soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
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ヤプログから引っ越してきました。

「沖で待つ」ここに文学は感じられるか、心の内に聞いてみる

2006-02-27 23:55:39 | 読書の時間
「沖で待つ」★★★☆
絲山秋子著、108ページ、1000円

最新の芥川賞受賞作

普段は海外ミステリーに
うつつを抜かしているが
時代の空気をたまには
感じたくて
芥川、直木賞はとりあえずチェック。

「総合職の女性と男性の
恋愛感情でない
男女の同僚としての仲」
このあたりがよく、
この本の紹介に記してあり
そのくらいを頭に入れて読んだ。

コーヒーを入れて
一時間もしないうちに読み終える。

なんだか言い訳するみたいな言葉が
いくつもいくつも思い浮かぶ。
何気ない日常の中の出来事を
違和感なく描いている、
明らかに冒頭と中盤とラストに
文章の対象のズレがありながら
ちゃんと破綻なく読みきれてしまう 等々。

だけど知っている、ホントは
この作品には「文学を感じられない」と
感じていることを。
でも高い評価を得た作品のどこかに
それでも「何か」があるはずと思っていることを。

そして翌日再度読み返す。
けれど心が震えるような「何か」や
文学のこれからの方向の切っ先のようなものを
この本からは感じられなかったことは事実。

すごく読みやすく、へんな飾りつくした言葉もなく
とても悪いところは見つからないが
裏を返せば「何も感じなかった」ということだ。

学生の頃を思い出す。
自分がこのような感想を持つと、「それは違うと」
その作品の良い点をいくつも挙げて
なんとか「良い作品だね」と分ってもらおうと
努力してくれた友人を。

今はそんな人はいない。
自分の考えを持つということは素晴らしい
けれど何故かどこか淋しい
自分の心が硬くなって受け入れられなくなったのだろうか。

しかし分っていることがある。
好きなものとそうでないもの。
大方の評価は一応気にしつつ
やはり自分の言葉で書くしかないのだ。

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★はっきりした感想を書いてないが、読後感はさわやかで
本読みのひとりとして、他の人にもススメたい。
ただ、「芥川賞」という大きな勲章には似合わない。
もっと抜き出て特別であってもらいたいのだ。