別に何らかの意図があってUPした訳じゃありませんが、暦を見ると次の日曜日はもう彼岸の入り・・・
近くの木津川に注ぐ小川の畔にヒガンバナが咲き始めました。
当然のように「だから”ヒガンバナ”なんだろう」って言われそうですが
何事が起ころうが秋の彼岸が近づくと、まるで人の営みを知るかの如く咲き始める花・・・
土葬が行われていた古い時代には、亡くなった人が様々の苦しみから解き放たれ
辿りつく彼の岸の理想世界(彼岸)に咲く天上の花として
墓地に植えられることも多かったようです。
別名で死人花(しびとばな)とか、地獄花(じごくばな)とか呼ばれて忌み嫌われることがあるのも
そんな風習と、この花の神秘的な生態によるものでしょうか?
この花が敬遠されてきたことの、もう一つの理由として、リコリンやガランタミンなどの有毒な
植物アルカロイドを多量に含む有毒植物であることがあげられます。
もちろん、これらを食した場合、下痢や腹痛などの中毒を引き起こすことは避けられませんが
有毒成分の内、ガランタミンはアルツハイマー病の治療に効果が認められています。
さて、この花に関するタブーも時代と共に、払拭されつつあるようです。
日本全国に広く自生するヒガンバナは、園芸上の呼び名はリコリス・ラジアーターですが
今では花本来の美しさが見直され、改良された園芸種では、ピンクやオレンジ色を
したもの、花弁が複雑に縮れたものなど、様々の色や形の園芸種が作出され市販されています。
リコリスの名は、自生種を含めたヒガンバナ科ヒガンバナ属の総称として使われています。
ヒガンバナ <ヒガンバナ科 ヒガンバナ属> 多年草
一般的に人里に近く、農地などの水的条件が恵まれた場所での生育が目立っています。
利用目的は判りませんが、古い時代に中国から渡来して栽培され始めたものと考えられます。
8月下旬頃、鱗茎から花茎を出し、秋の彼岸の頃(9月中旬~下旬)に赤色の花を輪状に咲かせます。
花後は線形の葉を広げます。