散策タイトルが「森の年越しって」です。なんじゃこりゃ??と言うようなタイトルですね。処が森でも、餅つきなどはしませんがそれなりに冬を越す準備に入っているんですよ。
「落ちない、離れない、放さない」
普通の落葉樹は秋に葉を落として冬を越しますが、コナラは枯れた葉を次の春の新芽が開くころまで付けています。春先に新芽が出来てようやく落ち始めます。コナラは1960年頃までは里山の代表樹種で薪や炭などに利用されていました。火力が安定していてススの出が少ないので現在は薪ストーブ、ピザ窯などに重宝されています。樹液はカブト虫、クワガタなど昆虫のご馳走で、またドングリは熊、ネズミ、リス、等の哺乳類からカケス、アカゲラ等の鳥類迄、多くの生き物が利用しています。
「これで安心、年越しだ」
これはアベマキのドングリです、2年をかけてドングリになり更に秋のうちに根を地中に伸ばして春を待ちます。建築材、器具材、薪炭材、椎茸のほだ木、樹皮は第二次世界大戦前後、不足したコルクの代用にも使われました。こちらも里山の代表樹種です。
「え~い、この紋所が目に入らぬか!!」
朽ちている部分の樹皮を少し剥がしたら、背中のハートの文様が可愛いエサキモンキツノカメムシが年越しに入った所でした。きっとこんな文句を言っていたでしょうね・・・「え~い、この紋所が目に入らぬか!!」っと。眠気を覚まさせてごめんなさい、「はは~大変失礼しました、申し訳ございません」と平身低頭するしかないですね・・・
「いい香りです」
散策路を一面に埋め尽くすタカノツメの落ち葉です。しっとりと水分を含みとてもよい香りを発していました。全員胸いっぱい良い香りを吸い込んでいます。今日参加の皆さんは香りを楽しむことが出来ましたが、このブログをご覧の皆さんも現場でこの幸せ感を是非味わって下さい。
参加者の詠まれた一句 「落ち葉して 布団敷けり 雑木山」
「ルビーの輝き」
草の様に見えるフユイチゴですが木イチゴです。百年公園でも沢山自生しています。冬に赤く熟すのが名前の由来です。赤く美しく輝いている姿は筆舌に尽くしがたいです・・・自然は素晴らしい!!
「フユイチゴ試食」
この散策路はフユイチゴが多く自生しています。今年はこの冬イチゴの当たり年かも知れません?赤く色ずいた冬イチゴが鈴なりでした。今が食べ頃、甘酸っぱい味は子供の頃を思い出させる私の味覚です。しゃがんで皆さん一粒ずつ味見でした。参加者の方が詠まれた俳句です。「山道に かがむジジババ 冬いちご」
前夜からの雨もやみ青空の下、今年最後の百年公園ワンコイン散策会でした。今年は雨で中止する場合が多く、今年最後の散策会を開催出来た事がとても嬉しいです。来年1月はお休みですが2月からまた再開します。スタッフ一同再開できる日をお待ちしています。これから益々寒さが増していきます。お身体ご自愛のほど良いお年をお迎えください。