三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

スポーツ界の理論武装

2009年12月03日 | 2009年
国民的注目を集めた行政刷新会議の「事業仕分け」は
スポーツ界にもメスを入れるものでした。

これに対して、オリンピックメダリストが
記者会見を開いて異議を申し立てました。

2日付の産経新聞の記事には、こんな記述がありました。  
 
 レスリング女子で五輪2連覇の吉田沙保里(綜合警備保障)は
 「選手は日本を代表するという誇りを持って戦っている。
 安心して戦えるようにしてもらいたい」と懇願した。
 スポーツに取り組む姿勢が欧米より立ち遅れている。
 現場の悲痛な声は政府に届くのか。

選手たちの“悲痛な声”で思い出したのが、
1980年のモスクワオリンピック。
ソ連のアフガニスタン侵攻に反対した米国は、
カーター大統領の一声でオリンピックボイコットを決めました。

東西冷戦の真っ只中。
日本政府は米国に同調してJOCに圧力をかけ、
選手団の派遣を中止しました。

これに対して、日本代表選手たちから
“悲痛な声”があがりました。
レスリングの高田裕司選手が涙で訴える様子が
何度もテレビのニュースで流され、話題になりました。

この時の松平さん(現日本バレーボール協会名誉会長)の
コメントを今でも鮮明に覚えています。

「日本のスポーツ界は理論武装が必要だ」

自分たちの置かれた厳しい環境や
自らの心情を吐露するだけでは
なぜスポーツなのか、
なぜオリンピックなのかを
伝えるには十分ではありません。

仕分け作業では、他にも多くの分野の予算が
削減の対象となりました。

いずれの分野でもオリンピック選手に負けず劣らず
世界を目指して真剣に仕事に取り組み、
努力をしている人たちがいるはずです。

なぜ、スポーツなのか。
なぜ、オリンピックなのか。

これを人々にどのように伝えるのか。
私自身の課題でもあります。

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 三ッ谷 洋子
 株式会社スポーツ21エンタープライズ代表取締役
 法政大学スポーツ健康学部教授
 スポーツビジネスコンサルタント
 スポーツビジネスプロデューサー
 地域づくりアドバイザー
 WSFジャパン(女性スポーツ財団日本支部代表

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