ひよりの音楽自己満足

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08.10.11 鬼武みゆきトリオ

2008-10-14 07:08:58 | ライブレポ Jazz/Fusion
◇ 2008.10.11 横浜・関内ホール・小ホール
<2008横濱ジャズプロムナード>
 ここ数年この時期に横浜関内地区で大々的に開催されるJAZZの超ビッグイベント<横濱ジャズプロムナード>。今年は10月の11日(土)と12日(日)の2日間です。付近のホール・JAZZクラブ・イベント広場、そして野外街角、計50ケ所近くで、プロからアマチュアまで、素晴らしいミュージシャンがいっせいにアツいJAZZ演奏を繰り広げます。
 自分は11日の夕方近くに某会場で行われる某バンドのライブを観にいくつもりで11日のみのフリーパスチケットを買ったのですが、夕方に急な用事が入ってしまったのよね。せっかくチケットを買ったのに何も観ないんじゃもったいないので、夕方はあきらめてお昼のライブを観にいくことに急遽変更。たっくさん行われるライブの中からまずは、12時から13時まで関内小ホールで行われる<赤坂由香利グループ>のライブと、13時50分から14時50まで同じホールで行われる<鬼武みゆきトリオ>、この2つをチョイスしました。自分は赤坂さんのことも鬼武さんのことも全く知りません。予備知識ナシでライブに臨むことに。

<鬼武みゆきトリオ>
 セットチェンジの休憩中に昼食に出かけて、13時40分に戻ってきて。席はすでに9割くらい埋まってました。で、後ろのほうで空いてる席を見つけて確保。開演前にはもう満員で立ち見客も。ステージは右にピアノ、中央にエレキベース&アンプ、左にはパーカッションセットが配置されています。メンバーはピアノの<鬼武みゆきさん>、ベースの<Gregg Leeさん>、パーカッションの<ヤヒロ・トモヒロさん>です。13時50分ちょい前にブザーが鳴ってアナウンスが。そして50分ちょうどに客席の照明が暗くなって、そしてステージにメンバー登場!スポットライトを浴びて大拍手大歓声に応えて手を振って。
 そしてはじまった1曲目は「Believe」っておっしゃったかな。パワフルなパーカッションからはじまり、ピアノの力強いリフとチョッパーベースが。アップテンポのラテン系の楽しい曲です。まずはピアノの軽快でパワフルなフレーズが。続いてはテクニカルなベースソロ。そしてエネギッシュなピアノソロへ。終盤にはピアノリフをバックにパワフルなパーカッションソロも。

 初めて観るみゆきさん、“鬼武”という苗字からゴツそうなのかな?なんて思っていたら、とんでもない!しっとりと奥ゆかしく美しい日本的な美人さんですね。清楚な白のロングドレスがとってもお似合いで、まるで天女さまのようです。しばし見とれてしまいました。こんなことならもっと早くきて前の席をGETすべきだったと後悔。もちろん流麗なピアノ演奏にもうっとりです。そして黒人ベーシストのGreggさん、ぶっとい6弦ベースを自在に操ってかっこいいっす。Greggさんは白シャツに黒っぽいパンツでクールにキメてます。ヤヒロさんは白Tシャツにジーンズで坊主頭。陽気なおにーさんって感じでいいですねぇ。

 みゆきさん、深く丁寧にお辞儀してマイクを持って「こんにちは!」って。なんておしとやかなんでしょう・・・「ジャズプロムナードにようこそお越しくださいました、鬼武みゆきトリオ・・・です」「ベース、Gregg Lee!」「パーカッション、ヤヒロ・トモヒロ!」ってメンバーを紹介するみゆきさん、大拍手です。ここで、9月に発売されたニューアルバムのお話を。今日はそのニューアルバムの曲を中心に演奏されるそうです。

 2曲目は「Sunflower」。ゆったりとしたピアノの美しいメロディからはじまる、落ち着いたバラードっぽい綺麗な曲。うっとりと聴きほれてしまいます。ピアノもさることながらフレットレスベースの音色も味わい深くて素敵です。もちろんパーカッションも絶妙ですね。
 続いて3曲目は「Good Day!」。一転パワフルでリズミカルなパーカッションからはじまる、からっと明るく爽やかな曲。まずは軽やかなピアノのフレーズ、そしてベースソロと続き、ピアノとパーカッションの掛け合いも。

 「ありがとうございます」ってみゆきさん。「Sunflower」という曲は“ゴッホ”が最後の2ケ月間過ごしたパリ郊外の町・ゴッホのことを思って作った曲だそうです。「Good Day!」は、朝“おはよう、いってらっしゃい、今日も1日、いい1日になりますように”って気持ちをこめて作ったそうです。
 続いて次の曲のお話を。ニューアルバムは“自然”のことを特に思って作ったそうで、「自然界っていうのは、私たちのことをいつも暖かく見守ってくれていて、すごく偉大な存在だと思うんですけどね」「でも、時には厳しい・・・そんな自然からの声を真剣に受け止めなきゃいけない・・・」って。

 4曲目は「Behind The Silence」。神秘的なサウンドからはじまる不気味でダークな曲。テンポはミドルテンポです。とってもスリリングでパワフルで躍動感たっぷり。中盤にはアグレッシブなベースソロが。あの“革命”を思わせるピアノのフレーズも。
 続いて5曲目は「Manatte」。ゆったりとしたエモーショナルなピアノソロからはじまる叙情的なけだるい感じの曲。ピアノもさることながら、伸びやかなベースの音色もすっごくいいですね。それとパーカッションの壺のような打楽器、すっごくいい音してました。曲は終りに近くなるにしたがって壮大でダイナミックに。ベースの早弾きソロも凄いっす。盛り上がったあとは静かにFin。

 みゆきさん、深くお辞儀してマイクを持って「ありがとうございます」って。ここでニューアルバムのお話を。タイトルの「Eternal One's」とは、「私達人間が長い年月をかけて自分達が生活しやすくするために営んできたことが、大自然のバランスを崩してしまって、いまもう大きな問題になっていますけど、私達は・・・永遠であってほしいもの、そして永遠であるために必要なものを、そんな<Eternal one’s>を皆様に感じていただけたらなって想いをこめて作ったアルバムです」って。
 ここで次の曲のお話を。このアルバムに収録されている曲は全て自然と人間の係わりをモチーフにされているそうですが、次の曲は「毎朝太陽が昇ってくるときに、今日もまたこの1日がはじめられる、太陽とともに昇っていくんだっていう日々の感謝の気持ちをこめて作った曲」だそうです。

 「ちょっとシリアスな曲が続いたので明るい曲を・・・」ってはじまった6曲目は「Dawn」。軽やかピアノとパーカッションからはじまるラテン系のアップテンポの明るく爽やかな楽しい曲。テーマのあとはテクニカルなベースソロが。みゆきさんはノリノリで演奏されています。観ているこっちまで楽しくなっちゃいます。
 続いて7曲目は「In The Wind」。ピアノのリフレインからはじまるアップテンポのちょっぴりアフリカンな曲。パワフルでダイナミックで躍動感があって、聴いていると元気がでてきますね。この曲は「時には強い風が吹き荒れることもあるけれど、どんなときも立ち向かっていきたい」って想いをこめて作った曲だそうです。

 深くお辞儀をしたあと「ありがとうございます」って。早くも次の曲が最後の曲だそうで。1時間ってあっという間ですね。めっちゃ早いっす。ここでまずはみゆきさんの今後のライブスケジュールを。そしてCD販売のお話を。ちなみにこのあとCDを買うとみゆきさんがサインしてくれるって。いいなー!でも自分は時間がないから無理かな。このあと、ヤヒロさんのライブスケジュールのお話と、ヤヒロさんのCDのお話も。
 そして「今日は数ある会場のなかから私達の“音楽”を選んでいただいて本当にありがとうございました。」って。「JAZZというのはね、ほんとに自由な音楽で、みなさんにも日常の生活の一部のように・・・していただけたらなって気持ちでやってます」って。「今日はいろいろな形のJAZZが・・・たくさん繰り広げられています。このあともたくさん・・・お楽しみください」って。

 最後の曲は「Dream Train」。軽快なピアノのリフレインからはじまるアップテンポのとっても明るく軽やかな曲。しかも聴いていると雄大な景色が目に浮かんでくるようです。中盤のベースソロもとってもメロディアスで心地よく。リズミカルで素敵な曲です。
 曲が終わると大拍手!「ベース、Gregg Lee!」「パーカッション、ヤヒロ・トモヒロ!」「ピアノ、鬼武みゆきでした。どうもありがとうございました」って、みゆきさん深くお辞儀をしてそしてステージ袖へ・・・

 初めて聴かせていただいた鬼武みゆきさんの音楽、すっごく素敵でした。JAZZというよりもフュージョンって印象かな?JAZZっていうとテーマがあってそしてメンバーそれぞれのインプロって感じで、自分には曲よりもソロ演奏の印象が強いんですけど、鬼武みゆきさんの音楽って、もちろんインプロもありますけど、曲全体のメロディやリズムの印象のほうが強いですね。ニューアルバムは自然をテーマにされた、とかソロ演奏よりも曲を大事にされてるんだなって思いました。今日の演奏も素敵な曲ばかり。今日はCDを買えなかったんですけど、月末に近くのライブスポットでライブがあるようなので、そのときに購入させていただこうかなって。今回の1時間じゃ物足りなかったから、ぜひとも近々にフルライブを観たいっす。それに・・・美しいみゆきさんをもっと近くで拝見したいし・・・あはっ!

 ちなみに・・・鬼武みゆきさんは・・・4歳からエレクトーンを、そして11歳からピアノを習って、そのころから作曲もされてたとか。そしてジャコ・パストリアス氏のバンドの演奏に出会ってJAZZに感動して興味を持ち始めたとか。理科大数学科に入学し、その傍ら芸大軽音楽部にも所属して腕を磨いたそうです。理科大卒業後、某メーカーに就職してシステムエンジニアとして活躍され、平行して音楽活動もされて、5年後に退職。音楽一本に。93年に初のソロコンサートを開催し、96年からライブハウスで活動をはじめたそうです。そして97年には“横濱ジャズプロムナード”に初出演。以降ずっと連続出場中だそうで。98年にGregg Leeさん・ヤヒロトモヒロさんと<鬼武みゆきトリオ>を結成され、2002年には自身のレーベル<Eternal Music Records>を設立し、1stアルバムを発表。2004年に2ndアルバムを発表し、今年2008年に3rdアルバム発表。他にも多くのミュージシャンとの共演や、TV番組等の音楽の作曲・編曲など幅広く活躍されています。