思惟石

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『国宝』 最高オブ最高の小説

2023-03-06 18:00:30 | 日記
『国宝』吉田修一

戦後の長崎から始まり、バブル期の東京へ。
極道の家の「ぼん」から梨園の跡取り、
そして稀代の立役者へ。

主人公・喜久雄の一代記。

語りが狂言回し風というのか、
上質な講談や噺家の語りを聞いているような
独特な文体。
読んでいて気持ちいい、素晴らしい小説。

吉田修一すごいわあ〜。

梨園の「ぼん」である俊介との出会いからの青春編、
人生にとって素晴らしい数年間だよなあ。

と感動してからの別離、泣ける。

極道時代から兄代わりで世話をしてくれる
徳次の存在も素晴らしい。
小指を詰めたシーンの胸熱っぷり!!兄さん!!!

そして誰もいなくなった円熟期も涙無しには読めないし、
もう、ぜんぶすごい。
吉田修一すごい。

未読の『怒り』も読む!
『続 横道世之介』も読む!
(『横道世之介』は読んだ!!)

ちなみに表紙の写真は森山大道、
丹波屋の家紋デザインは束芋。豪華!
コメント
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