ひよりの音楽自己満足

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森園勝敏さん Bad Anima

2009-09-15 07:51:37 | 四人囃子
 日本プログレッシブロックの礎を築いた、ともいえるバンド<四人囃子>。その創始者であり、オリジナルギタリストである<森園勝敏さん>。森園さんは小学校5年生ころにベンチャーズに影響されてロックを聴くようになり、中学のときにエレキはまだ高額だったのでまずフォークギターをバイトして購入し、ひたすら練習されたそうです。そして近所のエレキギターを持ってる人に貸してもらってエレキも練習されたとか。そのうち音楽仲間と知り合ってバンドも始めたそうです。高校になるとそのバンド仲間とは別の高校になってしまったそうですが、その仲間からのちに一緒に<四人囃子>を結成することになるドラマー<岡井大二さん>と知り合って、そこから発展して晴れてバンド結成となったそうです。まずは1973年に映画サントラの「二十歳の地図」、そして74年には「一触即発」を、76年には「ゴールデン・ピクニックス」というプログレ史に残る名盤を発表されます。が、その後脱退し、和田アキラ師匠率いる<PRISM>に参加されます。そして78年に脱退されるまでにアルバムを3枚発表されます。
 今回紹介させていただくのは1978年に発表された森園さん初のソロアルバム「BAD ANIMA」です。タイトルの“ANIMA”とはラテン語で“生命、魂”を意味するそうです。いまでいう“フュージョン”がブームになりつつあるとき、森園さんはこれまでの音楽経験を踏まえて独自のサウンドを追求しはじめた、それがその最初の一歩となるこのアルバム「BAD ANIMA」ですね。参加メンバーはキーボードがPRISMの盟友<久米大作さん><伊藤幸毅さん>、ベースが<秋元良一さん>と<小原礼さん>、ドラムスが<相良宗男さん>と<村上秀一さん>、パーカッションが<マック鈴木さん>、Saxが<白尾泰久さん>と<中村哲さん>、ホーンセクションが<新田一郎さん>と<兼崎順一さん>です。
 アルバム1曲目は「Dear Harvey」。久米さんの作曲だそうです。ミドルテンポのピアノリフからはじまる、ゆったりとした爽やかでほのぼのとするような曲。心地よいギターのナチュラルトーンの音色のなかに時折はいるホーンセクションのパワフルなリフ、絶妙ですね。中盤にはクリスタルな感じのキーボードソロ、そしてトランペットのパワフルなソロも。そしてSaxとギターの掛け合いも。海にプカプカ浮かんでいるかのような心地よい揺れ心地が感じられますね。
 2曲目は「You’ll Stay In My Heart」。イギリスのキーボード奏者ブライアン・オーガーさんが1974年に発表されたアルバムに収録されている曲だそうです。ベースのパワフルなリフからはじまって、ミドルテンポでポップでさわやかなヴォーカルがはいって。ソフトで心地よい曲ですね。間奏ではT・Saxの味わい深い音色のソロが。
 3曲目は「Dark Side Of The Fish/魚の裏側」。リズミカルなピアノリフとベースのフィルからミステリアスな雰囲気ではじまって、ミドルテンポのパワフルでファンキーなリフがはいって。そしてギターの力強いフレーズも。ラテン系の汗がほとばしるかのようなアツくパワフルな曲ですね。終盤にはアグレッシブなギターソロも。
 4曲目は「Midnight Walts」。ゆったりとしたムーディな曲。夕暮れの海辺で寄り添っているカップル、といった光景が目に浮かんできそうです。
 5曲目は「High Tide」。ラテンパーカッションから軽快にはじまってリフとSaxの掛け合いが。ノリノリの心ウキウキしてくるようなリズムで楽しく展開していきます。そのリズムにのってアヴァンギャルドなギターソロ、そして軽やかなキーボードソロ、さらにはパワフルなSaxソロ、華やかなムーグソロと続き、それが繰り返されます。アツいソロバトル、かっくいいっす。中盤ではテンポダウンしてゆったりとムーディな雰囲気になり、ベースソロやエモーショナルな泣きのギターソロも。それが徐々にテクニカルにアグレッシブに。終盤には情熱的なSaxソロも。
 6曲目は「Space Traveller」。ギタリストであるジェイムズ・ヴィンセントさんの曲だそうです。ミドルテンポでアダルティな雰囲気ではじまり、ソフトでムーディなボーカルが。しっとりとした哀愁ただよう素敵な曲ですね。中盤には素朴な音色のアコースティックギターソロも。
 7曲目は「Last Tango In Memphis」。ブッカーT&MG’Sの曲だそうです。ゆったりとした重いベースリフからはじまって、オルガンの味のある音色がたおやかにながれて。中盤にはナチュラルトーンのエモーショナルなギターソロ、続いてムーディばムーグソロも。 
 ときに激しくエネルギッシュに、ときに美しくメロディアスに奏でられる楽曲の数々。ハイレベルな演奏が楽しめ、そして森園さんの“魂”が垣間見える素敵なアルバムですね。

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