もう20年以上、「少子」の現状と向き合いながら暮らしています。
日本全体で年間81万人、
日本全体で年間81万人、
阪南市では、昨年は約200人(1学年3クラスの小学校が2校でいい数)という出生数です。
私は、
国が「少子化対策」として「エンゼルプラン」を打ち出したころから、
子どもたちの育ちに関わる団体の代表として、
市の審議会などに関わってきました。
そんな場でいつも感じていたのは、
「そんなことじゃないのにな」ということでした。
「少子化対策」は、いつも「子育て支援」=「親(家庭)支援」としかとらえられず、
子どもを産んだあとの短い期間の対応でしかなく、
まず「こんな家庭を作りたい」「子どもを育てたい」気持ちになれるような環境づくりには、
全く目が向けられていません。
「子どもを産む」前に、
まず「手が届く幸せそうな家庭」のロールモデルがいない現実があります。
30年以上前くらいなら、
たとえば両親の仲は悪くても、
おじさん夫婦やおばさん夫婦、
いとこのおにいさん、おねえさん、
近所の仲のいい子の親、など、
周りに「幸せそうだなあ」と感じるような夫婦やカップルがいて、
自分もいつかは、そんな人と出会って、
「家庭」を持つのかなぁという漠然とした未来を妄想できたわけです。
それが、核家族化により、
妄想の機会もなく、
結婚に関する情報の詰まった雑誌は、
「That's the 結婚」として、
婚約指輪や結婚指輪、結婚式の相場を記事にし、
「お金を貯めないと結婚できない」イメージを植え付けてしまっているように感じます。
さらに、育児雑誌では、
子どもにかかるお金をどんどん高く見積もり、
「子育てにはお金がかかる」アピール。
「入るお金は同じだから、少なく産んで、一人に十分な教育を」的な内容になっていないだろうか。
しかも、
それに同調するように、
「塾代補助」「学習支援」のような的はずれな施策が生まれてくる。
個別の支援ではなく、
公教育にお金を使っていくことこそ、
すべての子どもの学力向上につながるはずなのに。
せめて、
自分の住む街では、
「『少子』に向かう下降線の傾斜を緩やかにしていくこと」に真剣に取り組みたい。
共感できる仲間と、
まずは市民ができることを地道に実行していきたいと思います。