麻溝公園の「花の谷」に架かる橋の袂に真夏に鮮やかなオレンジ色(橙黄色)の花をつけた一本の「ノウゼンカズラ(和名は凌霄花)」が美しく咲いている。ノーゼンカズラは中国原産でラッパ状の花を咲かせる花姿から英雄や勝者を祝福する際のファンファーレで吹くトランペットを連想し「名声」とか「名誉」、「栄光」という花言葉がつけられている。ノウゼンガズラ科ノウゼンガズラ属落葉蔓性の花木で花期は7~8月、今まさに見頃である。よくみると枝先に円錐花序をだし直径6~7cmの橙黄色の花を咲かせている。花冠は広い漏斗形(じょうご)、先端は5裂して平開する。雄しべ4個のうち2個が長い。平安時代には花と茎は薬として使われていたらしい。(1707)
平塚市立野に高野山真言宗寺院「鶴峰山光円寺」はある。高野山真言宗は真言宗の宗派で全国約3700の末寺を包括する包括宗教法人である。総本山は「金剛峯寺」である。創建は不詳だが、昔は等覚院の東隣、現在の「平塚電話局」辺りにあり、明治31年の新宿の大火にて消失、現在の地に移転となる。文禄3年(1594)の水帳に当寺の記載があり、新宿で最古の寺であったことが推定される。「山門」を抜けると境内は美しく左手に「鐘楼」、右手に「六地蔵」、中央には平塚八幡宮にあったが「宝篋印塔」を復元新装し、昭和31年に平塚観光協会が2381柱の戦没英霊を合祀した慰霊塔として「平塚市戦歿英霊手向けの塔」を建てたとある。この「手向けの塔」の奥に堂々とした「本堂」がある。扉が開けられ堂内に祀られている本尊を拝むことができた。墓域(真壁家の墓)には番町皿屋敷で有名な「菊女の墓」(貞室菊花信女)がある。(1707)