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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

オレの競輪の師匠 【週間レース出張版】

2019年11月26日 | ギャンブル
知ってる方もいると思うが、私は『週間レース』という雑誌で、コラムと称する拙文を連載している。
タイトルは、このブログの旧名と同じ、「日が沈む前に飲む酒はウマい」だ。
内容は、昼酒とギャンブルを愛し、ロクに仕事もせずダラダラと過ごしている主人公=私の日常をつづったもの。
このブログとほぼ同様だが、週間レースが競馬、競輪、ボートにオートといった、公営競技の専門誌であるため、
どうしても、私の大好きな競輪について語るケースが多くなる。
なので、競輪を知らない人が読んでも、意味がわからない部分が多く、正直面白くはないと思う。
※競輪を知っていても、たいして面白くないとの説もあり

連載を始めてから5年ほどたったが、先日、「その文章を読んでみたい」とおっしゃってくれた方が、
通算でようやく10人を超えた(5年間でこの少なさ!)ので、このブログで紹介してみることにした。
ちょうど最新号のヤツは、競輪を知らなくてもほぼ理解できそうな内容なので、
こちらをコピペ(一部、加筆&修正)し、数ヶ所の注釈(青文字)をつけたものを掲載する。
なお、文中での主人公の一人称は「オレ」であり、顔はこんなかんじ。

※パソコン画面のカットを撮影&編集、以下同

イラスト担当で、競輪漫画「ギャンブルレーサー」の作者である、田中誠先生が描いたいくつかの候補の中から、
週間レース編集部が「これにしよう」と推した顔が採用された。
オレ…じゃなくて私は、実際はもっとイイ男なのだが(?)、最近は自分でも、この顔に似てきた気がする…。
タイトルロゴがこちら。ペンネームも、編集部の意向で、「正田ユージ」となった。


個人的には、本名の正田祐司か、「タイガー・ジェット・正田」などにしたかったのだが。
以下から本文である。実際のレイアウトは、1行14文字×125行=文字数は1750文字くらい。
途中で小見出しが2本と、田中先生のカット2枚が入る。

日が沈む前に飲む酒はウマい 
第130回 オレの競輪の師匠


【男なら競輪をやれ!?】

競輪業界の長年の課題である、新規客の開拓・獲得。
これは主催者側だけでなく、我々ファンも考えなくてはならない問題であろう。
たとえば中央競馬の場合、職場などのグループ内には必ず愛好者がいて、
初心者には競馬の基本情報などをレクチャーしてくれ、頼めば競馬場にも連れて行ってくれるはず。
一方の競輪は、職場や仲間内にあまり愛好者がいなそうだし、
そもそも、会社勤めをしている競輪ファンが少ない(笑)、ってのは言い過ぎか。
つい数年前まで、競輪場は危険な雰囲気が漂っており、若者やシロウトには入り辛い空間であった。

ただ、オレの場合は、一緒に競輪場に同行し、レースや選手などについて解説してくれる指南役がいたため、
競輪という競技の理解が早まり、場内への抵抗もなくなった。
オレが立派な(?)競輪ファンになれたのは、その指南役、というか師匠がいたからなのだ。
そのお方は、競輪歴60年を超えるベテランで、オレと同じ名字で、恥ずかしながら血もつながっていて…
要するにオレの師匠とは、実の父親であった。

誰でもそうだと思うが、年頃になると親をうっとうしく感じ、避ける傾向にある。
高校時代のオレも、父とは普段、ほとんど会話してなかったのだが、あるとき向こうから、
「お前、未成年のくせに、最近競馬やってるらしいな」と、珍しく話しかけてきた。
※注 今も昔も、高校生は馬券を買ってはいけません
うるせえな、文句あるのかよ、と反論したところ、
「バカヤロー、男なら競輪をやれ!」という、予想外の言葉が返ってきた。
自分がファンだからとはいえ、どこの世界に、息子の競馬を叱るどころか、
競輪への鞍替えを勧める親がいるんだよ(苦笑)。


父の助言(?)は無視したが、漫画「ギャンブルレーサー」の影響で興味を抱き、
グランプリだけは買いに行ってみたものの、場内の濃い~雰囲気にビビってしまった。
だが、それから数年後、成人したオレは競馬に飽きてきて、なんとなく競輪のヒラ開催にも足を運ぶようになると、
※注 ヒラ開催とは、スター選手が出場しない地味な開催のこと。基本、コアな客しか来ない
案の定、とある日の立川競輪場で父と遭遇
その日も、そしてそれ以降も一緒に打つようになり、
ふたりでヤジってスッてヤケ酒を飲む、奇妙な師弟関係が始まった。

父に車券仲間も大勢紹介してもらったため、どの競輪場にも必ず顔見知りがいるようになり、現場へも行きやすくなった。
実生活でも、それまでは相変わらず接点のなかった親子だったが、
内容はほとんど競輪とはいえ、家庭内での会話が増えた。
信じられないだろうが、ウチの家族は、競輪のお陰で円満になったのである(笑)。
 
【オレも打ち続けるぜ!】

父をマークし、時にはガードした親子連係も、今年で23年目。
※注 マークもガードも競輪の追込み選手の戦法。本来の意味とほぼ同じ…かな
先述の通り、キャリア60年超の父は、年齢を重ねるとともに、競輪場に通う回数が減ってきた。
最近は、急激に体調が悪くなり、歩行や会話もしんどそうで、時折、意識もモウロウとするようになってきた。
そんな父に対し、「来年は東京五輪もあるし、年末には立川グランプリもある。死ぬのはまだ早いぜ」
と励ましたところ、父は弱々しい視線をオレに向けながら、何かをつぶやいた。
聞き取れなかったので、もう一度言ってくれよと頼んだら、「今月は…競輪祭だ…」だって。
※注 11月に、小倉競輪祭というビッグレース(特別競輪)があったんです
絞り出すような小さな声ではあったが、特別競輪の日程は忘れてねえのかよ、と呆れつつも、ちょっと安心した。
まさか、それから数時間後に、あの世へ旅立っちゃうとは思ってもいなかったよ。
今でも立川競輪場に行けば、いつもの場所でクダを巻く父に、会えそうな気がしてならない。

世間的にはロクデナシかもしれないが、亡くなる直前まで開催を気にかけていた、我が父親の競輪愛には脱帽である。
今頃はあの世の競輪場で、車券仲間や往年の名選手たちと、再会していることだろう。
愚息のオレは、あと60年くらいしか生きないが(←図々しい)、師である父の遺志を継ぎ、
「死ぬまで競輪を続けるぞ!」
とこの場で決意表明しておく。


とりあえずは、生前の父が楽しみにしていた、小倉競輪祭で打ちまくるとするか!
※注 小倉競輪祭、見事にヤラれました

連載文は以上です。よかったら、感想などをお聞かせください。
週間レース、毎月5日と20日に発売中!
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2 コメント

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Unknown (りくすけ)
2023-02-25 19:10:36
正田ユージ 様

オヤジさんの競輪愛、
お2人のエピソード、
泣けました。

僕は競艇に身銭を切って楽しんでいますが、
元競輪実況をしていた同僚がいて、
彼からレースの妙を教えてもらっています。
ちょうど高知で全日本選抜が開催中。
彼は明日の決勝を予想している頃です。
貴君も車券を買う予定でしょうか?
ならば健闘と🎯を祈ります。

では、また。
返信する
Unknown (日が沈む~(略))
2023-02-25 22:46:06
りくすけ様、
コメントありがとうございます。

出張版、読んでいただき感謝いたします。
父子揃っての競輪場通いなんて、
近所からは相当ヒンシュクを買っているはずです。

明日の決勝は、私が狙っていた選手が早々と脱落したため、
大金はぶち込まず、遊ぶつもりです。
返信する

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