夕刊/金田ヒサ

THE RAMBLINGSのフロントマンが贈る漂流記

何かたりない

2009-11-23 | Weblog
熊本時代に「何かたりない」という

フェイク・ブルースを書いた。(12小節の定番ネタ)

確か福生UZUで演らせてもらっている頃までは

ランブリングスのメニューに入っていた曲だ。

ある日を境に俺達はこの曲を全く演らなくなった。

重いだけのノリとか曲のフェイクぶりが鼻についたし

俺が歌詞を唄いたくなくなったのが大きな理由だった。

歌詞と言っても「何かたりない」と唄っているだけで

他人様の前で大声でボヤいているような気分になったからだ。

数日前に紹介した早川義夫のラブゼネレーションにも

偶然こんな一節があるので紹介しよう。

「足りない足りないとやたらぼやきが多いけれど

ほんとうは足りないんではなくて、よけいなものが多いのだ。」

当時の俺のボヤき感覚に対しての答えのようである。

若い頃は余計なモノが多いという発想はなかったし

言葉の奥行きや裏側を捉える力がなかったんだろう。

気付いているといないでは曲の解釈は異なる。

今なら新たな「何か足りない」が唄えるかも知れない。
コメント (5)
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