2017年夏のキャンペーン (共謀罪成立後)
2017年6月17日作成・改定
◆日本共産党の市会議員・菊池伸浩です。この場所をお借りしまして、日本共産党の政策の訴えをさせていただきます。
6月15日未明、自民・公明・維新の3党は、共謀罪法案の強行採決を行いました。しかも、これは委員会採決を省略して、本会議にかけるという、異例・違法な方法です。国会審議は、委員会で審議・可決してから本会議に上程し、採決するのがルールです。それを「中間報告」をしてすますという、そして、審議の一方的にうちきるという、乱暴極まる方法で、共謀罪を強行したことに、怒りをこめて抗議するものです。
共謀罪法案の最大の問題は、「心の中」まで処罰する憲法に違反する法律であるということです。「何を考え、何を相談するかは、人間の自由です。心の中で考えたことが処罰の対象になる。こんなことはゆるされるものではありません。具体的な行為があってはじめて処罰するという刑法の大原則を根本から覆すものです。思想・良心・内心の自由を保障した憲法19条に違反した文字通りの違憲立法だということです。第二は一般の人が処罰の対象になるということです。政府は、「組織的犯罪集団」を対象にすると説明していました。しかし、参議院の審議では、環境保護団体や人権保護団体を「隠れみの」にしている場合は、処罰されることがありうると言い出しています。
「数の暴力」で強行されたからといって、そのままにしておくことはできません。共謀罪法を廃止する新しいたたかいを全国で起こしていこうではありませんか。
◆今の安倍政権の大きな問題に、森友学園による疑惑、獣医学部新設をめぐる加計疑惑があります。これは「モリカケ」疑惑と呼ばれています。これは権力による国政の私物化です。森友学園疑惑の核心は、8億円にものぼる国有地の値引きがどのようにして行われたかです。総理夫人の関与が極めて濃厚です。それにも関わらず、安倍首相は、総理夫人の証人喚問を拒否し続けています。もう一つの加計疑惑は、獣医学部新設をめぐって、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」という文書が明るみに出ています。安倍首相は「岩盤規制に穴をあけた」と胸を張っています。しかし、このあけた穴は誰のためにあけたのか、加計学園のためにあけたのか、安倍首相の腹心の友ためにあけた穴であったのか、このことが問題となっているのです。安倍政権による国家の私物化を許さないためにも、2つの疑惑、「モリカケ疑惑」を徹底的に解明していこうではありませんか。
◆もう1つの大きな問題は、安倍首相が憲法9条に手をつけようとしていることです。内閣総理大臣が5月3日の発言のように、あからさまな憲法改定を、期限まできめて宣言することが許されるでしょうか。安倍首相は、憲法9条1項、2項を残しながら、「自衛隊を3項に明文で書き込む」と発言しています。これは、単に存在する自衛隊を憲法上追認することに止まりません。文字通り無制限の海外での武力行使を可能にすることになります。自衛隊が憲法9条に明記されたら、たとえ9条2項が残ったとしても、「交戦権はみとめない、戦争はしない」文言が残ったとしても、死文化、空文化することにつながります。
国民の目、耳、口をふさぐ秘密保護法、物言えぬ監視社会をつくる共謀罪、安保法制=戦争に続く憲法9条の改定の企て、「海外で戦争する国」への暴走を、これ以上続けさせるわけにはいきません。
今回の事態を踏まえ、共産党・民進党・自由党・社民党の野党4党は、党首会談で、「安倍政権下での憲法9条の改悪に反対する」ことを確認いたしました。立憲主義を平気で壊す安倍政権には憲法を変える資格はない。この一点で野党は固く団結しています。来たるべき総選挙で、野党と市民の共闘を必ず成功させ、安倍政権を打倒し、憲法が生きる新しい政治をつくるために、日本共産党は全力をつくしてまいります。