武みゆきトリオ

2008-10-14 07:08:58 | ライブレポ Jazz/Fusion
◇ 2008.10.11 横浜・関内ホール・小ホール
<2008横濱ジャズプロムナード>
 ここ数年この時期に横浜関内地区で大々的に開催されるJAZZの超ビッグイベント<横濱ジャズプロムナード>。今年は10月の11日(土)と12日(日)の2日間です。付近のホール・JAZZクラブ・イベント広場、そして野外街角、計50ケ所近くで、プロからアマチュアまで、素晴らしいミュージシャンがいっせいにアツいJAZZ演奏を繰り広げます。
 自分は11日の夕方近くに某会場で行われる某バンドのライブを観にいくつもりで11日のみのフリーパスチケットを買ったのですが、夕方に急な用事が入ってしまったのよね。せっかくチケットを買ったのに何も観ないんじゃもったいないので、夕方はあきらめてお昼のライブを観にいくことに急遽変更。たっくさん行われるライブの中からまずは、12時から13時まで関内小ホールで行われる<赤坂由香利グループ>のライブと、13時50分から14時50まで同じホールで行われる<鬼武みゆきトリオ>、この2つをチョイスしました。自分は赤坂さんのことも鬼武さんのことも全く知りません。予備知識ナシでライブに臨むことに。

<鬼武みゆきトリオ>
 セットチェンジの休憩中に昼食に出かけて、13時40分に戻ってきて。席はすでに9割くらい埋まってました。で、後ろのほうで空いてる席を見つけて確保。開演前にはもう満員で立ち見客も。ステージは右にピアノ、中央にエレキベース&アンプ、左にはパーカッションセットが配置されています。メンバーはピアノの<鬼武みゆきさん>、ベースの<Gregg Leeさん>、パーカッションの<ヤヒロ・トモヒロさん>です。13時50分ちょい前にブザーが鳴ってアナウンスが。そして50分ちょうどに客席の照明が暗くなって、そしてステージにメンバー登場!スポットライトを浴びて大拍手大歓声に応えて手を振って。
 そしてはじまった1曲目は「Believe」っておっしゃったかな。パワフルなパーカッションからはじまり、ピアノの力強いリフとチョッパーベースが。アップテンポのラテン系の楽しい曲です。まずはピアノの軽快でパワフルなフレーズが。続いてはテクニカルなベースソロ。そしてエネギッシュなピアノソロへ。終盤にはピアノリフをバックにパワフルなパーカッションソロも。

 初めて観るみゆきさん、“鬼武”という苗字からゴツそうなのかな?なんて思っていたら、とんでもない!しっとりと奥ゆかしく美しい日本的な美人さんですね。清楚な白のロングドレスがとってもお似合いで、まるで天女さまのようです。しばし見とれてしまいました。こんなことならもっと早くきて前の席をGETすべきだったと後悔。もちろん流麗なピアノ演奏にもうっとりです。そして黒人ベーシストのGreggさん、ぶっとい6弦ベースを自在に操ってかっこいいっす。Greggさんは白シャツに黒っぽいパンツでクールにキメてます。ヤヒロさんは白Tシャツにジーンズで坊主頭。陽気なおにーさんって感じでいいですねぇ。

 みゆきさん、深く丁寧にお辞儀してマイクを持って「こんにちは!」って。なんておしとやかなんでしょう・・・「ジャズプロムナードにようこそお越しくださいました、鬼武みゆきトリオ・・・です」「ベース、Gregg Lee!」「パーカッション、ヤヒロ・トモヒロ!」ってメンバーを紹介するみゆきさん、大拍手です。ここで、9月に発売されたニューアルバムのお話を。今日はそのニューアルバムの曲を中心に演奏されるそうです。

 2曲目は「Sunflower」。ゆったりとしたピアノの美しいメロディからはじまる、落ち着いたバラードっぽい綺麗な曲。うっとりと聴きほれてしまいます。ピアノもさることながらフレットレスベースの音色も味わい深くて素敵です。もちろんパーカッションも絶妙ですね。
 続いて3曲目は「Good Day!」。一転パワフルでリズミカルなパーカッションからはじまる、からっと明るく爽やかな曲。まずは軽やかなピアノのフレーズ、そしてベースソロと続き、ピアノとパーカッションの掛け合いも。

 「ありがとうございます」ってみゆきさん。「Sunflower」という曲は“ゴッホ”が最後の2ケ月間過ごしたパリ郊外の町・ゴッホのことを思って作った曲だそうです。「Good Day!」は、朝“おはよう、いってらっしゃい、今日も1日、いい1日になりますように”って気持ちをこめて作ったそうです。
 続いて次の曲のお話を。ニューアルバムは“自然”のことを特に思って作ったそうで、「自然界っていうのは、私たちのことをいつも暖かく見守ってくれていて、すごく偉大な存在だと思うんですけどね」「でも、時には厳しい・・・そんな自然からの声を真剣に受け止めなきゃいけない・・・」って。

 4曲目は「Behind The Silence」。神秘的なサウンドからはじまる不気味でダークな曲。テンポはミドルテンポです。とってもスリリングでパワフルで躍動感たっぷり。中盤にはアグレッシブなベースソロが。あの“革命”を思わせるピアノのフレーズも。
 続いて5曲目は「Manatte」。ゆったりとしたエモーショナルなピアノソロからはじまる叙情的なけだるい感じの曲。ピアノもさることながら、伸びやかなベースの音色もすっごくいいですね。それとパーカッションの壺のような打楽器、すっごくいい音してました。曲は終りに近くなるにしたがって壮大でダイナミックに。ベースの早弾きソロも凄いっす。盛り上がったあとは静かにFin。

 みゆきさん、深くお辞儀してマイクを持って「ありがとうございます」って。ここでニューアルバムのお話を。タイトルの「Eternal One's」とは、「私達人間が長い年月をかけて自分達が生活しやすくするために営んできたことが、大自然のバランスを崩してしまって、いまもう大きな問題になっていますけど、私達は・・・永遠であってほしいもの、そして永遠であるために必要なものを、そんな<Eternal one’s>を皆様に感じていただけたらなって想いをこめて作ったアルバムです」って。
 ここで次の曲のお話を。このアルバムに収録されている曲は全て自然と人間の係わりをモチーフにされているそうですが、次の曲は「毎朝太陽が昇ってくるときに、今日もまたこの1日がはじめられる、太陽とともに昇っていくんだっていう日々の感謝の気持ちをこめて作った曲」だそうです。

 「ちょっとシリアスな曲が続いたので明るい曲を・・・」ってはじまった6曲目は「Dawn」。軽やかピアノとパーカッションからはじまるラテン系のアップテンポの明るく爽やかな楽しい曲。テーマのあとはテクニカルなベースソロが。みゆきさんはノリノリで演奏されています。観ているこっちまで楽しくなっちゃいます。
 続いて7曲目は「In The Wind」。ピアノのリフレインからはじまるアップテンポのちょっぴりアフリカンな曲。パワフルでダイナミックで躍動感があって、聴いていると元気がでてきますね。この曲は「時には強い風が吹き荒れることもあるけれど、どんなときも立ち向かっていきたい」って想いをこめて作った曲だそうです。

 深くお辞儀をしたあと「ありがとうございます」って。早くも次の曲が最後の曲だそうで。1時間ってあっという間ですね。めっちゃ早いっす。ここでまずはみゆきさんの今後のライブスケジュールを。そしてCD販売のお話を。ちなみにこのあとCDを買うとみゆきさんがサインしてくれるって。いいなー!でも自分は時間がないから無理かな。このあと、ヤヒロさんのライブスケジュールのお話と、ヤヒロさんのCDのお話も。
 そして「今日は数ある会場のなかから私達の“音楽”を選んでいただいて本当にありがとうございました。」って。「JAZZというのはね、ほんとに自由な音楽で、みなさんにも日常の生活の一部のように・・・していただけたらなって気持ちでやってます」って。「今日はいろいろな形のJAZZが・・・たくさん繰り広げられています。このあともたくさん・・・お楽しみください」って。

 最後の曲は「Dream Train」。軽快なピアノのリフレインからはじまるアップテンポのとっても明るく軽やかな曲。しかも聴いていると雄大な景色が目に浮かんでくるようです。中盤のベースソロもとってもメロディアスで心地よく。リズミカルで素敵な曲です。
 曲が終わると大拍手!「ベース、Gregg Lee!」「パーカッション、ヤヒロ・トモヒロ!」「ピアノ、鬼武みゆきでした。どうもありがとうございました」って、みゆきさん深くお辞儀をしてそしてステージ袖へ・・・

 初めて聴かせていただいた鬼武みゆきさんの音楽、すっごく素敵でした。JAZZというよりもフュージョンって印象かな?JAZZっていうとテーマがあってそしてメンバーそれぞれのインプロって感じで、自分には曲よりもソロ演奏の印象が強いんですけど、鬼武みゆきさんの音楽って、もちろんインプロもありますけど、曲全体のメロディやリズムの印象のほうが強いですね。ニューアルバムは自然をテーマにされた、とかソロ演奏よりも曲を大事にされてるんだなって思いました。今日の演奏も素敵な曲ばかり。今日はCDを買えなかったんですけど、月末に近くのライブスポットでライブがあるようなので、そのときに購入させていただこうかなって。今回の1時間じゃ物足りなかったから、ぜひとも近々にフルライブを観たいっす。それに・・・美しいみゆきさんをもっと近くで拝見したいし・・・あはっ!

 ちなみに・・・鬼武みゆきさんは・・・4歳からエレクトーンを、そして11歳からピアノを習って、そのころから作曲もされてたとか。そしてジャコ・パストリアス氏のバンドの演奏に出会ってJAZZに感動して興味を持ち始めたとか。理科大数学科に入学し、その傍ら芸大軽音楽部にも所属して腕を磨いたそうです。理科大卒業後、某メーカーに就職してシステムエンジニアとして活躍され、平行して音楽活動もされて、5年後に退職。音楽一本に。93年に初のソロコンサートを開催し、96年からライブハウスで活動をはじめたそうです。そして97年には“横濱ジャズプロムナード”に初出演。以降ずっと連続出場中だそうで。98年にGregg Leeさん・ヤヒロトモヒロさんと<鬼武みゆきトリオ>を結成され、2002年には自身のレーベル<Eternal Music Records>を設立し、1stアルバムを発表。2004年に2ndアルバムを発表し、今年2008年に3rdアルバム発表。他にも多くのミュージシャンとの共演や、TV番組等の音楽の作曲・編曲など幅広く活躍されています。

08.10.11 赤坂由香利グループ

2008-10-13 07:14:32 | ライブレポ Jazz/Fusion
◇ 2008.10.11 横浜・関内ホール・小ホール
<2008横濱ジャズプロムナード>
 ここ数年この時期に横浜関内地区で大々的に開催されるJAZZの超ビッグイベント<横濱ジャズプロムナード>。今年は10月の11日(土)と12日(日)の2日間です。付近のホール・JAZZクラブ・イベント広場、そして野外街角、計50ケ所近くで、プロからアマチュアまで、素晴らしいミュージシャンがいっせいにアツいJAZZ演奏を繰り広げます。
 自分は11日の夕方近くに某会場で行われる某バンドのライブを観にいくつもりで11日のみのフリーパスチケットを買ったのですが、夕方に急な用事が入ってしまったのよね。せっかくチケットを買ったのに何も観ないんじゃもったいないので、夕方はあきらめてお昼のライブを観にいくことに急遽変更。たっくさん行われるライブの中からまずは、12時から13時まで関内小ホールで行われる<赤坂由香利グループ>のライブと、13時50分から14時50まで同じホールで行われる<鬼武みゆきトリオ>、この2つをチョイスしました。自分は赤坂さんのことも鬼武さんのことも全く知りません。予備知識ナシでライブに臨むことに。

<赤坂由香利グループ>
 12時5分前に会場へ。席はすでに8割くらい埋まってました。自分はステージ全体が見たくて後ろのほうの席へ。12時ちょっと前に開演を知らせるブザーが鳴ってアナウンスが。そして12時ちょうどに客席の照明が暗くなって、ステージにメンバーが登場!大拍手で迎えられます。由香利さんはブラウンにブロンドのメッシュのセミロングヘアーで、黒ラメのSEXYなドレスすがたのすっごい美人さんです。見とれてしまいました。そして演奏がはじまって、聴き覚えのあるメロディが。
1曲目は「枯れ葉/Autumn Leaves」です。ゆったりとした哀愁を感じるピアノソロからはじまって、素敵な歌とベースがはいって。ボサノバっぽくて秋にぴったりの曲ですね。由香利さんがピアノを弾きながら素晴らしいヴォーカルを聴かせてくれて。深く味わいのある個性的なハスキーヴォイス、聴きほれてしまいました。2ヴァースからドラムとSaxがはいって盛り上げます。間奏ではエモーショナルなSaxソロ、そしてエレガントなピアノソロ、テクニカルなベースソロと続き、そのあとピアノ&Saxとパワフルなドラムの掛け合いも。

 由香利さんを支えるメンバーと立ち位置は、まずは由香利さんはステージ左側に位置し、続いてSax&フルートの<岡淳さん>、ベースの<古野光昭さん>、そしてステージ右がドラムス<関根英雄さん>、4人編成です。
 演奏が始まるとどんどん席が埋まっていってすぐ満員に。座りきれず立ち見のお客さんも。大盛況です。続いて2曲目は「Autumn In New York」。ピアノ&ヴォーカルからはじまるしっとりとした落ち着いた曲。ヴァースのあとはシブいムーディなSaxソロ、そして優雅なピアノソロも。

 「みなさん、こんにちは♪」って由香利さん。それが歌の声とは全然違ってすっごい可愛らしい声でビックリ!もう一回「こんにちは♪」って。どうやらお客さんにも「こんにちは」ってお返事してほしいようで。「ちゃんと間違えずに“こんばんは”って言わなかったのに、だれも“こんにちは”って言ってくれない・・・」って。そしてもう1回「こんにちは♪」って。もちろんお客さんもお返事を。「えー今年もついに“横濱JAZZプロムナード”のときがやってきました」って。由香利さんは春から楽しみにしていたそうで。「今年は初日のトップバッターということで・・・」って。で、まずはメンバー紹介を。それぞれに大拍手です。「去年出演させていただいたのときの1曲目は、みんなと同じじゃヤダから季節に逆行して“Summer Time”をやったんですけど・・・1年たって少し人間丸くなって(笑)、季節に逆らわず秋の曲2曲お送りしました」って。

 “横濱JAZZプロムナード”は全国的に有名なんだそうで、時々ツアーに行くと“プロムナード行きました”ってファンの方に言われるとか。今日も遠くからいらしている方もいるのかなって。で、由香利さんは名古屋でライブをやるときに、次にやる曲をやるんですけど、誰もわかってくれないとか。
 「次の曲は・・・“ういろう”」って。お客さん爆笑!3曲目は「Willow Weep For Me」です。しっとりとしたスローブルーズっぽい曲。この曲では岡さんはフルートを演奏ですもちろんソロも。そしてシブいベースソロも。
 続いて4曲目は哀しげなピアノからはじまるミドルテンポのしっとりとした曲。間奏はまずは綺麗なピアノソロ、続いてエモーショナルなSaxソロも。
 さらに続いて5曲目は一転ピアノの歯切れの良いリフとパワフルなドラムからはじまるアップテンポの曲。間奏はまずはピアノとSaxの掛け合いのソロ。そしてSaxとドラムのパワフルなソロバトルが。終わると大拍手です。そしてヴァースのあとそれぞれ反応しあって音を出して。曲が終わると由香利さんがメンバーを紹介して。そして岡さんと関根さんが一旦ステージ袖へ。

 次の曲は由香利さんと古野さんのDUOです。由香利さんは20年くらい前にTVで“Weekend JAZZ”という音楽番組を見ていたそうなんですが、そのときに出演していた古野さんのベース演奏を見て、”こんな凄いひとがいるんだ“”いつかこの人と一緒に演りたい“って思ったそうで。そして由香利さんがプロになってライブで実現して、そして今度は”一緒にレコーディングできたらいいな“って夢みていていたら、8年前にアルバムのレコーディングも実現したって。昔から憧れていた方と共演できたって素晴らしいですね。素敵なお話でした。
 そしてはじまった6曲目は「Hello」。ライオネル・リッチーさんの名曲です。ゆったりとしっとりとしたスローバラード。ピアノを弾きながら情感こもったヴォーカルを聴かせてくれます。間奏では弓でのムーディなベースソロ。終わると大拍手です。「ベース、古野光昭!」って。

 「え、では今日の私達の最後の曲になりました」「・・・お越しいただいてありがとうございました」「またぜひ来年も・・・きてきださいねっ♪」って最後めっちゃきゃわいい声で。おぢさん萌え~♪ですぅ。
 最後7曲目は「You’ll Never Know」。ロバータ・フラックさんの曲です。ピアノのリフからはじまるアップテンポのパワフルな曲。ヴァースはとってもロマンティックで、サビはめっちゃパワフル。間奏、まずはSaxソロ、続いてベース&ピアノのソロ、そしてめっちゃパワフルなドラムソロが。そしてベースとドラムの攻撃的なバトルも。

 曲が終わると大拍手大歓声!「どうもありがとうございました!」「関根英雄、ドラムス!」「古野光昭、ベイス!」「岡淳、Sax&フルート!」「そしてピアノは赤坂由香利でした!」「どうもありがとうございました」って。拍手のなかメンバーの皆様はお辞儀をしてステージ袖で・・・

 初めて観た聴いた<赤坂由香利さん>の音楽。素敵でした。なんといってもあの日本人離した超個性的な深く味わいのあるハスキーヴォイス、表現力も声量も凄くてビックリ!素晴らしい声ですね。すっかり魅了されてしまいました。もちろん由香利さんを支えるベースもドラムもパワフルでテクニカルで良かったし、Sax&フルートも素敵でした。1時間という短い時間でしたけど、嬉しいひと時を過ごせました。

 ちなみに・・・赤坂由香利さんは・・・ご両親が音楽家だったこともあって、3歳からピアノを習ったそうです。で、中2くらいまではクラシックばかりだったそうですが、それ以降JAZZにハマっていったそうです。大学卒業後はプロに。でも最初はホテルのラウンジやレストランでの弾き語りばかりだったとか。しかし「ライブハウスで演奏すべき」と助言をもらって、95年に初のライブを敢行。そして2000年12月に1stアルバムを発表し、2003年には2ndアルバムを、2005年には3rdアルバムも発表。その素敵な声と幅広い音楽性で東京・横浜を中心に活躍中です。

桜庭統さん 13

2008-10-11 08:12:21 | 桜庭統さん
 桜庭さんも続編を望んでいたといわれるバテン・カイトスの続編<バテン・カイトスⅡ –始まりの翼と神々の嗣子->が2006年に発売されました。好評だった前作の続編ということで期待されたものの、ちょうどDSの爆発的ヒットと重なってゲームキューブが売れなくなり、またゲーム自体もバグが続発したために、売り上げは前作の4分の1にも満たなかったとか。
 このゲームのストーリーはというと・・・舞台は前作より20年前の帝国アルファイド。帝国の暗黒部隊に緊急招集がかかる。この部隊には主人公<サギ>が。任務はなんと自国皇帝オーガンの暗殺。サギはパートナーのギロたちと皇帝の屋敷へ。皇帝の私室には謎の男が皇帝の前に立っていて、その男と入れ違いでサギたちが部屋に入ると、皇帝はすでに殺されていた。そこに部隊のメンバーがやってきて、サギたちは皇帝暗殺の罪をきせられて処刑されそうになるも、なんとか逃げ出して。すると突然目の前に異形の怪物が・・・という感じのようです。
 アルバムはCD3枚組で61曲もあるので、特に印象に残った曲のみ抜粋させていただこうかと。まずCD1枚目1曲目は「Le Ali Del Principio」。ゆったりとした綺麗なピアノの音色からはじまって、可愛らしい少女のピュアなヴォーカルが。壮大なイメージながらも素朴で綺麗なバラードソングです。ヴォーカルの少女は桜庭さんの娘さんだそうで。イタリア語で歌われています。4曲目は「The Valedictory Elegy」。アップテンポのキーボード主体のスリリングなハードロック。後半のアグレッシブなオルガンとヴァイオリンのバトル、いいですねぇ。5曲目は「Poacher」。オーケストラによる迫力のあるスリリングな曲。6曲目の「Chaotic Dance 2」はテクノのヒップホップ。7曲目は「Iconoclasm」ハイテンポのパワフルなハードロック。オルガンソロ&キーボードソロ、そしてギターソロとハードな流れが。8曲目は「The Valedictory Elegy」のギターバージョン。めちゃめちゃメタルしてますね。9曲目は「Evidential Material」。ハイスピードの疾走ハードロック。リフがTOTOの「Girl Good-bye」にかなり似てますね。10曲目は「The True Mirror」のオーケストラバージョンです。このオーケストラでの重厚感もなかなかですね。14曲目は「傀儡の主」。オーケストラによるボレロ調の力強い行進曲。15曲目は「二つの棺」。パワフルかつダークで重厚な曲。17曲目は「Ruins」。アコースティックの寂しい抒情曲。19曲目は「いにしえの故郷」。ハープの音色が綺麗なたおやかで優しく美しい曲。21曲目は「邂逅」。ゆったりとした、エスニック調のどこか懐かしさを感じる抒情曲。シタールの音色、聴き入ってしまいます。
 CD2枚目の2曲目は「荊棘なる干と矛」。パワフルなオーケストラサウンドのダークで力がみなぎってくるような曲。3曲目は「均衡の光と闇」。目の前に広大な世界が見えてくる力強い行進曲。4曲目は「紅緋草」。ミドルテンポの軽快かつ優しく穏やかな曲。心やすらぐ曲でもありますね。6曲目は「The Broken Manas And My One And Only」。ゆったりとした哀愁ただよう美しいピアノの抒情詩。9曲目は「水雲」。アップテンポの躍動感のあるメロディアスなオーケストラ+ドラムのロック曲。11曲目は「脅威なる座主」。アラビアンな雰囲気のあるゆったりとしたミステリアスな曲。12曲目は「旭日貫流」。壮大なスケールのとっても清清しく爽やかな、夜明けの光景が浮かんでくる曲。13曲目は「乏しくもあらず秋の夕風」。ゆったりとした、穏やかで優しい曲。14曲目は「豊穣の郷」。伸びやかで美しいヴァイオリンの音色と素朴なアコースティックギターの音色が印象的なゆったりとした素朴な曲。15曲目は「Emotional Blackmail」。パワフルで緊迫感たっぷりのスリリングな曲。16曲目は「ホロホロ鳥」。アフリカのジャングルの土着民族の踊りの曲のような。焚き火の周りを踊りながら廻っているような光景が目に浮かびます。17曲目は「天海花御堂」。“春”を思わせる爽やかで優雅でロマンティックな曲。クラリネットとフルート音色、いいですねぇ。19曲目は「白き心の強さと遥か未来への道」。壮大なシンフォニーのパワフルなオーバーチュア。勇気が湧いてきます。21曲目は「シンムナフォスン」。不思議な音色の神秘的な曲。
 CD3枚目の1曲目は「伝承の人形」。グロッケンのような神秘的な透明感のある金属音からはじまり、ゆったりとした叙情的な雰囲気に。3曲目は「蒼穹の天蓋」。壮大なオーケストラの力強く重厚な曲。4曲目は「古魂の言霊」。ハイテンポのスリリングな疾走ハードロック。アグレッシブなシンセ&オルガンのソロ、凄いっす。もちろんハードなギターソロも。6曲目は「清月夜雨」。どんよりと暗くジメっとした、それでいて美しく感じる曲。8曲目は「Shogyo-Mujo」。いきなりはじまるアップテンポのヘヴィロック。歪んでうねりまくるギター、いいっすね。9曲目は「The Dead And Creatures」。オーケストラのスリリングでミステリアスな世界が。10曲目は「Tears of Compassion」。哀愁ただようピアノのゆったりとした抒情曲。11曲目は「A Road To The Dignified Future」。オーケストラの壮大でパワフルな曲。力がみなぎってきます。12曲目から14曲目は「安らかなる四季Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」。オーボエとハープの音色、ゆったりとした穏やかで優しく綺麗なメロディの曲。心癒されます。15曲目は「呉越同舟」。迫力のある躍動感溢れるパワフルなオーケストラ曲。16曲目は「蜃気楼の地平線」。ハープの音色にうっとりのゆったりとした静かで穏やかな曲。17曲目は「水面にたゆたふ月の影」。ゆったりとたおやかにながれる美しいシンフォニーと、神秘的なグロッケンの金属の音色が交互に。終盤からは可愛らしいピュアで綺麗なヴォーカルが。ラストは盛大にFin。
前作以上に本作も素晴らしい曲が盛りだくさん。攻撃的でスリリングな曲・ドラマティックで感動的な曲、などなどCD3枚分たっぷりと桜庭ワールドを堪能できます。

桜庭統さん 12

2008-10-10 06:52:31 | 桜庭統さん
 桜庭統さんのゲームミュージックシリーズ、今回も親切なお方が素敵なアルバムを薦めてくださいました。バテン・カイトスシリーズの、まずは2003年に発表された<バテン・カイトス –終わらない翼と失われた海->のオリジナルサウンドトラックです。
 このゲームのストーリーはというと・・・はるか昔に邪神と人々との戦いがあり、長期にわたる戦いの末に人々が勝利をおさめ、邪神を“エンド・マグナス”に封印。人々は戦いによって荒れた大地をあきらめ、空に浮かんだ大陸に住むことに。そして現代。過去の戦いなどすっかり忘れ去られ、平和な時が過ぎていたのですが、不穏な動きが・・・帝国アルファイドの皇帝ゲルドブレイムが、過去の人々が封印した邪神マルペルシュロの“エンド・マグナス”を探し、邪悪な力を復活させて我が物にしようとたくらむ。物語のヒロイン<シェラ>はそのたくらみを阻止しようと旅にでる。旅の途中で帝国に仇がいる主人公の<カラス>と出会い、行動を共に。二人は世界を救えるだろうか・・・といった感じのようです。
 アルバムはCD2枚組で50曲以上もあるので、特に印象に残った曲のみ抜粋させていただこうかと。まずCD1枚目の1曲目「序奏峰」、壮大なスケールではじまります。それに続く2曲目「天底の勇魚」もド迫力のスケールとパワーで圧倒します。3曲目「光星煌めく旅路の果てへ」。美しいハープの音色からゆったりと厳かにはじまり、それが壮大な広がりを見せ、再び美しいメロディを奏でます。5曲目の「The True Mirror」はアップテンポの疾走メロディアスハードロック。オルガンソロ、めっちゃかっくいいっす。6曲目の「Vitriolic A Stroke」もバリバリの疾走ハードロック。早弾きギター大活躍!かっくいいっすね。7曲目の「冥の断罪」はド迫力の力強いオーケストラサウンド。8曲目「Glowing Cloud」は再びオルガン主体のパワフルなハードロック。9曲目の「Chaotic Dance」はテクノ+ラップのノリのいい曲。12曲目「風気の狭間」はゆったりとしたハープの美しい音色が存分に楽しめます。13曲目の「Gentle Wind」はアコースティックギターとフルートを巧みに用いたゆったりとした穏やかで素朴な曲調。15曲目の「旭日貫流」は壮大なスケールのとっても清清しい、まるで美しい日の出をみたときの感覚でしょうか。16曲目の「Limpidly Flow」はゆったりとしたピアノの幻想的な曲。中盤からはいるヴァイオリンの音色も美しい。17曲目の「Soft Labyrinth」はミドルテンポのパワフルなロック。オーケストラ+ロックドラムも素晴らしい。18曲目の「Bellflower」はアコースティックギターの素朴な音色が心地よいカントリー調のおだやかな曲。19曲目の「Inperial Dynamics」は壮大なスケールのオーカストラサウンドの抒情詩。20曲目の「氷霧流」はまるで氷穴のなかを冷風が吹きぬけているかのような暗く冷たく凍えてきそうな神秘的な曲。22曲目の「Flighty Spirits」はアップテンポのスリリングなロック。23曲目の「天海花御堂」はストリングスの優雅でロマンティックな室内楽。24曲目の「Mystery Crystal」はパープとフルートとハープシコードと女性コーラスが絶妙に絡み合ったゆったりとした神秘的な曲。26曲目の「Holo Holo」は太鼓とカリンバのアフリカンな曲。
 CD2枚目の1曲目は「Dead Beat」。大迫力の重く奥深いシンフォニーです。4曲目の「Divine While Bell」はパイプオルガンの荘厳な響きが印象的な抒情詩。5曲目の「Start on a Voyage」はダイナミックなシンフォニー。まさに船出のファンファーレのようです。8曲目の「Strike Off The Enemy」はアップテンポのベースが唸るヘヴィロック。9曲目から13曲目まではわずか数秒のフーレーズのみ。14曲目の「衝の飛抹」はストリングスのダークでスリリングな曲。16曲目の「降雹」はピアノのゆったりとした暗く寂しい曲。18曲目の「Brave Way」はオーケストラの壮大なマーチ。19曲目は「鎮座」。荘厳な抒情詩。パイプオルガンの音色が重厚感をだしていますね。21曲目は「Survival From The Force」。アップテンポのスリリングなハードロック。宇宙空間を敵を攻撃しながら高速で飛ばしているかのような爽快感・疾走感がありますね。22曲目「The True Mirror ~Guiter ver~」もパワフルで疾走するハイテンポのハードロック。ギターバージョンです。早弾きギター、かっちょいいっす。23曲目「九天の覇王」はオーケストラのパワフルでスリリングな曲。24曲目の「Violent Storm」はハイテンポの疾走感満点のかっちょいいハードロック。ギターとオルガンのソロバトルもスリリングで迫力あります。26曲目は「大地降臨」。ド迫力の重厚なオーケストラサウンドの荘厳な曲。27曲目は「涙の深海」。ダークなピアノの音色からはじまり、悲壮感ただようヴァイオリンの哀しい音色が響いて。28曲目は「語りかける星々」。哀しいピアノのリフレインからはじまり、荘厳なオーケストラがはいって壮大な宇宙の広がりを感じさせてくれます。中盤では哀愁ただよう美しいヴァイオリンソロも。そして再び壮大なオーケストラサウンドがドラマティックに盛り上げて劇的なエンディングを迎えます。オーラス29曲目は「白桃薫る来世の宴へ」。神秘的な音色のリフレイン。
オーケストラ調あり、ハードロック調あり、そして民族音楽調とバラエティに富んでいて、しかもとてもドラマティックで感動的な楽曲群、素晴らしいアルバムです。

※あきかんさま、間違いを指摘してくださってありがとうございました。訂正しました。

08.10.5 Flower Travellin' Band

2008-10-07 23:30:04 | ライブレポ ROCK
◇ 2008.10.5 日比谷・野外音楽堂
<J-ROCK LEGEND>
 今年2008年は70年代に日本ロックの礎を築いた偉大なるロックバンドがいくつも復活し、その勇姿を、生き様を<J-ROCK REGEND>と題したイベントで魅せてくれています。これまで観たなかでは4月にJCBホールで<四人囃子><クリエイション>。5月には日本ロックの聖地とも言える日比谷野音で<めんたんぴん><紫><頭脳警察><ブルース・クリエイション>。そして今回、同じくこの野音で伝説のバンド<フワラー・トラベリン・バンド>そして<ジョニー・ルイス&チャー>が!

<フラワー・トラベリン・バンド>
 当時“ロックは英語で”と提唱し、<フラワーズ>を率いていた日本ロック界の重鎮<内田裕也さん>が”世界で通用するバンド”をと自らのバンドを発展させプロデュースしたのがこの<フラワー・トラベリン・バンド>。メンバーは、元フォーナインエースのヴォーカリスト<ジョー山中さん>、元ビーバースのギタリスト<石間秀機さん>、元タックスマンのベーシスト<上月ジュンさん>、そしてそのフラワーズのドラマー<和田ジョージさん>の4名です。70年にサバスやクリムゾンなどのカヴァー曲を収録したアルバム「Anywhere」を発表して、カナダへ。そこで活動して評価を得てアメリカのレコード会社と契約し、アルバム「Satori」をアメリカとカナダで発表。成功をおさめたあと72年4月に帰国して全国ツアーを敢行し、73年にはアルバム「Make Up」を発表するも残念ながら解散。その後はメンバーそれぞれに活躍されますが、2007年暮れにメンバー全員が還暦を迎えたこともあり、単なるノスタルジィではなく、新たなスタジオアルバムを発表し、再び世界を目指すという挑戦者精神の完全復活宣言。(ちなみに石間さんはこの復活では、自分はシターラを演奏するとメンバーに伝えたとか) 今回の復活では70年代もサポートキーボーディストとしてバンドを支えた<篠原信彦さん>が正式にメンバーとして迎えられ、5人編成でスタートです。 まず2008年7月のフジロックフェスで復活ライブを。そして9月に実に35年ぶりとなるニューアルバム「We Are Here」を発表し、全国ツアーを開始。今回の日比谷はその第1弾再始動ツアーの締めです。

 17時30分に前座が終わってセットチェンジ開始。まずステージ左に家具調のオルガン&レスリーを載せたキーボードセットが。そしてステージ中央には白のタムいっぱいのワンバスドラムセット。ステージ右には小さなギターアンプとブラウンボディのシターラが。そしてドラム左側にベースアンプ、ドラム前にパーカッションセットが配置されました。
 17時50分ころ、ステージが明るくなっていきなりナレーションが。「おまたせしました。<フラワー・トラベリン・バンド>もうすぐ出ます。FTBと言えばこの人を紹介しなければなりません。Mr,ユウヤ・ウチダ!」って。そして内田裕也さんが「Rcok’n roll music」にのって登場!大拍手大歓声で迎えられます。黒スーツにグラサンに真っ白のロングヘアー、ダンディでかっくいいっす。しかも生き様の凄みというかオーラを感じますね。「Yeah!」ってシャウトを一発キメて。そして・・・「1968年、日比谷でスタートした<フラワー・トラベリン・バンド>・・」って当時のお話を。1972年に凱旋帰国したものの、1万人収容の東京体育館に1500人しか入らなかった、とか。当時日本はフォーク全盛で、ジーンズに高ゲタ、腰にタオルをぶら下げて♪結婚しようよ~って歌ってたって。「あれから何十年、彼はいま“アルマーニ”を着ておられます」って。爆笑です。
 ここで、最近発売されたジュリアン・コープさんの「ジャップ・ロック・サンプラー」という本を紹介。で、“日本のロックの歴史の中で<フラワー・トラベリン・バンド>が№1である”って書いてあったことにふれて。もちろんお客さん大拍手です。
 「今日はメンバーも充分なリハーサルをして、完璧な精神状態で・・・気合はいってます。どうぞみなさん歴史的な瞬間を一緒に楽しんでください」「それじゃ、いいか!Ladies & Gentlemen, Boys & Girls, Please Welcome, This is Flower Travellin’ Band!」って裕也さんが紹介していよいよメンバー登場!大拍手大歓声で迎えられます。

 みなさんウォーミングアップのあと、ジョーさん、一発シャウトをキメて、「36年ぶり、日比谷、みんな楽しんでくれ!」って。
 1曲目は「Make Up」。オルガンリフからはじまるパワフルなハードロック。リズムチェンジも転調もあってかなりプログレしてます。シターラソロもオルガンソロもかっくいいっす。
 ジョーさんは黒のジャケットを羽織って長い髪を振り乱して。ジュンさんは黒のベースを抱えて、黒のベストに白シャツでダンディにキメて。石間さんはナチュラルボディのシターラを操って、ノースリーブの黒のロングコートにグラサンに黒の帽子でシブくキメて。ステージ後方のバックには炎の映像が。

 2曲目はニューアルバムから「What Will You Say」。ラテンパーカッション的なドラムからはじまってピアノのパワフルなソロ。そして曲へ。ミドルテンポのファンキーな曲です。間奏ではシターラソロ、エンディングでは再びピアノソロが。
 続いて3曲目はニューアルバムからタイトル曲の「We Are Here」。シターラのソロから曲へ。アップテンポのビートの効いたノリのいい曲。間奏ではシターラソロが。

 「Woo!こんばんは!」「35年ぶり、再始動です」「えー、思えば、30数年前、この日比谷のコンサートで、○○○○が14-5人、角材とヘルメットで武装して“ロック粉砕!”となだれこんできたけど、それを返り討ちにして。」「もしそれが今回あったとしても、同じ結果です」って。凄いっす。
 ここでジョーさん、メンバー紹介を「キーボード、篠原信彦!」「ベース、ジュン小林!」「ドラムス、ジョージ和田!」「シターラ、ヒデキ石間!」大拍手大歓声です。そしてジョーさん、「今年からまた、夢の続きということで、世界に再チャレンジします。応援してください」って。再び大拍手大歓声!

 4曲目は「Woman」。スローテンポのヘヴィブルーズです。ジョーさんの情感あふれる声に感動。間奏のオルガンソロ、終盤のシターラソロも泣きのフレーズで、最後にジョーさんがロングシャウトをキメて。すると会場からどよめきが。もちろん大拍手大歓声です。いや、マジ凄いっす。鳥肌モノ。

 「どうもありがとう!」ってジョーさん。「Thank You!どうもありがとう!全員60代だぞ!」って。 ベースのヘヴィなリフからはじまる5曲目は「dYE-jobe」。ミドルテンポの民族音楽的な、ちょっぴりアフリカンな、大地を感じるパワフルな曲。聴いていると力がみなぎってきそうです。ドラム大活躍!間奏は逆回転風音色のシターラソロで、終盤にはドラムソロ、そして再びシターラソロ。
 開演からポツンポツンときてた雨がここにきてポツポツと降りだしたもので、濡れないうちにここでレインコートを着て、バッグにビニール袋をかぶせて雨対策です。

 「Thank You!どうもありがとう!」「ここ日比谷は、ほんとにオレらにとっては思い出の、日比谷野音です」「今年の1月、再始動しようってことになって、そして6月7月とカナダでレコーディングをしまして、新しいアルバム<We Are Here>が出来上がりました」「また来月、New Yorkも決定しています。そして12月はまたカナダ、そしてまた、夢を追い続けて“世界中を旅するバンド”となりたいと思います」って。大拍手大声援です。「雨もポチポチきたけど・・・いきます!」

 鈴とシターラのヴァイオリントーンと美しいピアノの音色からゆったりとはじまった6曲目は「The Sleeping Giant (Resurrection)」。壮大なスケールを感じる、目の前に広大な自然の美しい景色が広がるネイチャーソングですね。Down to Earth感覚かな。間奏はシターラのソロです。が、バックのピアノ&シンセもすっごいいい音ですね。フェードアウトでFin。
 「Woo!Thank You!」ってジョーさん。続いて日本的なキーボードのフレーズからシターラの泣きのフレーズが。7曲目は「Over & Over」。ゆったりとした力強いバラードです。ジョーさんの情感こもったヴォーカル、いいですねぇ。間奏はキーボードソロ、終盤はシターラソロ、そしてジョーさんのシャウトも。
 「Thank You!」「Rock’n Roll!」ってジョーさん。はじまった8曲目は「Don’t Touch My Dreadlocks」。アップテンポの明るく軽快で爽やかなポップスです。心がウキウキ♪してくる朗らかな曲ですね。軽やかなピアノ、いいですねぇ。そしてシターラのソフトなトーンに合ってますね。

 鈴の音が鳴って、静かにシンセの荘厳なサウンドが響いて、そしてシンバルロールが。幻想的なイントロダクションです。そしてヴァイオリントーンのシターラの音色がそこに加わって。9曲目は「Love is…」。ゆったりとおだやかにはじまる曲。中盤からはアップテンポになって、ホンキートンク調のピアノをバックにシターラのソロが。
 「ノってるか!」「日比谷、ノってるか!」ってジョーさん。すると衝撃的なリフが響き、そしてオルガンのリフとピアノのダークなサウンド、そこにシラーラのダークなリフが。10曲目は「Slowly But Surely」。ミドルテンポのミステリアスな雰囲気の曲調。ジョーさん、ハイトーンシャウトがキツそうです。

 「Yeah!」ってシャウトするジョーさん。すると♪ドン・ドドン・ドン~ってドラムがリズムを叩いて、そしてあのスピチュアルなシターラのフレーズが。本編最後11曲目はおまちかねの「SATORI part2」。それまで座って聴いていたお客さんもここで大部分立ち上がって。ジョーさん、ハイトーンシャウトがキツそうですけど、やっぱこの迫力は凄いっす。ジョーさん、太鼓を持って叩きながら客席最前列へなだれ込んで、そしてお客さんに手拍子を促して。間奏はシターラの逆回転風サウンドのソロ。ラストは盛大にFin。
 「Woo~~~h!Thank you!」ってジョーさん、ロングシャウトを一発キメて、そしてステージ袖へ・・・もちろん場内はアンコールを求める手拍子が鳴り響いて。

 少ししてメンバー再びステージに登場!大拍手大歓声で迎えられます。「どうもありがとう!」ってジョーさん。「え~、ほんとに、35年ぶりという再始動にこんなにたくさん集まってくれて本当にありがとう!」「そして、今日オープニングをやってくれたジョニー、ルイス、チャー、どうもありがとう!」「そして、この人が居なければフラワー・トラベリン・バンドは存在しないと思います。内田裕也さん、どうもありがとう!」「篠原信彦!ジュン小林!ジョージ和田!」「えー、ほんとに・・・今日は・・・胸がいっぱいです、どうもありがとう!」ここでジョーさん、感極まって目頭をおさえています。「どうもありがとう!嬉しいよ、ほんとに!」「これからも・・・世界を目指してがんばります!どうもありがとう!」って。ジョーさん、かっくいいっす!もちろん大拍手大歓声!

 風の吹き荒れる音が響いて、そして衝撃的な耳をつんざく爆音が。そしてシターラの不気味なフレーズが響いて。12曲目は「Hiroshima」。ミドルテンポのダークな曲。うねる歌メロ&シターラのリフ。苦しみが伝わってきそうな曲です。中盤からベースリフとともにテンポアップして激しくパワフルに。シターラのソロ、めっちゃヘヴィです。そしてオルガンのアグレッシブなソロ、続いてドラムソロ。そしてベースソロ。ラストは再びシターラのワウの効いたソロが。

 「Yea~h!」ってジョーさん、一発シャウトをキメて。すると石間さんがシターラでトーキングサウンドを。♪アリガトウ~って。そしてはじまったオーラス13曲目は「Will It」。ミドルテンポのヨコノリのちょっぴりファンキーな曲。終盤ではエモーショナルなシターラソロが。その間「どうもありがとう!Thank You!Mr,ヒデキ!ジュン小林!ジョージ和田!篠原信彦!Thank You!Peace!」ってジョーさん。再びロングシャウト一発!そして「どうもありがとう!」って。

 「Yea~~~h!」ってシャウトをキメて、「Thank You!」って、大拍手大歓声に応えて。「どうもありがとう、またお逢いしましょう!どうもありがとう!」って手を振りながらステージ袖へ・・・
 時計を見ると19時35分、約1時間40分の素晴らしいコンサートでした。雨さえ降らなけりゃもっとよかったんですけどねぇ。音響もよかったし。
 ジョーさん、70年代の曲でのハイトーンはキツそうだったけど、でもでも素晴らしい声でした。ジュンさんのベースも良かったし、ジョージさんのドラムもタイトでパワフルで最高でした。そして石間さんのシターラ、初めて聴く音色でしたが、いい音しますね。微妙なトーンになんともいえない魅力を感じました。今度はホールとかライブハウスとか屋内で聴いてみたいですね。
 70年代の曲5曲とニューアルバムの8曲全部という構成。70年代の曲はオリエンタルでスピチュアルでダークで、ニューアルバムの曲は魅力あるポップなロック。今後は後者の路線で世界を目指すのかな。70年代の曲に思いいれのある方は不満だったようですが、こればかりは再結成バンドの宿命というか、仕方ないっすね。いずれにせよ、自分は今度の動向にも注目していきたいです。次に行われるであろうライブももちろん観にいきたいっす。

08.10.5 ジョニー・ルイス&チャー

2008-10-06 22:18:55 | ライブレポ ROCK
◇ 2008.10.5 日比谷・野外音楽堂
<J-ROCK LEGEND>
 今年2008年は70年代に日本ロックの礎を築いた偉大なるロックバンドがいくつも復活し、その勇姿を、生き様を<J-ROCK REGEND>と題したイベントで魅せてくれています。これまで観たなかでは4月にJCBホールで<四人囃子><クリエイション>。5月には日本ロックの聖地とも言える日比谷野音で<めんたんぴん><紫><頭脳警察><ブルース・クリエイション>。そして今回、同じくこの野音で伝説のバンド<フワラー・トラベリン・バンド>そして<ジョニー・ルイス&チャー>が!

<ジョニー・ルイス&チャー>
 スーパーギタリスト<Charさん>と、元イエローのドラマー<ジョニー吉長さん>、そして元ゴールデンカップスの<ルイズ・ルイス・加部さん>のお3方が1978年に結成した日本最強のロックトリオ。それが<ジョニー・ルイス&チャー>です。1982年にはバンド名を<ピンククラウド>と改めて活動し、1994年に解散。その後はそれぞれに第一線で活躍されていますが、2007年3月にお3方が一緒のステージに立って。
 今回のライブはFTBの“スペシャル・ゲスト”という立場ではありますが、すっごい楽しみです。ただひとつの問題は・・・お天気。JLCはどうも“雨バンド”らしい・・・

 さて当日。天気予報では残念ながら夕方から雨。なので簡易レインコートと大きなビニール袋を用意して出発。開演予定時間が16時30分なのでそれに間に合うように早めに。で、日比谷公園には16時に着きました。現在曇り空でまだ雨は降ってません。他のイベントもあってすっごい混雑してます。その間をすり抜けて野外音楽堂へ。ここも大勢でごったがえしてます。そして会場へ。まずはFTBのツアーTシャツを買って座席へ。今回は右側の後ろの方で、ステージまで50mくらいありそう。ま、しゃーないっす。会場はほぼ満席。当日券は座席後ろの立ち見のみのようで超満員です。客層は子供連れも多く、幼児から年配まで幅広く。サイケ服の人も見かけましたけど、ほとんどフツーのオジサン・オバサンでしたね。
 ステージは前方の中央付近にこじんまりとベースアンプ・ワンタムのシンプルなドラムセット・ギターアンプがセットされていました。ベースはジャズベーかな?ギターはクリーム色のムスタングが。ステージ袖には白のストラト他。 会場はずっとジャニス・ジョップリンさんの曲がながれています。

 開演時間の16時30分ころからローディのひとがギター&ベースのチューニングを。それが終わるとスタッフの人が客席後方のエンジニアに合図を。16時40分ころ、いよいよメンバー登場!大拍手大歓声で迎えられ、この時点でもうお客さん総立ちです。JLC目当てできたお客さんも多かったのかも? そしてジョニーさんがアップテンポのリズムを刻み始めて、そしてChar様と加部さんもヘヴィなリフを弾きはじめて。1曲目はリズムチェンジもあるかっちょいいインスト。(JLCは全く聴きこんでいないもので、曲名が全然わかりません。あとでわかったら訂正します)

 加部さんは紫のポロシャツにベージュの帽子を被って。初めて拝見する加部さん、想像以上に大柄でしたね。ジョニーさんはグレーのロングヘアを束ねて。小柄だけどその眼光は鋭く、怖いくらいでしたね。そしてChar様はラフなシャツにジーンズ、そしてロングのカーリーヘアにバンダナでめっちゃかっこよかった。
 2曲目は「Why Aren’t You Ready」。アップテンポのChar様のヴォーカル曲。♪お前の、番だぜ~ってノリノリです。ギターソロもめっちゃかっちょいい!続いて3曲目はChar様、白ストラトに持ちかえてゆったりとしたテンポのバラードっぽいブルーズを。シブいっす。さらに続いて4曲目はギターのアルペジオからはじまるゆったりとしたミドルテンポの哀愁を感じる曲。ヴォーカルはジョニーさんです。いい声ですねぇ。かっくいいす。

 曲が終わると、大拍手大歓声!お客さんが「ジョニー!」とかメンバーの名前を叫んで。するとジョニーさん、ドスの効いた声で「呼び捨てにすんじゃねぇ!“ジョニー様”だろ!この野郎」「“いくつ”だと思ってやがんだよ」って。すると「そう、還暦よ」ってChar様。「まあそういったことなんで、さっさとやりましょ」って。爆笑です。「今日は・・・“シルバー・クラウド”でございます」ってCharさま、再び爆笑!「電車で見たら席を譲ってくださると・・・一番若いボクからお願いいたします」って。をいをい・・・このあとほんとにMCもなくどんどん曲を演奏していきます。

 5曲目は「Cats n’ Rats」。アップテンポのパワフルなノリのいい曲。ワウギターソロ、めっちゃかっこよかったっす。続いて6曲目はミドルテンポのヘヴィなブギー調の曲。ヴォーカルはジョニーさんとChar様が交互に。終盤でテンポチェンジしてアグレッシブなギターソロも。やっぱChar様すごいっす。
 続いて7曲目はメロウなギターリフからはじまる、ゆったりとしたのどかなカントリー調のブルーズ。緩急織り交ぜた構成、いいですねぇ。 さらに続いて8曲目は「Pink Cloud」。一転ヘヴィなリフからはじまりり「Yeah!」って。ミドルテンポのかっちょいいインスト。ギターのフレーズはとっても爽やかでしたね。

 続いて「ワン、トゥー、スリー」ってジョニーさんのカウントからはじまった9曲目はミドルテンポのファンクっぽいヘヴィロック。「Hey! Hey!」ってお客さんを煽って。ヴォーカルはジョニーさんとChar様が交互に。そして早くも本編最後10曲目はギターのフィードバックからはじまるミドルテンポのヘヴィなブルーズ。♪ズンズンチャーってPurple Hazeに似てるリフも。ここでもハードなギターソロを。めっちゃかっくいいっす。

 曲が終わると大拍手大歓声!Char様が「ありがとう!オンドラムス、ジョニー吉長!ジョニーさん。ベイス、マーチャン!Thank You」って叫んで、そしてステージ袖へ。もちろん会場はアンコールを求める拍手が鳴り響いて。するとほどなくメンバーがステージに登場!大拍手大歓声で迎えられます。
「じゃ、しょーがないからやります」。ってChar様。はじまった曲はミドルテンポののどかなメロディのソフトなフュージョンっぽいインスト。途中Char様がアドリブでヴォーカルを。歌詞のなかに“ヒビヤオンガクドウ”“ヤオン”って言葉を織り交ぜて。もちろんお客さんからそのたびに歓声が。そしてそのあとChar様のリフにのって加部さんがベースでメロディを弾いて。ここまでほとんど目立ったプレイが見受けられなかった加部さんでしたが、最後の見せ場があって嬉しかったっす。

 曲が終わると大拍手大歓声。それに応えてChar様「ありがとう!」って。そしてステージ袖へ・・・時計を見ると17時30分。約50分のかっちょいいライブでした。ジョニーさんのドラム、タイトでパワフルでかっこよかったっす。ヴォーカルもよく通る張りのあるいい声でしたね。加部さんのベース、しっかりリードを支えていて良かったっす。ほんとは超攻撃的なリードベースも期待してたんですけど、それは噂されている<フード・ブレイン>の再結成で見れたら嬉しいな。そしてChar様。生で拝見するのは初めてだったかな。すっげーかっこよかったっす。ただ自分は右側の席で、Char様はほとんど左向きでプレイされてたもので、あましよく見れなかったのは残念。
 音響は、ベースがあまりよく聴こえなかったけど、後ろの席だったから仕方ないかな。まあまあのバランスで良い音でした。心配した雨は途中でパラっときたけど大丈夫でした。
 今回は“前座”ってことでMCが1回しかなく、曲を淡々と演奏されてましたが、今度はぜひフルライブを観にいきたいっす。

※他サイトより転載させていただきましたセットリストです。
 1:宇治茶屋序幕
 2:Why Aren't You Ready
 3:In The Space
 4:Only For Love
 5:Cats'n Rats
 6:Low & Top
 7:Wind Cries Mary
 8:Pink Cloud
 9:B-Y-
10:Finger
encore:Restaurant

Lucifar

2008-10-04 07:37:35 | ジャパン・プログレ
 某中古CD店のサイトを見ていたときに、石造のアーチとその間から見えるのどかな風景と幻想的なシャボン玉。その色彩の綺麗さに目を奪われてしまったたジャケットのCD。1983年8月から1994年2月までの約10年間にわたって活動されたバンド、<Lucifer/ルシファー>の1993年に発表されたアルバム「MARGINIA」です。
 <Lucifar>は、キーボード&ヴォーカル他の<片岡秀夫さん>が中心となって、そして大勢のミュージシャンが参加されたエレクトリック&アコースティックのバンドで、延べでは10年間で36人の方々が参加されたそうで、カセットテープ4本・CD2枚の計6枚アルバムを発表され、バンド活動後期にはある程度メンバーも固まってフルライブ4回・ミニライブ6回の計10回のライブを行ったそうです。
 その音楽はというと、<Lucifar>のサイトで片岡さんが語っておられますが、“一般的な方法”や“既成概念”などにとらわれず、“歌であっても歌でなく”、“歌メロが必ずしも主旋律ではない”、“歌詞にも意味はない”など、自由に創作されたようですね。そして、“参加したいひとが参加したいときに参加できる素材と場所を通じてコミュニケーションを広げる”ということがこのバンドの基本姿勢だそうです。大勢で助け合って意見を出し合って、ときにはトラブルもありつつも共同作業をして作り上げ、その出来上がったアルバムを“音による記念撮影”と称されています。この発想って素晴らしいと思います。それと、そのアルバムの制作過程を“魔女のスープ”とも例えておられますね。おのおのが持ち寄ったいろいろな素材がどんどん大きなナベに継ぎ足されて、時間をかけて煮込んでいって、素材同士が煮込まれて融合していって、そして美味しいスープの出来上がり、と。
 また、片岡さんは“音を面で捉える”ということも語っておられます。普通音楽を聴くときはどうしても主旋律を耳で追ってしまいますが、そうではなく、全ての音に耳を傾け、絡み合うパートの流れや関連を聞くことによって、あたらな感動がある、とも。実際に全く異なる旋律が4つも5つも同時に演奏される曲もあるとか。いったいどんなサウンドなのかすっごい楽しみです。
 このアルバム「MARGINIA」には片岡さんをはじめとする12人のミュージシャンが参加されています。ベース・ブズーキ他の<新屋敷昇さん>、チェロの<郡山幸治さん>、キーボード・リコーダー他の<片岡以津子さん>、ヴォーカルの<古館都佳さん>、ピアノ・キーボード他の<今井佐和奈さん>、ギター・マンドリンの<南條伸明さん>、ヴァイオリンの<橘一さん>、キーボード・アコーディオン他の<新屋敷知亜子さん>、ヴォーカル・パーカッションの<石川優美さん>、ドラムスの<古川徹さん>、そしてギターの<石川進一郎さん>です。
 アルバム1曲目は「Moon Wind」。とってもおだやかで透明感があって瑞々しく感じる綺麗で爽やかな曲。軽快なアップテンポで美しい女性ヴォーカル&爽やかな男性ヴォーカルを聴かせてくれます。間奏ではテンポダウンしたりアップテンポに戻ったりするなかでピアノ&ストリングスの美しいハーモニーを聴かせてくれます。
 2曲目は「Enter Marge」。軽快なドラムからはじまるアップテンポのポップでレトロっぽくて楽しい曲。特にオルガンサウンドが印象的ですね。間奏のフィドル調のヴァイオリンもいいですねぇ。次の間奏ではハードなギターソロも。70年代のディスコソングっぽい部分もあるかも?
 3曲目は「Quila Rillion」。静かにゆったりとはじまり、そしてアップテンポのヴァイオリンのリフが。水中をスイスイと泳いでいるような透明感と爽快感がありますね。軽快で綺麗なメロディの曲です。テンポチェンジも絶妙ですし、ストリングス大活躍です。
 4曲目は「Endless Green」。パワフルで盛大なリフからはじまり、ヴァイオリンの伸びやかなフレーズがアップテンポのラテンリズムに乗って。間奏ではナチュラルなトーンのギターソロが楽しめます。その後はミドルテンポで美しい女性ヴォーカルとロマンティックなヴァイオリンサウンドが響いて。続いてリズミカルなピアノソロ、そして再びコーラスのあとに、ピアノソロが。続いて美しい男女のコーラスが響いて。そして軽快でテクニカルなモードに。めまぐるしくどんどん展開していきます。ラストは盛大にFin。
 5曲目は「水の園」。美しいピアノリフからゆったりとはじまって、囁くような綺麗な女性ヴォーカルが。おだやかで美しい曲ですね。とってもクラシカルでしかもドラマティック。間奏のストリングスサウンソもうっとりと聴きほれてしまいます。
 6曲目は「Lovers In The Dream」。軽快でポップでとっても楽しい曲。とってもノリノリで、聴いていてウキウキしてきちゃいます。
 7曲目は「Madrigal」。木管サウンドからはじまって重厚なコーラスとパイプオルガンサウンドが響きます。哀愁ただようストリングスのフレーズが。中盤にはアップテンポで木管とハープの楽しく明るいハーモニーが。終盤では教会音楽のような雰囲気にも。ラストはアップテンポでドラマティックにFin。
 8曲目は「Dream Vision」。ゆったりとした叙情的なピアノリフからはじまり、深く太い男性ヴォーカルが哀愁ただよう歌を聴かせてくれます。中盤からは女性ヴォーカルもはいって素敵なハーモニーを。
 9曲目は「Ralph」。ドライブ感たっぷりの軽快なアップテンポのとっても爽やかな曲。大空を高速で飛んでいるかのような爽快感とスリル感が楽しめます。間奏では艶やかなヴァイオリンサウンドもあり、次の間奏ではハードでアグレッシブなギターソロも。パワフルなベースもかっこいいし、綺麗なコーラスもいいですねぇ。終盤にはヴァイオリンソロも。
 10曲目は「The Garden」。ゆったりと穏やかに優しくはじまります。囁くようなかわいらしい女性ヴォーカルの綺麗な曲。サビでは男性ヴォーカルもくわわって素敵なハーモニーを聴かせてくれます。ドラマティックなバラードソングです。ラストは盛大にFin。
 オリジナルアルバムはここまでですが、ボーナストラックが4曲収録されています。11曲目は「Libra Circuit」。シンバルロールからはじまるパワフルかつテクニカルなドラムソロ曲。
 12曲目は「Refrain」。ピアノのパワフルなリフと艶やかなヴァイオリンからはじまり、哀愁ただよう女性ヴォーカルが。間奏ではゆったりと伸びやかなチェロのソロを聴かせてくれます。
 13曲目は「たそがれ色の時間」。ミドルテンポのトロピカルムードたっぷりの曲。艶っぽい女性ヴォーカルにうっとりです。南の島の夕暮れのビーチ、みたいな雰囲気ですね。終盤にはテンポアップしてサンバ調でのヴァイオリンソロも。
 14曲目は「Fright」。パワフルなヴァイオリンのリフからはじまり、女性コーラスが。アップテンポのノリのいい曲。スリリングに展開していきます。間奏のアグレッシブなヴァイオリンソロもかっこいいです。ラストはゆったりとドラマティックにFin。 
 最初にライナーノーツを読んだときには難解な音楽なのでは、とかまえてしまったのですが、全然そんなことはなく、とっても聴きやすく心地よいサウンド。全体的にとっても綺麗で透明感があって、しかもポップな曲調ながら美しくクラシカルで、聴いていると幸せ気分に浸れます。素晴らしいアルバムです。

Side Steps 2

2008-10-02 00:09:56 | フュージョン
 98年にメジャーアルバム1作目を発表した<SIDE STEPS>。翌99年初頭には早くも2枚目のアルバムを発表します。96年から98年にかけて行われたライブの音源のなかから、これまでの自主制作アルバムの曲を抜粋して収録したライブアルバム「ALIVE」です。ハイレベルな演奏を見せてくれる<SIDE STEPS>。バンドの真骨頂はライブにある、ライブでこそバンドの本領を発揮できる、と。回数は少ないもの、ぜひライブを観にきてほしい、とバンドも願っているようで。なのでライブに行くことができないファンにとってはすぐにライブアルバムを発表してくれるのは嬉しいかぎりですね。
 アルバム1曲目は「Inner Space」。パワフルなドラムとメロディアスなリフからはじまって、ギターとキーボードのユニゾンのフレーズが変拍子のテクニカルなリズムにのって。そして落ち着いた雰囲気になって透明感のあるキーボードソロが奏でられます。パワフルなリフのあとにはハードなギターソロが。ギターだけでなくドラムもめっちゃ叩きまくりです。もちろんベースも凄いっす。
 2曲目は「Morbid Lot」。パワフルなドラムとかっちょいいチョッパーソロからはじまるアップテンポの軽快で爽やかな曲調です。まずはキーボードソロ。わざと調和を崩すとことか面白いですね。そして次はハードなギターソロ。中盤では壮大でダイナミックな展開も。そしてキーボードソロ、ギターソロと続きますが、バックではかっちょいいチョッパーがバシバシきめてくれてます。ラストはギターとキーボードの掛け合いのソロも。
 3曲目は「Fairydom」。綺麗なキーボードソロからはじまるゆったりとした綺麗なバラードソングですね。まずはギターがメロディアスなフレーズを。続いて伸びやかなベースソロ、そしてエモーショナルなギターソロが。後半のキーボードソロでは優雅でダンサブルな雰囲気に。そこにギターが加わってドラマティックに盛り上がります。ラストはキーボードソロでしっとりとFin。
 4曲目は「Jazz It」。パワフルで早いパッセージからはじまり、アップテンポでスタート。まずはメロディアスなギターのフレーズが。そしてテクニカルなベースラインにのってめっちゃ弾きまくりのハードなギターソロを聴かせてくれます。中盤からは一旦落ち着いたあと、ムーグのアグレッシブなソロが。こちらもめっちゃ弾きまくりです。そしてベースも弾きまくりで凄いっす。終盤にはパワフルでテクニカルなドラムソロも。もちろん叩きまくりです。
 5曲目は「Valkyrie of Sorrows」。透明感のある綺麗なキーボードサウンドからゆったりとはじまり、それがリズミカルになって明るく爽やかな雰囲気に。まずはメロディアスなギターソロ。そしてテンポアップしてパワフルなサウンドに。後半はキーボードとギターとベースのハードでテクニカルな掛け合いが。そのあとにはドラムソロも。終盤には再び透明感のある綺麗なキーボードを聴かせてくれ、メロディアスにパワフルにFin。
 6曲目は「Metropolis」。アップテンポのパワフルなパッセージからはじまり、ラテンリズムで軽快でダンサブルな楽しいフレーズを聴かせてくれます。まずはテクニカルでエモーショナルなベースソロ。続いてトロピカルでテクニカルなギターソロ、そしてキーボードソロも楽しく聴かせてくれます。終盤にはパワフルなドラムソロも。ラテンのアツいパッションが伝わってくる楽しい曲ですね。生で聴きたいなぁ。踊りたいなぁ。
 7曲目は「Broken Wave」。ドラムからはじまるアップテンポの爽やかで軽快な曲。小さいボートで波をつっきって波しぶきをあびながら進んでいるような感じですね。、まずはパワフルなピアノソロ。そして綺麗なサウンドのキーボードソロに。続いてパワフルでテクニカルなベースソロ、そしてドラムソロへ。終盤ではハードでメロディアスなフレーズを楽しく軽快にたっぷりと聴かせてくれます。
 8曲目は「An Etenal Tide」。美しいピアノのリフレインからはじまり、それが徐々に盛り上がっていって、ゆったりとしたメロディアスなギターのフレーズが。綺麗なバラードソングですね。まずはきらびやかで綺麗なキーボードソロが曲を盛り上げます。続いてエモーショナルなギターソロを。めっちゃ弾きまくりで再び盛り上がります。ラストはドラマティックにFin。 
 自主制作時代のベスト選曲ともいえる素晴らしい楽曲群を、アツい演奏をそのままにたっぷりと聴かせてくれる凄いアルバムです。その凄テクに圧倒されちゃいます。