山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

ツルボ(蔓穂)

2009-08-13 22:28:36 | 単子葉類

ツルボ<ユリ科 ツルボ属>

この花の良さは、いかにも野草らしい素朴さでしょう。優しい薄紫色の花は、さほど人の目を引く

ものではありませんが、どことなく上品な雰囲気を持った花です。

「つるぼ」という愛嬌のある響きを持った呼び名は漢字で書くと「蔓穂」となりますが、

これは単なる当て字、名前の由来はよく分かりません。

一説によると、鱗茎の皮を剥くとツルッとしているところから「ツルボウズ」、これを縮めて「ツルボ」に

なったとも言われています。

鱗茎にはデンプンが多く、古くは飢饉時の農民の非常食とされていたようで、水に晒したものを煮て食べたり、

粉にしたもので餅を作ったりしたそうです。

さりげなく咲く野の花にも、

このような封建時代の貧しい農民たちの生活史が秘められているというのは妙味深いところです。



穂状の花序には萼や花弁はなく、両方を兼ね備えた花被片が6個と雄蕊が6個、それに雌蕊があります。
このような特徴はユリ科に共通するもので、形状は同じユリ科のノギランなどとよく似ています。

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