ひよりの音楽自己満足

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08.10.28 鬼武みゆきトリオ

2008-10-31 00:31:15 | ライブレポ Jazz/Fusion
◇ 2008.10.28 横浜桜木町DOLPHY
<Eternal One’s Live!>
 先日の“横濱JAZZプロムナード”にて、とっても素敵な曲をとっても素晴らしい演奏で聴かせてくれた、ピアニスト<鬼武みゆきさん>率いる<鬼武みゆきトリオ>。すっごい感動しちゃったんですよね。で、その時は1時間弱の短いライブだったので、いつか機会があればフルライブをみたいなって思ったんです。それとアルバムCDも欲しいなって。
 すると、たまにおじゃまする近くのJAZZスポットで10月28日にライブがあると知って大喜び!すぐに予約を入れて当日を楽しみにしていました。CDも通販で注文すればすぐ手に入れられるし、そのほうがちょっぴり安いんですけど、どうせならライブ会場で買いたいなっ思って、聴きたいのをちょっとガマンしちゃいました。
 それと・・・とっても綺麗で美しいみゆきさん、先日はホールで、しかも自分は後ろのほうの席だったからよく見えなかったのよね。今回はお店だから真近で拝見できるなって。それも楽しみ♪です。

 さて、当日。開演予定時間は19時半。まあでも10分以上は押すでしょうけど。仕事は19時前に終わったので、先にいつものCD店に寄って出物をチェックして、それからお店へ。ちょうど19時半に着きました。平日で火曜日ということもあってか、お客さんは20人強ってとこかな。ゆったり楽しめそうです。前のほうも空いてましたけど、恥ずかしいので後ろのほうの席へ。
 するとみゆきさんが楽屋から出てきて自分のすぐ脇を通って。う~ん、やっぱり綺麗!ちょっとドキドキしちゃいました。“なじみ”のお客さんも多いようで多くの方に挨拶されてましたね。自分も常連になりたいなぁ。近くのお客さんとお話してたみゆきさん。「開演は19時半になってたけど、始めるのは20時まえくらいよ」みたいなことおっしゃってました。

 ステージは向かって左側にピアノ、中央にベース、そして右側にパーカッションがセットされていました。そこには前回気になっていた黒い“魔法の壺”も。ベースは黒っぽい6弦ベースと、JAZZベーっぽい4弦のフレットレスベースでした。
 19時55分ころ、まずはグレッグさんが登場!そしてみゆきさんとヤヒロさんも登場!。少々の沈黙のあと、お3方で息を合わせてはじまった1曲目は「Billy’s Dream」。ピアノの重いリフからはじまって、そこにベースが加わって。すると一転明るく爽やかな雰囲気のピアノのフレーズ、そしてパーカッションのアップテンポのリズムがはいってとっても楽しい雰囲気に。跳ねるようなリズム、いいですねぇ。まずはピアノソロが。目の前に広大な景色が広がるような感じのフレーズが。続いてベースソロへ。終盤ではヤヒロさんがマラカスを使ってよりいっそうリズミカルに。ノリノリ♪です。ラストはピアノの綺麗なフレーズでFin。

 続いて2曲目は「Good Day!」.リズミカルでパワフルなピアノのリフからはじまるアップテンポの爽やかで楽しい曲。パーカッションのリズムで木の鈴のような音が。よく見たらヤヒロさんが足首に小さな木の鈴がいっぱい付いているバンドをはめて足踏みしてならしてたんです。これちょっとビックリしました。そういう方法もあるのかって。ピアノソロは跳ねるようにとってもリズミカルで、ベースソロはめっちゃテクニカルで。そのあとはピアノとパーカッションの掛け合いのようなソロも。曲が終わると大拍手!です。

 みゆきさん、深くお辞儀をして、そして立ち上がってマイクを持って「皆さん、こんばんは。」って。お客さんはちゃんと「こんばんは」ってお返事です。もちろん自分も。「鬼武みゆきです。今日はようこそおこしくださいました」「今日は鬼武みゆきトリオ3rdアルバム”Eternal One’s”発売記念ライブです」ってそばにあるCDを持って「出来ました!」って。大拍手です。2ndアルバムから4年ぶりなんですね。6月にレコーディングして9月に発売したそうです。で、昨日は柏で、今日はここ横浜で、そして明日の渋谷と3日連続となるアルバム発売記念ライブツアー(?)のようです。
「私にとって、ここDOLPHYはもう“ホームグラウンド”で・・・私としてはもう“帰ってきた”という感じなんですけど・・・」って。「今日は皆さんと一緒に楽しいライブにしていきたいなと思ってますので、最後までゆっくり楽しんでいってください」って。で、今日のライブではニューアルバムの曲を全曲、アルバムの曲順通りに演奏する、と。で、ここでまず先に演奏した2曲の説明を。
そして・・・「では次に・・・あ、忘れてました。大切なメンバーを紹介したいと思います」って。するとヤヒロさんが「あとでいいよ」って。爆笑です。でもやはりここで、と。「結成11年を迎えました素晴らしいメンバーです」「ベース、グレッグ・リー!」「パーカッション、ヤヒロ・トモヒロ!」って。お客さん大拍手です。

 そして次の曲の解説を。で、はじまった3曲目は「Sunflower」。哀愁ただようピアノの美しいメロディからはじまって、ウインドベルとともにパーカッションがスローテンポのリズムをきざんで、ピアノがうっとりと聴きほれてしまう綺麗なメロディを奏でて、フレットレスベースの味のある音色がそれを支えて。伸びやかなベースソロのあと曲が盛り上がっていってドラマティックに展開していきます。ラストは再びゆったりと静かにFin。曲が終わると大拍手。みゆきさん、深くお辞儀をして、立ち上がってマイクを持って「ありがとうございます」って。そしてここでアルバムタイトルの“Eternal One’s”の説明を。

 4曲目は「Behind The Silence」。ピアノの暗いリフからはじまります。パーカッションはミドルテンポのリズムを刻んで。そしてグレッグさんはベースを裏返しにしてヒザのうえに置いてボディを叩いてヤヒロさんとツインパーカッションです。もちろんすぐに持ち替えてベースでダークなリフを。なんとなく“迫りくる自然の驚異”みたいなスリリングな様相も。パーカッションの激しくパワフルなソロ、そしてベースのテクニカルでパワフルなソロと続いて迫力が増していって、再びピアノのリフをバックにパーカッションの激しいソロが。もう圧倒されちゃいました。

 曲が終わると大拍手。みゆきさん、深くお辞儀をして、そして立ってマイクを持って「ありがとうございました」って。「ここでブレイクタイムです。ニューアルバムの曲は一旦休んで、1stアルバムから“Woman”という曲を」って。この曲はみゆきさんの曲のなかで一番人気の高い曲だそうです。リクエストも多いそうで。「“女性”であることを“誇り”に思いたい」って。いいですねぇ。
 ピアノがリズムを刻みながらメロディを弾いて、そしてピアノとベースがユニゾンのようにメロディを奏でて。ゆったりとしたテンポのおだやかでほのぼのとするような心温まる感じの曲です。女性の優しさやおおらかさを感じますね。そしてリズミカルで爽やかな感じのベースソロが。終盤に向かってだんだん盛り上がっていってドラマティックに展開していきます。曲が終わると大拍手!めっちゃ感動しました。

 続いて前半最後の6曲目も1stアルバムから「Language」。ベースのアップテンポのリフからはじまる明るく爽やかで、しかもリズミカルで楽しい曲。ここではパーカッション大フューチャーです。めっちゃパワフルなソロ、迫力あります。足の木鈴でリズムをとって太鼓を叩きまくって。最高潮に達すると後方のお客さんから「Yeah!」って歓声が。ソロが終わると大拍手!そして盛大にFin。
 曲が終わると大拍手大歓声!みゆきさん、立ち上がって「ベース、グレッグ・リー!」「パーカッション、ヤヒロ・トモヒロ!」って。そしてグレッグさんが「オニタケ・ミユキ!」って。そしてみゆきさん「ではちょっとここで20分間くらい休憩させていただきます。ありがとうございました」って。

 休憩中に自分は売っているCDを見に。鬼武みゆきトリオの1stと 2ndと 3rdアルバム、そしてヤヒロさんのソロアルバムの4枚が販売されてました。最初は3rdアルバムだけ買おうかなって思ってたんですけど、先ほどの1stに収録されている曲がすごくよかったし、ジャケットをみているうちにみんな欲しくなって、結局4枚全部買っちゃいました。ライブ終了後にメンバーがサインしてくれるみたいなんですけど、ちょっと恥ずかしいのでそれは遠慮することに。
 そうそう、今日の皆さんのお衣装は・・・みゆきさんはブラウンのワンピースみたいなスモックに濃いグレーっぽいジーンズ。グレッグさんは黒いTシャツ&ジャージっぽいパンツに野球帽というスポーティなスタイル。ヤヒロさんはグリーンのTシャツにカーキ色のパンツです。

 20分後、客席が暗くなってメンバーがステージに再び登場です。後半最初の7曲目は「Being Alone」。ゆったり落ち着いた感じのムーディなアダルトムードの曲。中盤ではピアノ、そしてベースのエモーショナルなソロを聴かせてくれました。
 続いて8曲目は「Dawn」。ピアノのなめらかで爽やかなフレーズからはじまって、リズミカルなミドルテンポに。まるで晴れた青空のもとで芝生の上をスキップしてるみたいな感覚がしてきます。中盤ではテクニカルでリズミカルなベースソロが。
 さらに続いて9曲目は「Manatee」。ピアノのゆったりとした幻想的なフレーズと、ベースの♪ポォ~ンってハーモニクスみたいな不思議なサウンドが。スローテンポの叙情的な曲です。ブルージーな感じですね。みゆきさんは酔いしれているかのように身体をくねらせるとっても色っぽい弾き方で。中盤ではベースが哀愁ただようメロディを奏でて。そしてだんだん盛り上がっていって激しくパワフルに。ベースは早弾きも織り交ぜて。そしてドラマティックなエンディングを迎えます。曲が終わると大拍手。

 みゆきさん、深くお辞儀をして立ち上がってマイクを持って「ありがとうございます」って。そしてここまでの3曲の解説を。みゆきさんはアルバムジャケットのデザインも自らなさっているそうです。1stから3rdまでやってきて、徐々にデザインの腕があがっているんじゃないかなって。1stはとっても可愛らしくて、2ndはとっても爽やかで可愛くて、ニューアルバムは芸術的な作品ですね。
 ここで今日いらしている、2ndアルバムからみゆきさんの撮影をされているカメラマンの<モリ・ヒデオさん>が紹介されます。モリさん立ち上がってお辞儀を。もちろん皆さん大拍手です。「モリさん、素敵な写真を撮ってくださってありがとうございました!」って。ニューアルバムのジャケットにあたって、ロケ地をイメージするのに、まずはアルバムの曲を全部聴いてもらってアイデアを出していったとか。そして三浦方面の海で早朝4時半くらいに撮影されたそうです。風が強い日で大変だったしうですが、たまたまトンビが一羽ずっと真上を旋回して飛んでいて見事にフレームに納まったようで。みゆきさんは「モリさんが呼んだんじゃないか」って。モリさんはグッドタイミングのトンビに「お前、わかってんじゃん」って言ってたとか。
 そもそものなれそめは、以前の“横濱JAZZプロムナード”のときにみゆきさんは横浜市長と対談をされたそうなんです。そのときの模様を撮影されたのがモリさんだったそうで。で、そのときの写真を気に入ったみゆきさんがモリさんに2ndアルバムから撮影をお願いしたそうです。みゆきさんはポーズをとるのが苦手なんだそうで。でもモリさんは「自然にしてていいよ」って言ってくれたとか。

 MC後の10曲目は「In The Wind」。ピアノのリズミカルなリフからはじまるメロディアスでダイナミックなイメージの曲。中盤ではピアノのエモーショナルなソロや、ベースのテクニカルなソロも。
 続いて11曲目は「I Always Think About You」。ピアノのゆったりとした綺麗なメロディからはじまるのどかで素朴な感じの曲。中盤のピアノソロはホンキートンク調みたいに楽しく。“元気に歩いて行こう”って感じかな。曲が終わると大拍手です。

 ここでみゆきさんはこのバンドのお話を。グレッグさんとヤヒロさんとのこの<鬼武みゆきトリオ>は結成11年だそうです。このお2方と一緒にやってきて良かったって。「私のオリジナル曲を、私の思いを200%くらい理解してくれるし、リズムやアプローチ、アレンジなどいろいろな意見を出してくれる」「レコーディングのときも素晴らしいパフォーマンスを出してくれる」って。そしてお2方に向かって「めぐり合えて良かった。ありがとう」って感謝の言葉をかけて。でもお2方はうつむいたまま。「あの、いま感謝の気持ちを述べたの。」って。お2方ともテレちゃったみたいです。聞いていたこっちもジーンときちゃったもんね。「2人とも意外にシャイなんですよ。いつもすごいしゃべるのに」ってみゆきさん。そしてここでエンジニアの巨匠<モリモト・ヤスオさん>という方にも感謝のお気持ちを語っておられました。「ほんっとにいい音に仕上がりました」って。
 ここで今日販売されているCDの宣伝を。今日買ったものじゃなくても、アルバムを持ってきた方には3人でサインしてくれるって。それともう1枚のヤヒロさんのCDの宣伝も。ヤヒロさんいわく、かな~りマニアックな内容だそうで・・・聴くのが楽しみになってきました。
 次の曲が本編最後の曲のようで、「今日は本当にありがとうございました。3枚目のアルバムが出来ましたので、これから私たち、4枚目のアルバムに向かって歩きはじめようと思います」って。お客さん大拍手です。

 本編ラスト12曲目は「Lemon」。金属系パーカッションのラテン系のアップテンポのリズムからはじまる、カラッと明るくとっても楽しい曲。ピアノソロではみゆきさん、身体全体でリズムをとってノリノリです。続くベースソロもリズミカルでテクニカルでかっくいいっす。ソロが終わると「ベース、グレッグ・リー!」って。大拍手です。続いてはパーカッションソロ。ド迫力のパワフルで激しいソロ、凄いっす。ソロが終わると「パーカッション、ヤヒロ・トモヒロ!」って。もちろん大拍手。

 曲が終わると大拍手大歓声!みゆきさんは立ち上がってメンバーの名前を。「ベース、グレッグ・リー!」「パーカッション、ヤヒロ・トモヒロ!」って。そしてグレッグさんが「オニタケ・ミユキ!」って。大拍手のなか、みゆきさんとグレッグさんは楽屋へ・・・で、お客さんはアンコールを求める手拍子を。それが♪チャッチャッチャ!って3拍子でちょっとビックリ。そういう“お約束”なんですねぇ。勉強になりました。するとまだステージに残っていたヤヒロさんが太鼓を叩いて煽って。するとすぐにみゆきさんはステージに戻って、グレッグさんは客席後方に。

 「ありがとうございます」ってみゆきさん。「こうやって皆さんが応援してくださるからこそ、こうして私達の音楽を聴いてくださる皆様がいるからこそ・・・本当にいつもありがとうございます」って。大拍手です。で、今回アンケート用紙が配られましたが、「皆様からのメッセージを読むのが楽しみです」って。今回のアルバムに関してもいろいろ意見を伺いたいそうで。だからアンケート書いてくださいって。
 ここでボケをかましてくれました。「それでは、アンケートにお応えして・・・あ、アンケートじゃないや、アンコールにお応えして・・・」って。場内爆笑です。お茶目でかわいいにゃ~♪

 アンコール1曲目はピアノソロの曲で「People」。そっかピアノソロ曲だからグレッグさんはステージを離れたんですねぇ。納得。ゆったりとしたテンポのとってもきれいなメロディの美しい曲。優しく、しかも力強く、心癒される曲ですね。うっとりと聴き惚れてしまいました。
 曲が終わると大拍手。「ありがとうございます」って。そしてグレッグさんがステージに戻って。「もう1曲だけ聴いていただけますか?」ってみゆきさん。もちろん1曲でも10曲でも聴かせてほしいっす。「ほんとに今日はありがとうございました。”Dream Train“でお別れします」って。

 はじまったオーラス14曲目は「Dream Train」。ラテンリズムのアップテンポのリズミカルな曲。明るく爽やかでしかも聴いていると雄大な景色が目に浮かんできます。大地を感じる曲かな。とっても人気の高い曲だそうで。たしかに素敵な曲です。中盤ではメロディアスなベースソロも。
 曲が終わると大拍手大歓声!みゆきさんは立ち上がってメンバーの名前を。「ベース、グレッグ・リー!」「パーカッション、ヤヒロ・トモヒロ!」「今日は本当にありがとうございました。ピアノ鬼武みゆきでした」って。

 時計を見ると22時10分過ぎ。前半50分・後半70分のとっても素敵なライブでした。明るく爽やかで心ウキウキするとっても楽しい曲、そしてゆったりおだやかほのぼのするきれいなメロディの心温まる、心癒される曲、素晴らしい曲たっぷりの感動的なライブでした。JAZZって、たいていはテーマとなるフレーズとインプロビゼーションたっぷりの場合がよくありますけど、<鬼武みゆきトリオ>の場合は曲として成立していて、それがまたすっごくいいんですよね。もちろん個々のメンバーのソロも凄いテクの演奏を魅せてくれるし、またそのソロも、曲に沿った、曲に合う、曲のイメージにピッタリで、なおかつ凄いテクもみせてくれるんですよね。
 来月下旬にもまたここでライブがあるようなので、スケジュールが合えばまたぜひ観にきたいっす。