樹林帯の登山道を、小さな花を探しながら登っていると、樹林帯を抜けるあたりで突然こんな花に
出くわすと、その大きさに圧倒されてしまいます。
何故かと申しますと、花の大きさそのものは径6~7㌢なのですが、その周囲から放射状に
輪生する葉が、まるで花の一部であるかのような錯覚を覚えさせるからです。
この白い花はこの後、わずかに淡紅色を帯びるようになり、終わりには淡緑色へと変わって
いきます。 和名は「衣笠草」で、衣笠は昔、高貴な人にさしかけた布製の日傘のことです。
キヌガサソウ <ユリ科 ツクバネソウ属> 多年草
ツクバネソウ科では、我国で最大の種類です。 参考のためこの画像の下に、ツクバネソウの
一般的な大きさのものを掲載させて頂きましたが、それと比べてみると、このキヌガサソウが
いかに大きいものであるかがお判りいただけるかと思います。
(参考画像)
クルマバツクバネソウ
輪生する葉は長さ7~12㌢、幅1~4㌢、これに対してキヌガサソウの葉は、
長さ20~30㌢幅は5~8㌢にもなります。
このところアップされる花を興味深く拝見しています^^
私は結構山野草を見ている方だと思いますが、それでも今日の花は名前を知るのも初めてです。
まるで緑の花の中にもう一つ花があるようですね。
この形になったのはちゃんと合理的な意味があるのでしょうが、優雅な形に驚きます^^
本当に自然は面白いですね。
キヌガサソウの花は、中心に近い葉が花期が近付くと花に化けるんですよ。
遺伝子の働きで、雌蕊の位置にある葉は雌蕊に、雄蕊の位置にあるものは雄蕊に変化します。
面白いのは花弁に見えている外花被片で、種を造るまでは白い花弁のような姿ですが
種ができる頃には緑色の葉に戻っていきます。
遺伝子の持つ魔法のような力は凄いですね。