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Asturias  欠落-Missing Piece of My Life

2015-11-19 23:16:20 | 新月・Asturias系
 “日本のマイク・オールドフィールド“と称えられる音楽家<大山曜さん>。1988年に多重録音を駆使したソロプロジェクトのプログレユニット<Asturias/アストゥーリアス>を立ち上げ、アルバムを3枚発表。その高い音楽性は海外からも高い評価を得たものの、1993年に活動停止。その後10年にわたる充電期間をへて、2003年に<Acoustic Asturias>を結成されて、表舞台に復帰されます。
 そして2008年11月、実に15年ぶりとなる<Asturias>のニューアルバム「樹霊-In Search of the Soul Trees」を発表されました。「樹霊」は、2014年に行われたジャパンプログレアルバムの人気投票で、並み居る70年代80年代の名作がひしめく中、21世紀に発表されたアルバムの中でトップとなる第4位にランクインという快挙を成し遂げられました。その後アコアスの2ndアルバム発表、そして新たにロックバンドの<Electric Asturias>を結成され、2枚のアルバムを発表し、ライブ活動も活発に行われ、海外のフェスにも出演されて、その名を轟かせて。そんなお忙しい折に、なんと2015年に7年ぶりとなる多重録音ユニット<マルチアス>のニューアルバムが発表されるとのことで超ビックリ!大山さんの制作意欲に脱帽です。
 2015年10月に発表されたニューアルバム「欠落-Missing Piece of My Life」。前作と同じ構成のジャケットデザインで、今回も大山さんのお父上の大山画伯の原画がデザインされています。大山さんの解説によると、前作のテーマは“森の中をさまよう旅”だったのに対して、今回のテーマは“心の旅”とのことで。詳しくはAsturiasのHPに掲載されていますので、ここでは割愛させていただきます。
 アルバムは前半後半を<Part1><part2>とに分けられていて、まずは<Part1>。
 1曲目は「beginnings起源」。ピアノの音色とコーラスサウンドが暗闇の中に響くかのように静かにしっとりと、暗く冷たくはじまって。そしてピアノのアップテンポのリズミカルなリフがスリリングに展開し、盛り上がって。その後、真夜中の吹雪のような音が響いて。中盤ではパワフルなパーカッションリズムがはいって躍動感たっぷりに。暗いなかでも雪の結晶がキラキラしているような印象が。そしてギターのヘヴィリフがはいってパワフルにダイナミックに盛り上がって。終盤ではピアノのリズミカルなリフからシンセとギターがはいって、力強くダイナミックに盛り上がり、ヴァイオリンがのびやかに奏でて。
 2曲目は「departure門出」。リコーダーのアップテンポのリズミカルなリフからパワフルにはじまって、アコギやヘヴィギターも加わって躍動感たっぷりに、そしてヴァイオリンがのびやかに力強く、リコーダーものびやかに奏でて。聴いていて力がみなぎってくるような、タイトル通りに“さあ行くぞ!”って気合の入るような感じですね。
 3曲目は「sigh道標」。オルガンのアップテンポのリズミカルなリフから、グロッケンの綺麗な音色のリズミカルリフがはいって、ダイナミックリフからキーボードとギターがのびやかかに爽やかに。中盤ではギターのテクニカルな弾きまくりソロ、ピアノの瑞々しく美しいソロが。終盤では静かになって、綺麗な音色のリズミカルなリフからマンドリンのほのぼのしたリフがはいって、その後、華やいだ感じでゆったりと綺麗に。
 4曲目は「journey旅路」。木琴のリズミカルなリフからリコーダーのアップテンポの可愛らしい感じのリズミカルなリフがはいって、ピアノとシンセの音色がゆったりと美しく響いて。そしてリコーダーのリズミカルなリフからギターのヘヴィリフがはいって楽しく盛り上がって。終盤ではギターがのびやかに雄大にドラマティックに奏でて。
 5曲目は「lost喪失」。ピアノリフからケーナのような素朴な音色がのびやかに響き、チェロののびやかな音色がたおやかにながれて。そしてパワフルなワルツリズムがはいって、チェロとヘヴィギターがのびやかにドラマティックに奏でて。ラストはピアノの暗く冷たい音色がしっとりと響いて。
 次は<Part2>。
 6曲目は「alone孤独」。コーラスサウンドが静かに暗く冷たく響いて。そしてアコギがしっとりと切ない哀愁メロディを奏で、メロウにドラマティックに。その後アコギとグロッケンの音色がしっとりと響いて。中盤ではアコギのアップテンポのリズミカルなリフが。終盤ではギターとシンセが哀愁リフを奏でて。
 7曲目は「rebirth再生」。ピアノのアップテンポのテクニカルリフから瑞々しくはじまって、シーケンス風のアップテンポのリズムがはいって、ギターとヴァイオリンがユニゾンでテクニカルなリフをスリリングに。さらにパワフルな叩きまくりドラムからキーボードとギターのテクニカルなリフがはいって、そこからモーグソロへ。中盤ではパワフルなリズムにのってヴァイオリンのリズミカルなリフがスリリングに。さらにハンドクラップ音のリズムもはいって盛り上がって。終盤では静かになるも、躍動感たっぷりのリズミカルリフからパワフルにスリリングに盛り上がって。
 8曲目は「wandering彷徨」。シンセサウンドがしっとりと暗く響き、チェロがのびやかに哀愁メロディを奏でて。そしてストリングスサウンドが加わって切なくもドラマティックに。
 9曲目は「missing piece失われた断片」。ピアノのリズミカルなリフから暗く冷たく始まるも、シンセサウンドが加わって、暗闇が徐々に明るくなっていくかのように盛り上がっていって。そしてリズミカルリフとパワフルドラムからダイナミックなリフがスリリングに。その後ピアノの流麗なリフが綺麗に響き、ヴァイオリンとアゴギが美しくのびやかに奏でて。中盤ではピアノのリズミカルリフからアップテンポのパワフルなタムドラムがはいってスリリングに盛り上がって。終盤ではピアノの流麗なリフからヴァイオリンが美しくたおやかに奏で、コーラスサウンドが美しく響き、ダイナミックなリフからヴァイオリンとギターが力強くのびやかに奏で、ドラマティックに盛り上がって、ラストは劇的にFin。
 10曲目は「resolution決意」。ピアノとシンセのリフが暗く冷たく響き、チェロがストリングスサウンドとともにのびやかに哀愁メロディを奏でて。その後ピアノとアコギのゆったりとしっとりとしたリフからチェロがのびやかに奏でて。終盤ではパワフルなタムドラムがはいって、リズミカルなリフからヘヴィギターがのびやかに奏で、チェロものびやかに奏でて盛り上がって。ラストはミドルテンポのタムドラムの音が響いて。
 前作同様に美しく瑞々しく、繊細かつ力強くドラマティックなサウンドに、暗く冷たい響きが加わってより奥深いサウンドで、前作以上に何度も何度も聴きたくなる、大山さんの意図をとことん追求してみたくなるような、非常に興味深い作品ですね。果てしない旅が続きそうです。
 現在、この「欠落」や前作「樹霊」などのマルチアスの作品をライブで演奏すべく、メンバーを募集中とのことで超ビックリ!どういうバンド編成になるのか、どんなサウンドになるのか、すっごい楽しみです。そしていつかはフルオーケストラで聴けたら嬉しいっす。

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