ひよりの音楽自己満足

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Side Steps 1

2008-10-01 06:55:46 | フュージョン
 あちこちのプログレCDレビューサイトを見るなかで、ずっと気になっていたのがこのバンド<SIDE STEPS>です。JAZZ・フュージョン・ロック・プログレなどあらゆる要素を持っていながらも、どのジャンルにもくくれない、独自のサウンドを聴かせてくれるようで。しかもしかも演奏テクもハンパじゃなく、曲構成も繊細で緻密に練り上げられてるようで。
 <SIDE STEPS>。メンバーはギター<田村篤信さん>、キーボード<伊東弘彰さん>、ベース<岩井弘一さん>、ドラムス<府川一郎さん>の4人編成です。1990年4月に田村さんが所属していた某大学フュージョンマニアのOBおよびサークルメンバーのなかから田村さんが各パートの精鋭3人を選出したそうで。で、はやくもこの年の9月には1枚目の自主制作アルバム「SIDE STEPS」の制作にとりかかり、発表し、10月には初のライブも敢行されたそうです。
 翌91年3月に2回目のライブを行い、8月には2枚目の自主制作アルバム「SIDE STEPS 2」を制作し、発表。9月には3回目のライブも。翌92年8月に3枚目の自主制作アルバム「Against The Wave」を制作し、発表。10月に4回目のライブを行ったあと、11月にはJAZZコンベンションにエントリーして1次予選を通過し、12月に行われた本選では“ベストグループ賞”を獲得し、個人では府川さんがドラムスの“準ベストプレーヤー賞”を受賞したそうです。
 翌93年は3月と11月にライブを行って、そして4枚目の自主制作アルバム「Step on Edge」を制作し、発表します。 94年には2月と5月にライブを行ったあと、6月にコンテストに出場して“技能賞”を獲得されたとか。 その後も年に2-3回くらいライブを行い、96年と97年にはそのライブを収録した自主制作アルバムも発表されています。
 メンバー全員が他に本業をもっていて、バンド活動はその合間に行われているために、ライブも年に2-3回がいいところのようですけど、それでも毎年のようにアルバムを発表されるなど、他のプロバンド並みに精力的に活動されているようにも思えます。凄いっす。
 そして97年にこのアルバム「OUT-AND-OUT」の制作にとりかかりますが、なんとこのアルバムがフランスのMUSEAレーベルから世界発売されることに!そしてこれまでの自主制作アルバムも全部発売がきまったそうです。翌98年4月に日本のレーベルからも発売されました。
 アルバム1曲目は「Another Encounter」。幻想的なシンセサウンドからはじまってゆったりとしたエモーショナルなギターフレーズがながれて。そして壮大なサウンドのリフからミドルテンポで爽やかで心地よいメロディを聴かせてくれます。変拍子でテクニカルで、しかもプログレチックにどんどん展開していきます。ギターとキーボードが交互にかっちょいいソロバトルを繰り広げて、聴いていてとっても楽しいですね。ワクワクしてきます。
 2曲目は「Thus The Song Passed Out of Thieir Mind」。きらびやかで綺麗なピアノのフレーズからゆったりとはじまり、そしてそれがパワフルなリフレインにかわり、そしてゆったりとしたエモーショナルなギターソロに。そしてピアノの躍動感あふれるリフレインと共にハードなギターソロへ。そのままベースソロ・キーボードソロ・ドラムソロと続いて、各パートの短いソロが順番に掛け合いのようにつながっていきます。中盤ではそれが落ち着いてゆったりと。伸びやかでしっとりとしたベースソロにピアノがからんで、そしてミドルテンポの優雅でジャジーな雰囲気のピアノソロが。再び盛り上がったあと、ラストは美しいピアノソロでFin。
 3曲目は「Play It Cool!」。いきなりハイテクのベースソロからアップテンポではじまるめっちゃテクニカルな曲。まずは綺麗なピアノソロ。続いてハードなギターソロが。軽快で爽やかな楽しいサウンドを聴かせてくれます。中盤にはめっちゃテクニカルなドラムソロ、続いてめちゃ早チョッパーソロも。
 4曲目は「Go Together」。キーボードの幻想的な雰囲気からゆったりとはじまり、ミドルテンポの綺麗なリフレインが。しっとりとした雰囲気の叙情的な曲です。旅愁をさそうキーボードソロ、そして素朴な感じのベースソロも。終盤のギターソロからパーカッションがはいってテンポアップするも、ラストは再びしっとりとFin。
 5曲目は「Space Forest」。いきなりアップテンポの早いパッセージかはじまるもすぐに静かになって、そして徐々に盛り上がっていきます。爽やかでエモーショナルなギターソロ、そして複雑リズムのリフのあとはテクニカルなキーボードソロが。まるでギターのようなサウンドです。そして再びギターソロをたっぷりと。終盤はヘヴィなギターリフをバックにドラムが叩きまくりです。
 6曲目は「The end of Tears」。ゆったりとしたたおやかなベースのフレーズからはじまります。そしてパワフルなギターがはいって、パワーバラードのような雰囲気に。優しく美しいメロディをキーボードがきらびやかに奏でて、そしてギターもエモーショナルなフレーズを奏でて。そしてベースとユニゾンでそのメロディを。終盤もハードで感動的なメロディをギターが奏でてくれます。ドラマティックな素敵な曲ですね。ラストはピアノの美しいソロでしめて。
 ハイレベルな演奏による、ハイレベルな楽曲群、凄いっす。まさにアルバム帯の通りに“超絶技巧のジャズロック”です。
 アルバムのライナーノーツには田村さんのメジャー発売の決意が書かれており、あくまでもこれまでの活動形態を変えることなく“やりたい音楽をやりたいようにやる”ということを強調されています。メジャー発売されたからといって、商業ベースに迎合することなく、これまでの姿勢を貫き、さらに進化していく方針であることを表明されています。素晴らしい!の一言に尽きますね。