さて、第570回は、
タイトル:陰陽師列伝 日本史の闇の血脈
著者:志村有弘
出版社:学習研究社
であります。
安倍晴明に代表される陰陽師。
その晴明を筆頭に比較的名の知れた奈良時代から鎌倉、江戸時代に至る陰陽師を紹介したもの。
構成は、
序章 秘法
初っぱなから何だが、秘法なんて大仰なものではなく、陰陽道とは、そして陰陽師とはどんなことをする者なのか、そんなことを短く解説しているだけである。
それなりに知識のあるひとにとっては、斜め読みで十分。
第一章 列伝
陰陽道を日本に導入したとする吉備真備から、晴明関係で有名な賀茂忠行、保憲親子、安倍晴明とその子孫などを各人物ごとに紹介。
「今昔物語集」と言った物語や「小右記」と言った日記などに記載されている事柄から、各人がどういうことをしたのかなどを描いている。
もちろん、文献の中での扱いによって内容の多寡は生じてしまうが、概して有名な話を収録しており、入門書としてはいいが、やはりここも多少の知識があれば物足りないだろう。
実際、「今癪物語集」とかを読んだこともあるし、それなりに陰陽道関係の本を読んだことがある私にはかなり物足りない。
ほとんどが知っている話だったりするし。
第二章 奇談
列伝よりもむしろこちらのほうが興味深かった。
上記の文献などに名は乗らないものの、逸話、説話として残っている民間の陰陽師の話を紹介している。
もっとも、何となくこれは聞いたような気がするものもあったりするけど。
参考 カラー口絵
中国から渡来した妖狐玉藻前を、晴明の子孫安倍泰成が妖狐と看破し、それを上総介、三浦介が退治する物語の紹介。
なんでここだけカラーで、絵物語が入っているのか疑問。
第三章 暗躍
ここでは主に源平の時代に、ときの権力者に伺候した陰陽師の紹介をしている。
藤原頼長、平清盛、源頼朝、実朝と続く。
第四章 残照
陰陽師たちのその後、と言うことで、第三章の暗躍以後、江戸時代などでの主に晴明の子孫である安倍家(土御門家)を中心に紹介。
……と言うのが主な内容で、あとに付録が収録されている。
しかしまぁ、タイトルにも書いたし、中にも書いたけど、入門書だぁね。
夢枕獏の「陰陽師」シリーズや映画など、興味を持ったひとが最初に手に取るには、解説も冗長にならずわかりやすいのでオススメできる。
そうでなければ、他のもう少し専門的な部分にも触れたもののほうが満足できるだろう。
タイトル:陰陽師列伝 日本史の闇の血脈
著者:志村有弘
出版社:学習研究社
であります。
安倍晴明に代表される陰陽師。
その晴明を筆頭に比較的名の知れた奈良時代から鎌倉、江戸時代に至る陰陽師を紹介したもの。
構成は、
序章 秘法
初っぱなから何だが、秘法なんて大仰なものではなく、陰陽道とは、そして陰陽師とはどんなことをする者なのか、そんなことを短く解説しているだけである。
それなりに知識のあるひとにとっては、斜め読みで十分。
第一章 列伝
陰陽道を日本に導入したとする吉備真備から、晴明関係で有名な賀茂忠行、保憲親子、安倍晴明とその子孫などを各人物ごとに紹介。
「今昔物語集」と言った物語や「小右記」と言った日記などに記載されている事柄から、各人がどういうことをしたのかなどを描いている。
もちろん、文献の中での扱いによって内容の多寡は生じてしまうが、概して有名な話を収録しており、入門書としてはいいが、やはりここも多少の知識があれば物足りないだろう。
実際、「今癪物語集」とかを読んだこともあるし、それなりに陰陽道関係の本を読んだことがある私にはかなり物足りない。
ほとんどが知っている話だったりするし。
第二章 奇談
列伝よりもむしろこちらのほうが興味深かった。
上記の文献などに名は乗らないものの、逸話、説話として残っている民間の陰陽師の話を紹介している。
もっとも、何となくこれは聞いたような気がするものもあったりするけど。
参考 カラー口絵
中国から渡来した妖狐玉藻前を、晴明の子孫安倍泰成が妖狐と看破し、それを上総介、三浦介が退治する物語の紹介。
なんでここだけカラーで、絵物語が入っているのか疑問。
第三章 暗躍
ここでは主に源平の時代に、ときの権力者に伺候した陰陽師の紹介をしている。
藤原頼長、平清盛、源頼朝、実朝と続く。
第四章 残照
陰陽師たちのその後、と言うことで、第三章の暗躍以後、江戸時代などでの主に晴明の子孫である安倍家(土御門家)を中心に紹介。
……と言うのが主な内容で、あとに付録が収録されている。
しかしまぁ、タイトルにも書いたし、中にも書いたけど、入門書だぁね。
夢枕獏の「陰陽師」シリーズや映画など、興味を持ったひとが最初に手に取るには、解説も冗長にならずわかりやすいのでオススメできる。
そうでなければ、他のもう少し専門的な部分にも触れたもののほうが満足できるだろう。