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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

油そばの元祖とされる大衆酒場 国立『三幸』

2020年09月07日 | 居酒屋・バー

「スープがないから塩分もカロリーもオフ」、という真偽不明な説を信じ、
麺喰いの私がラーメンと同様に愛し続けている油そば
拙ブログでも、狛江『ぼっけもん』の巨大なチャーシューが鎮座する「ぼっけもん白い油そば」や、


東小金井『くじら食堂』の具だくさんすぎる「特製油そば」、


その名もズバリ、桜上水『あぶら~亭』の「あぶら~麺+味玉」などを紹介してきた。


汁なし麺、和え麺などを含む、油そばの発祥とされる店はふたつあり、ひとつが武蔵境の『珍珍亭』、
そしてもうひとつが、今回紹介する国立の『三幸』である。
開業は珍珍亭の1954(昭和29)年に対し、三幸は2年早い1952(昭和27)年。
当初から「油そば」いう名称を用いていたかは不明だが、私個人は三幸・元祖説を支持したい。

こちらのお店は、2002年発行の「首都圏 絶対食べたいラーメン店220軒」(成美堂出版)という書籍で知った。
「国立駅から徒歩2分」ということで向かったところ、いつまでたっても店が見つからない。
結局、1時間後に店にたどり着き、どうやら「車で2分」の誤りだと気付いた。
成美堂出版の編集部、ちゃんと校正・校閲をしろ!

当時は『やきとり 三幸』という店名で、居酒屋ゆえドリンクの注文をしなくてはダメだった。
頑固そうなおじちゃん店主に、恐る恐るビールと油そばをオーダーした記憶がある。
その後、店主がお亡くなりになり、一時期店を閉めていたものの、数年後に息子さんがお店を再開。
現在は『油そば 三幸』が正式名のようだが、入口脇には今でも「焼鳥 三幸」と表記された看板が設置してある。


三代目となる息子さんが継いでからは、串焼きはなくなったものの、鶏肉を使った一品料理は健在。
そしてもちろん、元祖の油そばも、以前と同様バリエーション豊か。


上記メニュー画像は最近撮影したものだが、さっきの2002年発行のラーメンガイドも再確認したところ、
油そば類は18年間お値段そのまま! 実は、50円値上げした時期もあったが、その後戻した様子。
何度かの増税や食材高騰もあったのだから、価格維持は実質値下げだ。ありがたいねえ。

以下で、私がこれまでに食べてきたメニューを、いくつか紹介していく。
まずは、9年ほど前にガラケーで撮影した、「トリピー(鶏肉ピーマン炒め)」500円と「ザギン割」400円。


トリピーは、醤油ベースのタレで炒めた、酒がススム一品。ザギン割とは、要するに焼酎の青汁割りだ。
なぜザギン割なのかは不明だが、こちらのお店以外でも、青汁割りを「銀座ハイ」と呼ぶ店があった気がする。
なお、代替わりしてからは、ドリンク注文は必須ではないと思われるが、私は毎回一杯やってる。
無論、いつもシメには麺類を頼んでおり、この日は「味噌たまバターそば」900円をチョイス。


珍しい味噌味の油そばだが、玉子やバターのせいか、それほどしょっぱくなく食べやすい。
現在主流の油そばと比較すると、麺が細く油分も少なめで、おそらくカロリー減でヘルシー…なのかはさておき、
三幸さんのは「油そば」というより、「汁なしそば」というネーミングの方が合っているかもしれない。

それから数年後、先代のとき以来となる、オーソドックスな元祖・油そばを食べたくなり訪問。
まずはビール大瓶600円と、「トリショウ(鶏肉ショウガ炒め)」500円を注文。


さっきのトリピーもだけど、串焼き5本分くらいの鶏肉を使用しており、500円はお得。
ショウガダレが効いた一品で、ビール大瓶は2本、焼酎割りなら軽く3杯はイケる。
ビールでお腹チャプチャプになっちゃったけど、初志貫徹で「油そば」650円を追加。


ネギ、ノリ、ナルト、モヤシ、チャーシューという伝統的な具材に、ラー油が一周かけられている。
油そばなので、よ~く混ぜてから食べ始める。途中で、余ったトリピーの鶏肉とマヨネーズも加えた。


濃厚タレに極太麺を絡め、多彩な具材を散りばめた、最近の流行とは異なるし、物足りなく感じる方もいるだろうが、
お酒のシメには適した麺料理といえよう。

最近久々に訪問したところ、コロナ禍で客が減るどころか、なぜか逆に増えている。
こちらはカウンター席はなく、テーブルのみなのだが、初めて見知らぬオッサンと相席になってしまった。
客の増加は、お店にとっては喜ばしいだろうが、働き手は店主ひとりなので、結構大変そう。
だからなのか、相席のオッサンも含め、店内で飲んでる客が全員、キンミヤ焼酎の一升瓶ボトルをキープしている。
最初に割りモノさえ頼んじゃえば、あとは自分で勝手に飲めるし、追加注文が少ないから店主も楽だろう。
もちろん、キンミヤを飲みすぎて泥酔したり、騒いだりするダメな客がいないのは、さすがは国立。
立川の隣市にもかかわらず、民度の違いは歴然である。

ただし、現店主はひとり回しでも決してイライラすることなく、常連でもない私の注文にも、丁寧に応じてくれる。
この日のファーストオーダーは「ホッピーセット」550円(中、外は各300円)。


中の焼酎を注いだら、なかなかの量であった。おかげですぐに酔ったぞ(苦笑)。


おつまみには「とり豆腐」600円を選択。メニューにもあるマークは、「あんかけ料理」を表している。


大きめのボウルに、塩味の熱々あんかけがたっぷり盛られている。
具材は豆腐、鶏肉、キクラゲとシンプルだが、猫舌のくせにあんかけ好きの私は満足。


この日のシメは、「チャーシュー玉子にんにくそば」1050円にした。


黄身がとろ~りと流れる悩殺画像(?)を撮影したかったのだが、最初の「混ぜ混ぜ」でいきなり崩してしまうエラー。
ここの半熟玉子は、ほぼ生に近い目玉焼きゆえ扱いが難しいのだ。黄身ファン(←いるのか?)よ、申しわけない!

つい最近は、別の店で飲んだあとに立ち寄り、ザギン割と「とうふ油そば」950円を注文。
とうふ油そばは、前回のとり豆腐と似た、塩味のあんかけがそばにかかっているのかと思いきや、
今度は醤油味だった。だが、これはこれでウマそうではないか!


醤油ベースのあんかけの中には、豆腐、キクラゲ、ナルトに、チャーシューを細かく切ったもの。
熱々のあんと、いつもの細麺がマッチして、油そばというより、まるで広東メンのよう


三幸さんの麺類メニューでは、この「とうふ油そば」が一番気に入った!
ついでに、「ザギン割」と一緒の画像も載せておく。醤油あんかけをツマミに、もう一杯飲んじゃったよ。


この日も店内は混雑しており、先客たちの手元には例のごとく、キンミヤの一升瓶が。
ほろ酔い気分でのお会計時、「あのボトルはおいくらですか」とたずねたところ、「4000円です」と店主。
「安い!」と即答した、わたくし正田の名前が記入された、キンミヤ一升瓶が近いうちにお店に置かれるだろう。



油そば 三幸(さんこう)
東京都国立市東2-9-20
JR国立駅から徒歩約9分
営業時間 19時~24時
定休日 日曜
※奥に個室風のテーブル席もあり

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2 コメント

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Unknown (ウジピッポ)
2023-05-10 17:40:20
今のは…三代目です。
先代は…麺は…毎日…京王閣競輪やら立川競輪の帰りに…そこらのスーパーで…適当に仕入れてましたね。
品切れになったら…客に…「そこのコンビニで…麺を買っておいで♪」って言ってましたね。
本来の「三幸」は…表の旭通りに面していて…弟さんが継いていましたが…今は閉店。
裏通りのは…長男が家に帰って来て開いた店ね。
大晦日でも…正月でも客が居れば…年中無休で朝まで営業!
囲碁も将棋も…有段者で…プロ棋士やらアマ名人やら…新聞拡張員やら…開業医やら…初代腕自慢が…夜っぴて対局してましたね。
根岸さん(2代目)が語っていたのに依ると…初代が…復員後…中国大陸で食べた「拌麺」を再現したモノだそうで…開店は…珍々亭よりあとだそうです。
返信する
Unknown (ブログ主)
2023-05-10 17:49:28
ウジピッポ様、
コメントありがとうございます。

三幸さんの貴重な情報、ありがとうございました。
確かに、現店主は三代目のようですね。修正しておきます。
油そばの元祖だと思っていましたが、開業は珍珍亭よりあとでしたか。
私も今度、現店主にいろいろとたずねてみようと思います。

※勝手ながら、一部情報を修正し、私が再投稿しました
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