さて、思~えば~と~おくへ~来た~も~んだ~♪ の第802回は、
タイトル:雷の娘シェクティ 1 天雷の剣
著者:嵩峰龍二
出版社:富士見書房 富士見ファンタジア文庫(初版:H1)
であります。
平成元年……古いなぁ……。
とは言え、実は当時、けっこう好きだった小説でいまとなってはなかなか手に入らない本だから半ば諦めていたんだけど……図書館にありました(笑)
でも、昔読んでて好きだったのがいま読むと……ってのはよくあることなので、どうかと思いつつ……。
構成は、「ドラゴンマガジン」と言う雑誌に連載として掲載されていたこともあって短編連作の体裁で、本編4話、付話として世界観を解説するための話である「創世の史詩」というのが収録されている。
各話は以下。
「第一話 天雷の剣」
大陸の南部中央に広がる大砂漠地帯、その交易路の東端部にあるバクシィで、十あまりの少年シェクタと女戦士のラウニィは、シェクタがイカサマ賭博で稼いだ金で、ようやく宿でくつろぐことが出来ていた。
しかし、神々の遺産の鍵である者がバクシィにいることを知った領主とお抱えの魔導士は占いが示す場所……シェクタとラウニィがいる宿へ襲撃をかける。
ラウニィが鍵である者と思っていた領主勢は、シェクタ……ほんとうは少女であったシェクティが持つ剣が神々の遺産である「天雷の剣」であることを知るが……。
「第二話 風の狂戦士」
神殿都市アドレガ。数ヶ月前、ある女戦士とつらい別れを経験したシェクティは、しかし遺産の鍵を持つ者として、神殿を乗っ取った妖術士に狙われていた。
それを吟遊詩人のレミスカグナ……レマに助けられるが、他人と深く付き合うことを怖れるシェクティは、レマからも逃れるがついには妖術士に捕らえられてしまう。
偶然の出会いを装いつつも実際はシェクティを探していたレマは、自らのくびきを解き放ち、シェクティを助けるために妖術士がいる神殿へ向かう。
「第三話 黒の妖精郷」
ひょんなことから旅の同行者(この時点ではレマが追っかけている状態)となったシェクティとレマ。
だが、まだ自らの持つ力に他人を敬遠しがちなシェクティは、レマが寝静まったのを見計らって逃げ出してしまう。
しかし、その日は現実とは異なるシェクティの持つ力すらも及ばない別世界への扉が開きやすい日だった。
「第四話 過去の傷跡」
結局、ともに旅をすることになったシェクティとレマ。
ふたりはバロウダという街を訪れていたが、そこはレマが渋るのをシェクティがレマの様子を見て無理矢理寄った街だった。(寄った原因は、シェクティの食い意地で食糧が乏しくなったためだが)
レマが渋る理由……裏世界では「風のレマ」として怖れられているレマが、過去にここに巣くう妖術士一味を壊滅させたことだった。そして、その妖術士がまだ生きていることも……。
「付話 創世の史詩」
都市、と呼ぶには小さなミムザの街に立ち寄ったシェクティとレマ。
そこで多忙な神官の代わりに葬儀の主宰を頼まれたレマと、葬儀の様子を見ていたシェクティは、宿に戻ってからレマに「人間が死んだらどうなるのか」という問いをかける。
そんなシェクティに、レマはまじないの歌を用いてシェクティに創世の物語から語り始める。
最初に、いま読んだらどうかと思ってたけど、懐かしさを除いても、全巻読んでいて、どういう結末なのかも知っているけど、それでも意外におもしろく読めた。
短編連作で、基本は一話完結で読みやすいし、重厚な世界観も記憶通りしっかりしている。
ただ、著者自ら、「得意のオカルティズムを駆使」して設定などを作った、とあり、確かに綿密に世界の階層や人外の魔物や精霊などの設定を構築しているが、結局そのオカルティズムでの知識を再構築しただけなのが、なんかねぇ……。
魔物や精霊とかの名前や役割もいろんな神話や伝説とか、無節操に取ってきてるだけで、オリジナルは結局シェクティやレマに関わるメインの神々の部分だけってのが、もっと綿密に作るなら、もうちょいオリジナリティを入れて捻ったりしてもいいんじゃない? って気はする。
また、文章もやや繋がりが悪いところが散見されるのもマイナス。
まぁ、そういうところを除けば、物語も世界観もしっかりしているほうだし、キャラも主人公のシェクティは、いまで言ういわゆる「ツンデレ」でかわいいところもあり、ラノベが好きなひとにはまじめなファンタジーとしてオススメできるだろう。
古い作品だが、軽めのファンタジーはもう飽きた、って感じのひとにはいいかも。
タイトル:雷の娘シェクティ 1 天雷の剣
著者:嵩峰龍二
出版社:富士見書房 富士見ファンタジア文庫(初版:H1)
であります。
平成元年……古いなぁ……。
とは言え、実は当時、けっこう好きだった小説でいまとなってはなかなか手に入らない本だから半ば諦めていたんだけど……図書館にありました(笑)
でも、昔読んでて好きだったのがいま読むと……ってのはよくあることなので、どうかと思いつつ……。
構成は、「ドラゴンマガジン」と言う雑誌に連載として掲載されていたこともあって短編連作の体裁で、本編4話、付話として世界観を解説するための話である「創世の史詩」というのが収録されている。
各話は以下。
「第一話 天雷の剣」
大陸の南部中央に広がる大砂漠地帯、その交易路の東端部にあるバクシィで、十あまりの少年シェクタと女戦士のラウニィは、シェクタがイカサマ賭博で稼いだ金で、ようやく宿でくつろぐことが出来ていた。
しかし、神々の遺産の鍵である者がバクシィにいることを知った領主とお抱えの魔導士は占いが示す場所……シェクタとラウニィがいる宿へ襲撃をかける。
ラウニィが鍵である者と思っていた領主勢は、シェクタ……ほんとうは少女であったシェクティが持つ剣が神々の遺産である「天雷の剣」であることを知るが……。
「第二話 風の狂戦士」
神殿都市アドレガ。数ヶ月前、ある女戦士とつらい別れを経験したシェクティは、しかし遺産の鍵を持つ者として、神殿を乗っ取った妖術士に狙われていた。
それを吟遊詩人のレミスカグナ……レマに助けられるが、他人と深く付き合うことを怖れるシェクティは、レマからも逃れるがついには妖術士に捕らえられてしまう。
偶然の出会いを装いつつも実際はシェクティを探していたレマは、自らのくびきを解き放ち、シェクティを助けるために妖術士がいる神殿へ向かう。
「第三話 黒の妖精郷」
ひょんなことから旅の同行者(この時点ではレマが追っかけている状態)となったシェクティとレマ。
だが、まだ自らの持つ力に他人を敬遠しがちなシェクティは、レマが寝静まったのを見計らって逃げ出してしまう。
しかし、その日は現実とは異なるシェクティの持つ力すらも及ばない別世界への扉が開きやすい日だった。
「第四話 過去の傷跡」
結局、ともに旅をすることになったシェクティとレマ。
ふたりはバロウダという街を訪れていたが、そこはレマが渋るのをシェクティがレマの様子を見て無理矢理寄った街だった。(寄った原因は、シェクティの食い意地で食糧が乏しくなったためだが)
レマが渋る理由……裏世界では「風のレマ」として怖れられているレマが、過去にここに巣くう妖術士一味を壊滅させたことだった。そして、その妖術士がまだ生きていることも……。
「付話 創世の史詩」
都市、と呼ぶには小さなミムザの街に立ち寄ったシェクティとレマ。
そこで多忙な神官の代わりに葬儀の主宰を頼まれたレマと、葬儀の様子を見ていたシェクティは、宿に戻ってからレマに「人間が死んだらどうなるのか」という問いをかける。
そんなシェクティに、レマはまじないの歌を用いてシェクティに創世の物語から語り始める。
最初に、いま読んだらどうかと思ってたけど、懐かしさを除いても、全巻読んでいて、どういう結末なのかも知っているけど、それでも意外におもしろく読めた。
短編連作で、基本は一話完結で読みやすいし、重厚な世界観も記憶通りしっかりしている。
ただ、著者自ら、「得意のオカルティズムを駆使」して設定などを作った、とあり、確かに綿密に世界の階層や人外の魔物や精霊などの設定を構築しているが、結局そのオカルティズムでの知識を再構築しただけなのが、なんかねぇ……。
魔物や精霊とかの名前や役割もいろんな神話や伝説とか、無節操に取ってきてるだけで、オリジナルは結局シェクティやレマに関わるメインの神々の部分だけってのが、もっと綿密に作るなら、もうちょいオリジナリティを入れて捻ったりしてもいいんじゃない? って気はする。
また、文章もやや繋がりが悪いところが散見されるのもマイナス。
まぁ、そういうところを除けば、物語も世界観もしっかりしているほうだし、キャラも主人公のシェクティは、いまで言ういわゆる「ツンデレ」でかわいいところもあり、ラノベが好きなひとにはまじめなファンタジーとしてオススメできるだろう。
古い作品だが、軽めのファンタジーはもう飽きた、って感じのひとにはいいかも。