夕刊/金田ヒサ

THE RAMBLINGSのフロントマンが贈る漂流記

追憶

2013-02-22 | Weblog
某日、俺がハナタレ小僧だった頃から知っている

ご婦人が会いたがってると訊き訪ねて行った。

彼女は親父の友人夫婦で残念ながら子宝に恵まれなかった。

俺が遊びに行くと自分の子供のように可愛がってくれたものだ。

小中高と入学する度に御祝いを届けてに来てくれてね。

熊本に行く時には母親よりガッカリしてたもんな。

ま、語りだすとキリがないくらいだ。

そんな彼女も今や齢80を越えて随分小さく見えた。

ご主人は早くに亡くなっているのでずっと1人暮らし。

ここ数年の俺は余裕がなく世話になった人に不義理をしてきた。

間に合って良かった。

あれだけ力強いハグが出来ればまだまだ大丈夫だな。

来月は一緒に寿司をつまみに行く約束をして帰路についた。

帰り道に思い出してた。

サイドボードの上に飾ってあった写真を見て

思わず鼻がツンときちまいましたよ。

確か一度だけ一緒に行った遊園地。

すっかり色やけしたカラー写真の中には

花壇の前で眩しそうな顔をしてる俺が立っていた。
コメント (2)
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