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思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

【読書メモ】2013年9月

2020-08-19 16:30:48 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年9月>
義祖母が亡くなりまして。
茶道の先生をやっていた風流な人でした。
遺品の蔵書…というほどでもない処分予定の文庫本を
いくつかいただいた次第。
内田康夫<浅見光彦シリーズ>なぜか3冊だけ、
佐伯泰英<鎌倉河岸捕物控シリーズ>刊行全作、
それから利休にまつわる名作(『秀吉と利休』『本覚坊遺文』
『千利休―無言の前衛』です。セイゴオ先生が言う利休名作3冊
それと知らぬ間に我が家の本棚にコンプしてた…)と、
俳句や植物に関する新書、数冊。
軽めのものから読み始めた結果、利休3作が
長らく積読になる結果に。ちゃんと読まなくちゃ…。
以下、当時の感想メモ。


『日光殺人事件』内田康夫
ダイイングメッセージはなんなのか~的な話。
ひいおばあちゃんが遺した浅見シリーズ3冊は
全部、短歌がテーマのものでしたね。


『鎌倉河岸捕物控 橘花の仇』佐伯泰英
一冊につき大きな事件が一件あり、
その途上で小さな事件を章立てで解決するグランドホテル方式。
一巻は正直イマイチだなあと思った。
あと、田楽ばっかり食ってるなあ、と。


『鎌倉河岸捕物控 政次、奔る』佐伯泰英
あれ?主役って亮吉じゃなかったの?


『鎌倉河岸捕物控 御金座破り』佐伯泰英
亮吉は家出しすぎ!
田楽の他の食べ物も出てきた。でも田楽ですぎ!


『鎌倉河岸捕物控 暴れ彦四郎』佐伯泰英
しほの画力があがりすぎ〜。
文句ばかりだけど、だいぶ面白く読めるようになってきた。


『家守綺譚』梨木香歩
久しぶりの再読。
四季折々の植物で短い章立てがされていて、読んでいて気持ちいい。
もっと周囲に目を向けないとなあと思う。
大好きだ。
『村田エフェンディ滞土録』もそろそろ再読したいな。
続編『冬虫夏草』も刊行予定とのこと。楽しみ。

【読書メモ】2013年8月

2020-08-17 13:45:10 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年8月>


『プリズンホテル4 春』浅田次郎
再読。きちんとシリーズの順番通りに読むと
やっぱりおもしろいな、と反省。


『ブラジル蝶の謎』有栖川有栖
(ちょっとネタバレっぽい感想です)
「鍵」の話し、冗談半分で「貞淑を強制するアレかな?
そこまでバカな話じゃないか〜」
と思ったら本当にそうだった。脱力した。


『よろず春夏冬中』長野まゆみ
最初のストーリーは幻想的で良かったんだけど、
段々耽美になっていき、ついていけなくなった。
というか、いまいち理解できない話しが多かった…。


『リア王密室に死す』梶龍雄
これはおもしろかった!!
三高の文化とか、森見登美彦の描く京大に通じるもの(?)が
あって楽しめた。
『海を見ないで陸を見よう』より断然いい!


『堪忍箱』宮部みゆき
堪忍箱を開けずに火をつけるのが理解できなかった。
そこまで追い詰められてないだろうし悩んでない気がするんだが。
短編だからかなあ。


『おしまいのデート』瀬尾まいこ
デートと食がテーマの短編集。
どれもいい!!
ランクアップ丼の、父の死を伝えに来た娘さんが
いいおばさんで、ジンときた。


『マムシのanan』リリー・フランキー
エッセー


『珍品堂主人』井伏鱒二
久しぶりに読んだら、すごく良かった。
こんな風に生きたいなあと思わせられる。
ムリだけど。飄々とした物語。


『白鳥殺人事件』内田康夫
ダイイングメッセージがわかりやすすぎて、
「さっさと気づけ!!」と思ってしまう。
グリコ事件をほぼ忠実にトレースしているらしいが、
犯人グループの動機とその後の暴走に説得力がないような。
というか、浅見光彦のことがあまり好きになれない…。


『坊ちゃん殺人事件』内田康夫
夏目漱石「坊ちゃん」の本歌取り。
浅見光彦の一人称。
そういえば「坊ちゃん」読んでないなあ・・・。


『朱色の研究』有栖川有栖
短編よりおもしろかったです。
高級マンションなのに80世帯中10世帯しか入居してない
幽霊マンションが他人事でなく怖い。

【読書メモ】2013年7月 ⑤ その他

2020-08-06 10:51:17 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年7月⑤>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。


『ウサギ料理は殺しの味』ピエール・シニアック
風が吹けば桶屋が儲かる的な話。
ミステリーではなく、コミカル小説ではなかろうか。

(フランス・ミステリらしいブラック・ユーモアたっぷりの小説。
 だそうです。
 フランス人のセンスはいまいちわかりませんが、
 だいぶスローなペースで「風が〜吹けば〜桶屋が〜〜〜」
 って感じの話しが続きます。
 個人的には、短編でいい内容)


『プリズンホテル2 秋』浅田次郎
愛人お清の娘との話。
ひとりで幕張まで行ってミッキー買って上野に戻るって、
すごい行動力の6歳児だと思った。

(浅田次郎の作品ではプリズンホテルが一番好きだし、
 プリズンホテルの中ではやっぱり夏(第1作)が一等好きだ。
 とはいえ4冊ぜんぶオススメ!
 夏秋冬春の正しい順番で読むのがオススメ!!!
 (私は混沌とした順番で読んでしまったけど…!!))


『奇想、天を動かす』島田荘司
日本人によって人生を翻弄された外国人の話し、
という骨格が見えたときに、すごいところに切り込んだなと思った。
考えさせられる。
呂老人のその後がとても気になる。

(本格ミステリと社会派ミステリの融合作と言われたりしてます。
 平成初期から始まり、30年以上昔の事件が現れ
 謎が謎を呼びまくる(5個くらい?多いな!!!)、
 壮大なスケールのお話しです。
 一冊で満腹になれること請け合い!!!
 お買い得!!!

 ついでに言うと、こちらのネタも金◯一少年にパクられてます…。
 10代の頃はワクワクして読んだ漫画なんだけどなあ。
 この歳になって、こんなカタチでがっかりさせられるとは思わなかったよ…。

 あと様々なマンガで頻出するネタの「粉塵爆発」も出ます。
 こちらが元祖とは言わないけど、相当初期なんじゃないかな)

【読書メモ】2013年7月 ④ 好きな作家のエッセイを読む

2020-08-05 11:01:36 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年7月④>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。


『ありがとう、さようなら』瀬尾まいこ
まだ教師時代のエッセイ。
Sくん、とか、Tくん、とか、生徒のエピソードが結構あって、
大丈夫かと余計なこと思ったり。
いい先生だなあ。と思った。

(瀬尾まいこさんは小説も好きだけど、
 エッセイも好きです。
 物の見方がまっすぐ、というわけではないけれど、
 その事象にまっすぐ向き合ってはくれる人だな、と。
 見習いたい)


『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』村上春樹
ちょうどいい自分と思えることとか、
オキーフがドール社にハワイに呼ばれたのに
パイナップルの画を一枚も描かなかったとか、
おいしいカクテルをつくるには才能が必要だと小説に書いたら
リアリティが無いと批評されたとか、
とてもおもしろかった。

(村上春樹氏も小説は全部読んでいますし好きですが、
 エッセイもやっぱり好きです。
 特にこの「村上ラヂオ」シリーズが好き。大好き。
 『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』でも書きましたが
 私が一攫千金を当てたら大橋歩のエッチングを買います!
 真面目に貯金した方が早いかもしれないけど、
 こういう夢を持つのは大事だと思うから!)

【読書メモ】2013年7月 ③ 梶龍雄って知ってます?

2020-08-04 09:39:03 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年7月③>
梶龍雄。
戦後のミステリ作家。
『透明な季節』で第23回江戸川乱歩賞(1977)を受賞し、
本格推理小説の作家としてのキャリアが始まります。
戦前戦後の旧制高校にまつわる設定や登場人物が多数。
(1928年生まれだから、ご自身の経験が反映されているんじゃないかな)

旧制高校の自由な校風と文化、
学力があるはずなのになかなかのドンくささを持つ
思春期男子のどうしょもなさと、
そんなどうしょもない男子たちの独りよがりっつうかなんつうか、
な恋心がめちゃくちゃ良い感じです。
ほめてますよ!
ちゃんと本格ミステリもしてます。

良い感じなんですけど、ほぼほぼ絶版なんですよね…。
現代で読んでも面白いと思うんだけどなあ。

ちなみにこういう絶版系は図書館が強いはずなんですが、
意外と蔵書が少ないんですよ。
うちの近所だけか?海もない名物もない、蔵書もないのか!?
みんな、梶龍雄のこと、もうちょっと思い出して!!!
思い出すも何も、知らない人が圧倒的多数だと思うけど!!!

そんな梶龍雄を読んだ7年前のメモが以下。


『龍神池の小さな死体』梶龍雄
戦後活躍した本格派の作家。
の割に、知名度低いらしい。おもしろかった!!
全共闘時代の大学教授が主人公という設定も、今読んでも分かる。
30代はさすがに若いと思ったけど。
絶版らしい。惜しいなあ。


『海を見ないで陸を見よう』梶龍雄
前半の青春回顧がめんどくさいなーと思っていたけれど、
最終的なすべてのヒントを回収して
着地が気持ち良かったので良しとする!
探偵役がこいつかよ!という人なのも、良くも悪くも意外で、
面白かった!