ひよりの音楽自己満足

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コスモス・ファクトリー 1st

2010-06-27 15:48:16 | 70's J-プログレ
 以前紹介させていただいた、70年代初期の日本のプログレッシブ・ロックバンド<コスモス・ファクトリー>。今年(2010年)春にずっと廃盤になっていたアルバムが紙ジャケで再発されたんですよね。いい機会なので今度は初期3枚のアルバムの紹介をさせていただこうかと。初めにもう一度バンド紹介を。
 1970年に<サイレンサー>の<泉つとむさん(Key&Vo)>、<水谷ひさしさん(Gr)>のお二人と、<バーンズ>の<滝としかずさん(Bs)>、<岡本和夫さん(Dr)>のお二人の4人編成で結成されました。地元の名古屋で1年ほど活動されたあと上京し、1年間以上ひたすら練習して技術を磨き、作曲活動にも励んで、そしてピンク・フロイドのようなサウンドではあっても、あくまでも歌詞は日本語にこだわる、というスタイルを模索していったそうです。
結成して3年がたった1973年の10月にこの名盤の誉れ高い1stアルバム「トランシルヴァニアの古城」を発表します。ボロボロになったクラシックカー(?)のジャケット、どことなくオカルトっぽくて最初は買うのをためらってしまいました。
 アルバム1曲目は「サウンドトラック1984」。時計の秒針のリズム、キーボードとベースのダークで不気味なサウンドからはじまり、ミドルテンポのミステリアスな雰囲気に。後半にはエモーショナルなギターソロも。
 2曲目は「神話」。ゆったりと劇的でダイナミックにはじまり、オルガンの音色、そしてメロトロンサウンドが響き、しっとりとしたコーラスが。その後パワフルなドラムをバックにギターの哀愁ただよう泣きのメロディがながれ、寂しげなヴォーカルがはいって抒情的に展開していきます。サビではドラマティックに盛り上がって、間奏ではギターのメロウなソロも。
 3曲目は「目覚め」。ピアノのゆったりと美しいリフからはじまって、そこにお琴の音色が加わって、爽やかな感じながらも情緒たっぷりに聴かせてくれます。しっとりとしたヴォーカルがゆったりと幻想的にながれ、それが徐々に力強く盛り上がっていって。
 4曲目は「追憶のファンタジー」。ギターとキーボードのミドルテンポのパワフルでダイナミックなリフからはじまるも、ヴァースはゆったりと静かに。そしてサビでは歌い上げて盛り上がります。間奏ではエモーショナルなギターソロが。この曲もとってもドラマティックですね。
 5曲目は「ポルタガイスト」。ミドルテンポのパワフルなリズムにのってオルガンリフが、変拍子ながらもリズミカルに。そして艶やかなヴォーカルがはいって、ちょっとアヴァンギャルドな雰囲気にも。間奏ではギターのメロウなフレーズのあと、アグレッシブなオルガンソロが。
 6曲目は組曲「トランシルヴァニアの古城」。で、1).死者の叫ぶ森 2).呪われた人々 3).霧界 4).トランシルヴァニアの古城。1部は♪ダーン!とピアノの衝撃的な音、そしてキーボードとベースの暗く重いサウンドが響いて。その後オルガンのミステリアスなリフがながれ、ミドルテンポのパワフルで躍動感のあるリズムがはいって、ギターがエモーショナルなソロを。2部はオルガンのしっとりとした抒情的なフレーズがながれ、シンバルロールとともに盛り上がって、ゆったりとダイナミックなリフが。そしてしっとりとしたヴォーカルがはいって、その後エモーショナルなギターソロが。3部ではミドルテンポの躍動感のあるリズムとヴォーカルがはいってドラマティックに盛り上がり、その後オルガンソロが響きわたって。4部ではオルガンとギターのアグレッシブなソロがアツく展開しますが、一転静かになってメロトロンのミステリアスなサウンドがながれ、そしてしっとりとしたヴォーカルがはいってドラマティックなエンディングへ。ラストは雷鳴が轟く暴風雨のサウンドが響いてFin。
 このアルバムはプログレの王道ともいえるコンセプト・アルバムとなっていて、アルバム全体が暗く重く、それでいてドラマティックで美しくもあります。なかでもこのアルバムのハイライトである4部構成の18分を超える大作「トランシルヴァニアの古城」は“これぞジャパン・プログレ”と言える名曲と高く評価されているようです。

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