しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

第二ファウンデーション 銀河帝国興亡史3 アイザック・アシモフ著 岡部 宏之訳 ハヤカワ文庫

2012-11-15 | 海外SF
「ファウンデーション対帝国」でアシモフのすごさに圧倒され、その勢いで一気に読んでしまいました。
読み終わるとなにやらもったいないような気がしています....。


あらすじ(裏表紙)
設立後300年で、第一ファウンデーションは瓦解してしまった。ハリ・セルダンが予見できなかった人間、超能力を持つミュールに撃破されてしまったのだ。だが、もうひとつのファウンデーション、謎に包まれた第二ファウンデーションが残されていた。銀河系征服をもくろむミュールとそれを阻止しようとするファウンデーションの生き残り、両者による第二ファウンデーション探索が開始されたが・・・・・・傑作宇宙叙事詩、第三弾

第一部 ミュールによる探索
第二部 ファウンデーションによる探索

「ザ・ミュール」が論理だけでなく感性的なものも加えて迫ってきたのに対し、この巻では一、二部とも「論理」を中心としたミステリ仕立て。
アシモフのミステリ的才能が遺憾なく発揮されています。

とはいっても、第一部は前作に続いてミュール、そして名わき役として渋い味を出しているハン・ブリッチャーも引き続いて出演していますので前作の余韻は引きずっている感じです。
敵役の「ミュール」なんとも憎めないキャラです。
アシモフ自身もかなり気に入ったキャラだったんじゃないかなぁという気がしました。

第二部はより「論理」に特化した展開です。
相当注意深く読まないと頭がくらくら来る感じの書き方ですが、すべての文章に論理の破たんはなく、伏線になっているというのがアシモフのアシモフたるところ。
(並みの作家だったらどこかで破たんしそうな気がする。その方が読んでいて楽だったりもするんでしょうが...)

1948~49年頃 28~29歳のアシモフ、キレに切れてますね。
第二部で狂言回し的に出演しているアーカディ・ダレルもなかなか魅力的なキャラなので、彼女を軸に情感を出して書いてもよかったのでは?という気もするのですが....。

最後まで容赦なくミステリ仕立てで、ラストは息つく暇もなく二転、三転させ結末に持っていきます。

この辺夢中になって読みました。(止まらなくなった!)

この巻も中学生の頃読んでいるはずなのですがほとんど記憶なし...。
当時の私では微妙な心理戦を繰り広げる展開が理解できなかったんだろうなぁ~。

読了後しばらく呆然としました。

ここまでテンションを上げて書き上げてしまうと、80年代まで続編に行けなかったのもわかる気がします。

すごい作品、名作です。


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