思惟石

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【読書メモ】2011年6月 ③ 二笑亭を知ってますか?

2019-10-11 14:02:56 | 【読書メモ】2011年
<読書メモ 2011年6月 ③>
カッコ内は、2019年現在の補足コメントです。

『二笑亭綺譚』式場 隆三郎
式場先生はゴッホを日本に紹介したり、山下清を見出したりした
精神病理学と芸術の関係に興味を持っていた人。

(<二笑亭>は、深川に実在した奇想天外建築です。
 その記録が、式場隆三郎『二笑亭綺譚』(1939)ですが、
 現在手に入るのは、藤森照信、赤瀬川源平らによって
 再構成された『定本 二笑亭綺譚』か『二笑亭綺譚―50年目の再訪記』です。
 私が読んだのは、「定本」だったはず(手元に無いけど…)。
 「定本」も「50年目」も絶版中っぽいですね。

 <二笑亭>は、シュヴァルの理想宮と同様で
 とある個人の異様な情熱と執着による怪建築です。

 深川の地主である渡辺金蔵氏が
 関東大震災後に、自ら大工に指示を出しながらつくった個人宅。
 これ系の建築のセオリー通り、
 手さぐり&試行錯誤&手作り(エンドレスループ)で
 竣工までにめちゃくちゃ時間がかかります。
 というか、永遠に竣工しないんじゃ…的なやつ。

 さらに、こちらはシュヴァルと異なり、
 呆れて別居していた家族に
 病院へ強制入院させられ、強制終了。
 その後、さくさくっと取り壊されてしまいます。
 「これはオモシロ建築だぞ!」と嗅ぎ付けた
 式場隆三郎によって撮影&調査資料が残っているのが奇跡!
 ありがとう式場先生!!)
コメント
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