ひよりの音楽自己満足

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FREEWILL Never Act

2009-12-30 07:49:43 | 21th J-プログレ
 <FREEWILL>は2002年に結成された京都のインストプログレバンドで、この年8月に4曲入り1stアルバム「frac」が発表されました。当時このアルバムの紹介には“Dream Theater・Rushを愛好するプログレメタルバンド”とか“スリリングなフレーズを弾くキーボードとそこに絡む流麗なギター”などなど紹介されていたそうです。
 そして翌年2003年10月にこの2ndアルバム「Never Act」が発表されました。中央が光輝く幻想的な美しいジャケットです。メンバーはギター&シンセ<Masahiro Lee>、キーボード<Shunsuke Yagi>、ベース<Hisashi Nakao>、ドラムス<Shingo Uchida>、そして今回新たにもう1人のキーボード奏者<Toshio Ueda>が加わり、5人編成になっています。
 アルバム1曲目は「The Entrance」。ゆったりと、そして力強いクラシカルなシンセサウンドが荘厳に響きます。そして後半ではテクノ系電子音がながれて。
 2曲目は「Izanai」。キーボードの透明感のあるミステリアスなリフが響き、そしてアップテンポでヘヴィなギターリフがはいってテクニカルメタル風な曲調に。その後静かになってアヴァンギャルドなギターソロが。暗闇をサウンドが飛び交うような神秘的な感じです。そしてそこに美しいピアノサウンドが加わり、ゆったりと抒情的なギターリフがゆったりとながれて。中盤ではベースリフとギターフィルが神秘的に鳴り響き、そこにドラムとキーボードが加わって、キーボードのエモーショナルなソロが。その後アップテンポのリズムが入って徐々に盛り上がっていき、美しいシンセサウンドのドラマティックな展開に。そしてパワフルなリフが入ってアップテンポでキーボード・ギター・ベースのソロの掛け合いバトルが。終盤はアップテンポのリズムをバックに雄大なメロディがながれ、そして劇的なエンディングへ。
 3曲目は「Fortress」。ダダダダといきなりマシンガンのような激しいリフからはじまって疾走メタルモードに。叩きまくりドラムとギター&キーボードのリフが絡み合ってテクニカルに激しく展開していきます。終盤はフィードバック音が響くなか破壊音が。
 4曲目は「The Almighty God」。神秘的なピアノリフからミステリアスにゆったりとはじまって、そこにギターの抒情的な響きが。メロディアスでしっとりとしたバラードタイプの透明感のある美しい曲です。
 5曲目は「Maelstrom」。幻想的なシンセサウンドからゆったりとした壮大なオーケストラサウンドのリフが荘厳に響き、ドラマティックに展開していきます。とてつもないスケールの大きなに圧倒されちゃいます。その後はスペーシーなサウンドが幻想的に響いて。終盤にはエモーショナルなギターソロが。
 6曲目は「Law」。ドラムと美しいピアノリフからゆったりと優雅にはじまり、そしてギターとベースの叙情的な展開に。綺麗なピアノリフが響いたあと、哀愁たっぷりのギターのフレーズがながれて。ブルージーかつ、しっとりとした美しい曲です。中盤からはアップテンポのリズムがはいって軽やかにロマンティックに、そしてドラマティックに展開していきます。ラストはしっとりとFin。
 7曲目は「Kaff」。テクノ系サウンドのリフから機械的にはじまって、そしてダイナミックなヘヴィサウンドのリフが盛大に鳴り響いて。そしてアップテンポのハードロック調になったり、静かに幻想的に響いたり、緩急織り交ぜ、複雑にテクニカルにアグレッシブに展開していきます。一旦Finしたあとゆったりと神秘的な雰囲気になり、様々な音が空間を浮遊して。そして美しいピアノリフのあと、幻想的なシンセサウンドがゆったりと心地よくたおやかにながれ、そこにギターも加わって抒情的に。それが徐々に盛り上がってドラマティックな展開に。アップテンポになってエモーショナルなギターソロも。終盤再びリズムが止まって幻想的な雰囲気になり、アップテンポのリズムが静かに入って徐々に盛り上がっていって。15分におよぶ大作です。
 8曲目は「Cave」。水滴の音やミステリアスな音の渦が。そして鐘のようなな音がゆったり幻想的に響いて油断していたら、いきなりパワフルなドラムがはいってビックリ。中盤ではうねる電子音や鐘の音が神秘的に響き、不気味な声のような音が。ダークでアヴァンギャルドな感じですね。その後美しいシンセサウンドがゆったりと響いて、パワフルなドラムもはいってドラマティックな展開に。 
 今回はテクニカルな演奏もさることながら、音数よりもむしろ“間”がすごく活きているように感じます。そして音の宇宙的な無限の広がりや底知れる奥行きの深さを感じます。あまりのスケールの大きさに圧倒されますね。真っ暗な部屋で大きめの音量で聴いたら、“宇宙”を感じとれるような、トリップしてしまいそうな気がしますね。美しく力強く心地よく、そして時間が過ぎるのを忘れるくらいに聴き入ってしまって。それほど構成豊かで途中ダレることのない、ドラマティックで素敵なアルバムです。
アルバム発表後はライブ等、精力的に活動されたようですが、2005年7月をもってバンド活動を休止されたそうです。メンバーの八木さんと内田さんはヘヴィロックバンド<六合>で活躍中のようですね。

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