知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

実際の現場を知らないから?

2023年01月28日 | Weblog
今朝、こんな記事を見つけました。

「障害者は喜んで農園で働いている」はずが…国会がNGを出した障害者雇用〝代行〟ビジネス  大手有名企業を含め800社が利用」

https://news.yahoo.co.jp/articles/5eed47e2f7c7914d41af37685cd05c34d3de8c6f


いわゆる、以前から企業(規模に関係なく)側に、障害者を雇い入れるように、との政府の方針があり、「障害者雇用」という名目で、2.3%の雇用をする義務があります。
それが出来ない場合は、違反金扱いのお金を払うことになるので、特に大企業等は何かしらの方策を考えています。

ただ、問題なのは、障害者を雇い入れる方法で、どうしたらそういった障害者を探せるのか?その後は、どう対応すればいいのか?が分からず、
そこで生まれたのが、その企業の代わりをしてあげよう、という会社が生まれました。

いわゆる、障害者を代わりに雇用するので、その代行の金額を払って下さい、という簡単にいうと、そういう仕組みですね。

実際には、就労継続支援A型では、障害者を勤務させていますし、同様に賃金は少ないですが、B型事業所も存在しています。
さらに、自社で学習し、自社に見合った障害者を雇用して、対応されているところもあります(少ないですが)。

この記事では、まるで、それが障害者をバカにしたような書き方にもなっており、現状やホントの現場をしらない方のかな?と感じました。

確かに、将来的には、記事のように障害者が世間で同じように勤務出来る状況が出来れば、それにこしたことはありません。

しかし、現実はそんな簡単なものではなく、まだまだ障害者自身を理解されていなかったり、その存在自体もよくわかっていない方も多いです。


それで、上記のような会社・事業所ができたのですが、それを否定するのはおかしいと思います。


今、私たちA型B型事業所では、こうした「農園」を主体とした「障害者が働く場」の提供をしてくれる環境があることを
非常に喜ばしいと感じています。

実際に、ハローワークや一般の就労的検索サイトでは、様々な種別の募集が出ていますが、
それを実際に活用し、雇用に居たり、それを長年継続出来ているか?というと、そこは難しいですね。

人間関係に疲れたり、環境が思わしくなかったり・・・で、短期で退職される障害者の方も多く、
そういった方が、結局またA型等に戻って来られる・・・といったパターンも多く見られます。


この「農園」を使ったやり方が、将来的に様々な企業の見本となり、障害者雇用の方法につながっていけば、最初の記事のような見通しも持てるのですが・・・

「農園」に限らず、大都市圏ならば、大企業に代わって、一般的な事務を中心とした業務を用意し、そこで障害者対応の「専門員」が見ながら
仕事を行う・・・といったパターンも徐々に出来ています。

今、変に政府がしゃしゃり出てきて、こうした「農園」を中心に行っている事業をつぶされたら、また逆戻り状態になります。


この方は、何を思ってこうした発言をされたのかは、分かりませんが、
もう少し現実と現場の動きを見てほしいと思います。

コメント
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