うてん通の可笑白草紙

江戸時代。日本語にはこんな素敵な表現が合った。知らなかった言葉や切ない思いが満載の時代小説です。

道楽息子~鶴亀屋繁盛記~

2012年06月15日 | 和田はつ子
 2009年11月発行

 神田相生町で人探し業を営む鶴亀屋。主の竹蔵は元は貧乏旗本の次男坊。町家に婿入りしたが、商いが立ち行かなくなり商売替えをしたのだ。
 そして放蕩が過ぎ三十を前に隠居させられた大身旗本の嫡男、鶴川梅太郎と二人、人探し業に奔走する。シリーズ第6弾。

第一話 道楽息子
第二話 横綱相撲
第三話 冬の花火 計3編の中編集

主要登場人物(レギュラー)
 竹蔵(竹之助)...神田相生町人探し業鶴亀屋の主
 鶴川梅太郎...旗本家の嫡男、隠居
 まつ恵...竹蔵の妻
 きり乃...竹蔵の娘
 陽平...新材木町口入れ屋駒黒屋の主
 おもん...駒黒屋の使用人、簪売り
 田崎杉右衛門...鶴川家用人
 筒井弥平次...南町奉行所同心

第一話 道楽息子
 手習い師匠の鯉太郎が、忽然を姿を消した。鯉太郎の実家である、米問屋福知屋から依頼を受けた竹蔵と梅太郎。鯉太郎の塒に赴くと、火鉢の灰の中に、掏ったと思われる数多雑種の紙入れが隠されていた。
 おっっとりとした鯉太郎の、如何にも大店の若旦那風が、如実に現れている。

主要登場人物
 鯉太郎...克己塾の手習いの師匠、米問屋福地屋の総領息子
 年兵衛...福地屋の主、鯉太郎の父親
 ふく...鯉太郎の母親
 中島伊織...克己塾の塾頭
 勇吉...克己塾の生徒
 おなお...勇吉の姉
 矢吉...勇吉、おなおの父親

第二話 横綱相撲
 勧進相撲の結びの一番を前に、大関の白虎山が行方知れずとなった。取組前に薩摩の侍が白虎山を訪ったと言うが…。竹蔵と梅太郎は、調べを進めるうちに、悲しい現実に行き当たる。
 正に、男の中の男、スーパーヒーローの白虎山の潔さが魅力。

主要登場人物
 白虎山龍右衛門...大関
 松風...白虎山の弟弟子
 おとく...白虎山の母親
 寛太...白虎山の兄
 おち与...寛太の女房
 
第三話 冬の花火
 駒黒屋を訪った帰りに、竹蔵の妻まつ恵が攫われた。どうやら駒黒屋の内儀と間違えられたようである。駒黒屋に恨みを抱く男は、人質を取って立て籠り…。
 梅太郎の活躍が見物。

主要登場人物
 良助...口入屋駒黒屋の大番頭
 華兵衛...花火職人
 作太郎...華兵衛の手下

 全体に、生まれも気質も違い、更にはその策もそれぞれだが、登場人物の男気を示し、言うなれば芯の通った男たちを描いている。
 優しさや思いやりとはを考えさせれる作品である。
 竹蔵と梅太郎コンビの設定も新しい。
 


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