ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

スペース・サーカス 1

2008-05-05 10:14:53 | フュージョン
 70年代後半のわずかな期間に存在し、<CROSSWIND>とともに超絶テクでめちゃめちゃハードなフュージョン系ロックを聴かせてくれた伝説のバンド<スペース・サーカス/Space Circus>。いつかその音源を聴いてみたいと、すでに廃盤となったアルバムを探してみたのですが・・・オークション等中古市場では1万から2万というプレミアがついていて、自分のような貧乏人には到底無理な金額だったんですよね。なのでほとんどあきらめていたんですよね。そんなときにいつものように某通販サイトを見ていたら・・・なんと4月23日にCDが再発される、との記載を見てビックリ!すぐ予約しようかと思ったんですが、某CD店ではおまけにCDBOXが付くというのでそちらで購入することに。いやぁ~、こうして過去の名盤を再発してくれるのはめっちゃ嬉しいっす!高いお金だして中古を買わなくて済むもんね。しかも今回再発されるCDにはボーナストラックもあるようなのでそれも楽しみでした。
 <スペース・サーカス>は、詳しい結成のいきさつとか全く分からないんですけど、今回のライナーノーツによれば、バンドの中心人物であるベーシストの<岡野ハジメさん>は当時、チック・コリア等のコピーバンドをやっていたそうですが、そのバンドのドラマーが辞めてしまったとか。そこで当時<スペース・サーカス>に参加していた友人のドラマー<小川宣一さん>に声を掛けたところ、ちょうど<スペース・サーカス>のほうもベーシストが辞めてしまったので、逆に岡野さんが<スペース・サーカス>に加入することになったとか。それが1976年の秋ころで、そのときバンドはギタリスト<佐野行直さん>とのトリオバンドだったそうです。活動を続けていくうちに3人では音の広がりに限界を感じたために、キーボード奏者の<山際築さん>に加入してもらったとか。バンドは月いちでライブハウスでギグを行い、その類まれなる演奏技術の高さと音楽性ゆえに徐々に人気も高まってきて、いよいよアルバムを制作する話もでてきたそうで。機運も高まりいざスタジオへ!ところが、与えられた時間は極端に少なく、初日に7曲のリズムトラック、2日目にダビング、3日目にミックス、というようなほとんど1テイクでしかも不眠不休のような状態だったようです。途中プロデューサーに少し休みをお願いしたこところ、一喝され、プロとしての心構えを説かれたとか。超低予算で制作されたデビューアルバム。しかしほとんど1テイクだったゆえにスタジオ・ライブ的なサウンドのまじりっけナシの音が楽しめるようです。1978年2月にこのデビューアルバム「Funky Caravan」が発表されます。 アルバム1曲目は「Alibaba」。ミドルテンポの幻想的な雰囲気かと思いきや、高速チョッパー全開のハイテンポジャズロックに。めっちゃ複雑なリズムなんですけど、軽快な感じで心地よいですね。でもよく聴くと凄いことやってますよね。途中ストップしてゆったりと幻想的な雰囲気に。それがまたどんどん盛り上がっていて。再びストップすると今度はピアノの美しいメロディが。それがまた盛り上がっていき、ギターの早弾きソロへ。 2曲目は「Network」。アップテンポですけどちょっと落ち着いた感じのおしゃれなフュージョン。メロディアスなムーグソロ、そしてギターソロも。終盤ではクラシカルなオルガンの調べも。 3曲目は「African Reggae」。ゆったりとしたジャジーなピアノの調べからはじまり、バンドインとともにレゲエ調の落ち着いた感じのトロピカルなフュージョンに。後半のギターソロもさりげなく凄いっす。 4曲目は「Funky Caravan」。ブルージーなヘヴィなギターリフからはじまる、ミドルテンポのグルーヴィな曲。中盤にはメロディアスなギターソロから、そのあとクラシカルな展開に。そして元のグルーヴィなリズムにもどったあと一旦Fin。そして強風の吹き荒れる効果音からテクニカルなジャズロック調に。そしてまた一旦Finしたあと風の効果音からドラムが入ってリズミカルな展開になり、ワウギターソロも。 5曲目は「The Way We Were」。幽玄なベースソロからはじまる、スローテンポのトワイライトって感じの曲。夕暮れの静かな海を見ているかのようなメロディアスなフュージョンです。透明感のあるキーボードソロ、とっても綺麗。スライドギターソロもいい感じですねぇ。 6曲目は「Spring Wave」。楽しいファンキーなリズムからはじまる、ウキウキしてきちゃうような明るい曲ですね。軽やかなキーボードソロ、ドラムソロ、そしてチョッパーソロへ。ギターとキーボード掛け合いがちょこっとあってからギターソロへ。そしてトーキングモジュレーターでのコミカルなサウンドも。 オリジナルアルバムはこの6曲ですが、今回2008年の再発CDではボーナストラックとしてなんと初期のライブ音源が2曲収録されています。しかも76年の11月という岡野さんが加入してまもないころの、まだ山際さんが参加していないトリオ編成のときの明大の教室でのライブ音源という超レアなものです。まずは「Funky Caravan」。生々しいド迫力のサウンド、凄いっす。めっちゃパワフルですね。しかも正確だし。 そして「月への旅」という曲です。シャッフルっぽい6/8のヨコノリのパワフルかつめっちゃテクニカルなハードロック。ベースもドラムもギターもほんと凄ごすぎ!演奏後の拍手が少ないのは納得いかないなぁ。
 超絶テクでしかもド迫力の凄い演奏が堪能できる素晴らしいアルバム、ですが・・・岡野さんはもっと時間を掛けて、先輩バンドである<四人囃子>や<ミカ・バンド>に負けないサウンドのアルバムを発表したかったようで、このことが後にご自身が音楽プロデューサーとなるきっかけとなったようです。

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